女性の介護福祉士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の介護福祉士の現状

平成31年度の介護福祉士国家試験合格者の男女比率は男性が29.6%、70.4%となっています。

直近10年を見てみると、男性の比率が2割から3割まで増えてきてはいますが、介護福祉士を目指す人はまだまだ女性が多いといえるでしょう。

もともと介護の仕事は子育ての終わった主婦や女性の仕事と考えられていた背景が色濃く残っており、介護が国家資格化して専門職となった現在でも、介護業界の職場は女性の割合が高いところがほとんどです。

また男性介護福祉士が少ないせいか、男女の差を感じることなく働ける雰囲気が強いようですが、管理職の男性割合は他の業種と同じく高いようです。

女性の介護福祉士の強み・弱み

介護の仕事は女性のニーズが非常に高くなっています。

女性の利用者には、男性の介護職員から身体介護を受けるのに抵抗があると同性の介護職員を希望される方も多くいます。

また性別の違いによる視点の違いも大きく、家庭生活を長く続けてきた女性だからこそ気が付く視点というのも多くあります。

一方、寝たきりの利用者や身体の大きな利用者などを介護する時は体力が必要となりますので、どうしても男性スタッフが重宝されるという面はあります。

介護福祉士の結婚後の働き方・雇用形態

介護福祉士は女性が多く活躍する職業のため、結婚・出産後も同じく仕事を続けられるよう制度を整えているところが多いようです。

ただし、こうした福利厚生を利用できるかどうかは施設の考え方や職員体制、施設の規模などにも左右され、形骸化していることもあるため注意が必要です。

介護福祉士は求人も多いため、結婚や出産を機に正社員からパート・アルバイトなど雇用形態を変えたり、他の働きやすい施設や事業所に転職したりする人も少なくないようです。

介護福祉士は子育てしながら働ける?

育児中も働けるところは多い

子育てをしながらでも働ける施設や事業所は多くあります。

施設や事業所では働き手を確保するために、育児中の女性には夜勤を免除して日勤のみの勤務にしたり、勤務時間を短時間に設定するなど工夫したりしているところも多いようです。

近年では大きな事業所の場合、敷地内に託児所を併設しているところも増えてきているようです。

短時間でも働ける訪問介護員(ホームヘルパー)

子育てをしながら働きたい、短時間でもいいから働いて収入につなげたいという人には、訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事がおすすめです。

この仕事のメリットは、自分の都合のよい時間をあらかじめ会社に提示しておき、その時間帯で働くことができる点です。

自宅から直接、利用者宅に行きサービスを行って、帰宅するという「直行直帰」の仕事も多いため、子どもがいるなどして短時間しか働けないという人も働きやすくなっています。

介護福祉士は女性が一生働ける仕事?

介護福祉士のみならず、介護の仕事は女性の活躍の場として広く認知されています。

日本はこれから超高齢化時代を迎え、介護を利用する人も急増することから、今後は介護福祉士のニーズも高まり、年齢を重ねても働く人がより増えてくると考えられます。