刑務官採用試験の難易度・倍率の推移を解説
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刑務官採用までの流れ
刑務官になるには、まずは法務省が実施する「刑務官採用試験」に合格する必要があります。
採用試験は1次試験と2次試験に分かれ、1次試験では「基礎能力試験」と「作文試験」、さらに武道の区分で受験する場合は「実技試験(柔道または剣道)」も実施されます。
基礎能力試験は「40題90分」であり、内訳は知能分野20題(文章理解7題、課題処理7題、数的処理4題、資料解釈2題)、知識分野20題(自然科学5題、人文科学8題、社会科学6題、情報1題)です。
2次試験では、人柄・対人的能力などを見る「人物試験(個別面接)」、疾患などがないかをチェックする「身体検査」、最低限の身体的な基準をクリアしているかを見る「身体測定」、運動能力や身体的能力を計る「体力検査」が実施されます。
これらの試験を無事突破すると「採用候補者名簿」に名前が載り、この名簿の中から本人の希望を考慮したうえで、各施設で面接が実施されて採用が決定します。
刑務官として採用されると、まずは「初等科研修」を修了する必要があり、そこで刑務官としての基本的な職務常識や法令の知識、矯正護身術などを身につけていきます。
研修修了後は、一般的には各施設に「昼夜間勤務」での配属となり、昼間は収容者の引率や運動の立会、夜間は居室棟の巡回などの業務に従事します。
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刑務官の受験資格
刑務官採用試験には「刑務」「刑務(武道)」「刑務(社会人)」の3区分があります。
それぞれの受験資格は以下のとおりです。
- 刑務:受験年の4月1日時点で「17歳以上29歳未満」の男女。
- 刑務(武道):受験年の4月1日時点で「17歳以上29歳未満」の男女(柔道または剣道の実技試験を実施)。
- 刑務(社会人):受験年の4月1日時点で「29歳以上40歳未満」の男女。
基本的には上記の年齢要件を満たしていれば受験可能であり、学歴に関する規定などはとくにありません。
刑務官の合格難易度
刑務官採用試験の難易度は「高校卒業程度」とされており、ほかの行政系公務員と比べればやさしい方だといわれています。
とはいえ、全体の合格倍率は5倍から高い年度では10倍前後となるため油断は禁物です。
また、刑務官採用試験は男性が「刑務A」、女性が「刑務B」とそれぞれ区分が分かれています。
合格者の内訳をみると、女性の合格者は男性の半数以下となっていますが、そもそもの申込者数も女性のほうが少ないため倍率的には大きな差はありません。
なお、社会人区分で受験する場合は、男女ともに一般の区分と比べて採用枠が非常に少ないため、より成績上位での試験突破が求められるでしょう。
このような試験区分ごとの合格者数や倍率の違いに加えて、「受験地域」によっても試験倍率には差が出ています。
採用人数が少ない地域では倍率が跳ね上がる可能性もあるため、自分の居住地域以外での受験を検討することも一つの方法といえます。
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刑務官採用試験の合格倍率・男女比
刑務官採用試験申込者数の推移
刑務官採用試験の申込者数は、近年4,000人前後を推移しております。2023年度の申込者数は3,797人となりました。
刑務官採用試験合格倍率の推移
刑務官採用試験の合格倍率は、前年度よりやや低下し、3.7倍となっています。
2024年度 刑務官採用試験の概要
試験日 | ・第1次試験日:2024年9月15日(日) ・第2次試験日:2024年10月17日(木)~23日(水) ※第1次試験合格通知書で指定する日時 |
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試験地 | 全国各地 |
受験資格 | 刑務A及び刑務A(武道) 1995年4月2日~2007年4月1日生まれの男子 刑務B及び刑務B(武道) 1995年4月2日~2007年4月1日生まれの女子 刑務A(社会人) 1984年4月2日~1995年4月1日生まれの男子 刑務B(社会人) 1984年4月2日~1995年4月1日生まれの女子 次のいずれかに該当する者は不合格となります。 |
試験内容 |
一次試験<基礎能力試験> 二次試験<人物試験> 体力検査の内容基準に達しないものが一つでもある場合は、体力検査で不合格となります。 |
合格倍率 | 3.7倍(2023年度) |
合格発表 | ・第1次試験:2024年10月9日(水) ・第2次試験:2024年11月19日(火) |
詳細情報 | 人事院 刑務官採用試験(PDF) |