歌手になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校・養成所)
歌手になるための学校の種類
歌手として必要な力を身に付けるためにはどのような学校に通えばよいのでしょうか。
一般的には、音楽系の専門学校やスクールに通うという方法が挙げられます。
学校の主な種類としては、音楽関係の専門学校、高等専修学校、ミュージックスクール、あるいは音大があります。
もちろん、歌手に学歴は必要ないので、これらの学校を出ていなければなれない職業というわけではありません。
実力やセンス、人脈、そして運に恵まれれば、完全に独学でも歌手としてデビューできる可能性もあります。
しかし、現実はそう甘くないので、歌手になりたいという人がごまんといる中で、人よりも優れた歌唱力やセンスがなければなかなか見出してもらうのは難しいのです。
こういった現状があることから、多くの歌手志望の人は、音楽関連の学校やスクールに通って基礎を身に付けています。
20代で正社員への就職・転職
歌手になるための大学学部・音大
歌手を目指すために大学を目指したい人は、国立や私立の音大の声楽科に進学するとよいでしょう。
声楽科では発声の基礎や音楽史などを幅広く学ぶことができます。
歌手のなかでもロック歌手やシンガーソングライターではなく、オペラ歌手や劇団の歌手を目指す場合は、このような大学で本格的にトレーニングをしたほうが近道になることがあります。
音大では音楽の授業だけではなく一般的な大学と同じように語学や社会学などの授業も受けることができます。
また、大卒の学歴を手に入れることができるので、就職の際の選択肢が広がるというメリットもあります。
授業料は音大は国立か私立かによっても異なりますが、私立の場合は特に高く、合計で800万円以上かかる学校もあるようです。
歌手になるための専門学校
歌手を目指すための専門学校やスクールでも、音大と同じように声の出し方、歌い方、プロとしての心構えのほか、古今東西の音楽史の勉強や作詞作曲のコツなどが学べます。
音大に比べると音楽の授業だけに特化したカリキュラムが組んであるのが、専門学校やスクールの強みです。
学費に関しては、2年間で200万円〜300万円程度かかるのが一般的です。
ただし、週に何度通学するのか、レッスンを受ける人数(マンツーマンレッスンか、それともグループレッスンか)などによって、かかる費用は大きく変わってきます。
民間のミュージックスクールであれば、年間で数十万円程度に収まることもあります。
そのぶん、個人レッスンの回数が少なかったり講師のレベルがそれほど高くなかったりすることがあるので、学校選びは慎重にしましょう。
20代で正社員への就職・転職
独学で歌手になれる?
歌手は、特定の学校やスクールに通わなければなれない職業ではありません。
デビューするためにはさまざまな方法が考えられますが、たとえばボーカルオーディションや歌のコンテストは、どのような人にも門戸が開かれています。
そのため、完全独学であろうと、実力さえ認められれば歌手になれる可能性は十分にあるといえます。
しかしながら、現実はそう甘くありません。
実際、巷にはボーカルスクールや音楽学校が多々存在し、多くの実力ある歌手の卵たちが、日々これらの学校に通って厳しいレッスンを受けているのも事実です。
いくら本やインターネットがあるといっても、独学で歌唱力を上げるのはとても大変なこと。
ライバルが多数いるこの世界で少しでも早く、確実なデビューを目指していくためには、プロの指導を受けて実力を磨いていくことが必要といえるかもしれません。
「歌い手を目指して独学を続けているが、なかなか伸び悩んでいる」という場合、プロの指導を受け、ほんの少しの「コツ」を身に付けることによって、一気に成長が加速することがあります。
そもそも、独学のデメリットは、客観的に自分の歌の良し悪しを判断しにくいことにあるといえます。
たとえば、喉に負担がかかるやり方のまま無理に歌い続けて声を枯らしてしまったり、「音程が微妙に外れている」「リズムがずれている」といった悪い部分に気付かないまま、変な癖がついて直せなくなってしまうこともあります。
そうならないためにも、できるだけ早い段階でプロのアドバイスを受けることはとても大切なこと。
自分の歌に絶対的な自信があるという人も、一度はレッスンを受けておいて損はないはずです。
歌手の留学
歌手の学校やスクールは日本全国にたくさんありますが、あえて海外留学をし、世界各国の音楽学校やボーカルスクールで歌唱力アップに励む歌手志望者も大勢います。
歌手は独学でもなろうと思えばなれる職業であり、留学も必須ではありません。
しかし、アメリカ発祥のジャズやブルース、ゴスペル、リズム&ブルース(R&B)などの歌い手を目指す場合は、ニューヨークを中心とするアメリカの音楽学校へ進学する人が目立ちます。
もちろん、これらの歌は日本の学校でも学ぶことができますが、本場だからこそ学べるもの、感じられることも多々あるものです。
ハイレベルなレッスンを受け、各国から集まったライバルと切磋琢磨しながら歌唱力や表現力を高めていけるのは、留学の大きな魅力といえるでしょう。
また、ニューヨークには歌手のみならず、一流のミュージシャンやアーティストたちが世界中から集結しています。
日々、街を歩く中で素晴らしいパフォーマンスに触れる機会も多く、そこからもさまざまな刺激を受けることができます。
歌唱力だけではなく、感性を養う、表現力を磨く、価値観を広げるという意味でも、留学には大きな魅力があるのです。
歌手の学校選びのポイントは?
人脈づくりを大切に
歌手を目指す人が学校選びの際に気を付けておくべきなのは、音楽の学校やスクールを出たからといって、すべての人が歌手になれるわけではないということです。
学校に行くことの一つののメリットは、すでにプロとして活動している人と触れ合うチャンスを得られること。
学校によっては、第一線で活躍中の人気歌手が講師として招かれることもあり、プロの心構えや苦労、プロを目指す上で気をつけなければならないことなどを、直接教えてもらえます。
学生時代の努力を目に留めてもらえれば、プロの歌手のバックコーラスの仕事がもらえることもあるようです。
このように、学校に行くことで音楽業界における人脈づくりができることがあるので、学校を選ぶ際には自分の目指すジャンルに多くのネットワークを持っている学校を選ぶとよいでしょう。
学校以外の注意点
学校やスクールに通うことは考えていないけれど、ボーカルトレーニングの基礎を学びたい場合は、通信講座を利用したり、個人で講師をしている先生を見つけたりして、アドバイスや指導を受けるという方法もあります。
また、業界の人脈を利用して、プロやセミプロとして活動している歌手の付き人になる方法もあります。
そのほか、芸能プロダクションのボーカルオーディションを受けて合格した場合、系列の養成所への入学を薦められることがあります。
レッスン代は必要となりますが、実力があると認められれば、プロダクションのバックアップの下に活動することができます。
ただし、プロダクションには大小さまざまあり、なかには金銭目的で生徒の勧誘をするようなところもあるといわれるため、よく見極めて選ぶ必要があります。