家具デザイナーの仕事内容・なり方や必要な資格・給料を解説
家具デザイナーの仕事内容
空間全体をデザインする
家具デザイナーとは、住まいやオフィスなどの家具をデザインするデザイナーのことです。
デザインのみを行う場合もあれば、実際に製造まで行うデザイナー、設計〜完成まで全てをプロデュースし、販売まで手がける人もいます。
最近は、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターを兼ねる人も増えています。
デザイナーなので、色や形状などのファッションセンスが重視されがちですが、オフィスや生活空間で使用する家具なので、その機能性や使いやすさも考慮してデザインできるスキルも重要となります。
また、お客さまのオーダーに応えながら、設置する部屋や空間の雰囲気とマッチするデザインを考えなければならず、家具だけではなく、「空間全体をデザインする仕事」と考えた方がよさそうです。
20代で正社員への就職・転職
家具デザイナーの就職先、活躍の場
メーカーやショップ、設計事務所で働く
「家具デザイナー」として働いている人はまだまだ少ないのが現状です。
どちらかというと、家具のデザインもできる「インテリアデザイナー」や「スペースデザイナー」として働く人が多くなっています。
主に家具・インテリアメーカー、雑貨やライフスタイルショップ、家具・インテリアデザイン設計事務所、オフィス家具・小売店舗用什器メーカー、インテリアデザイン事務所、有名家具デザイナーの事務所などが就職先となります。
家具デザイナーの1日
納期に合わせて動く
家具デザイナーの1日は、勤務先や雇用形態、デザイナーのみを行うまたは製造まで行う等の仕事内容によっても異なります。
「納期までに製品を仕上げて納品する」仕事ですので、納期が近づくと、残業をしなくてはならない時もあります。
メーカーでデザイン〜完成までプロデュースする家具デザイナーの場合
20代で正社員への就職・転職
家具デザイナーになるには
幅広い知識と能力が求められる
家具デザイナーになるには特別な資格は必要ないですが、デザインの基礎的な知識や技術、図面の制作など多岐にわたる能力が求められれます。
創造したものを立体物として表現するスケッチやCG制作のスキルはもちろん、建築・インテリア図面とは異なる家具図などを描かねばならないので、空間デザインを学ぶことが必須となります。
また、創造力や造形能力、形状の美しさを見極める能力なども必要となり、学校で学ぶか現場で経験しながら身につけていきます。
家具デザイナーの学校・学歴・学費
3つの中から自分の適性で選ぶ
家具デザイナーになるための幅広い知識を得るためには、ひとつは専門学校や大学で基礎を学び、在学中に資格を取りながら就職にそなえる方法があります。
専門的に勉強することで、しっかりとした基盤を築くことができます。
また、在学中に家具やインテリアデザイン事務所でアルバイトなどをしながら、実践を通じて学ぶ方法もあります。
実務経験を積むことができるので、卒業後すぐに即戦力として働くことができます。
さらに、独学で学ぶ方法もあります。
周りと情報などを共有できないリスクはありますが、自分のやりたいように自由に勉強を進めることができます。
家具デザイナーの資格・試験の難易度
有利な資格は難易度が高い
家具デザイナーの仕事には、インテリアコーディネーター資格で求められる家具の歴史や、デザイン表現、色彩感覚、建築に関する知識など、多様な知識を身につけておくと有利です。
資格としては、建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター等の資格があると、実際の業務でも幅広く対応ができます。
ただしいずれも難易度は高く、計画的な勉強と努力が必要となります。
家具デザイナーの給料・年収
実力次第で年収も上がる
給料も勤務時間同様に、勤務先や雇用形態、仕事内容によって異なりますが、5年目くらいまでの仕事を覚える期間は、おおよそ年収250〜350万円くらいといわれています。
仕事をしっかりと覚えて、自らのデザインで商品化できるようになると、当然年収も上がります。
また、名の売れた家具デザイナーになり、独立などをするとこの限りではありません。
実力次第で、お金を稼げる仕事ともいえます。
家具デザイナーのやりがい、楽しさ、魅力
自分の作品でお客さまが幸せになる
家具デザイナーは、自分が考えて創造したスケッチがそのまま製品となるので、創ることが好きな人には楽しい仕事といえます。
また、自分の作品でお客さまに喜んでいただけると、やりがいにもつながります。
お客さまの暮らしを豊かにしたり、オフィスや商業空間の環境の改善ができる仕事なので、難しい分、魅力も大きい仕事です。
家具デザイナーのつらいこと、大変なこと
専門知識とコミュニケーション能力が必要
質の高い仕事をするためには、幅広い専門知識が求められるほか、トレンドも重視されるため、常に新しい情報を収集したり、勉強を続けたりしなければなりません。
また、お客さまに安心して仕事を任せていただき、潤滑に進めるためには、コミュニケーションスキルも必要となります。
納期が迫っている時などは、体調が悪くても、用事があっても、残業をして仕上げなくてはならない場合もあるので、つらく感じることがあるかもしれません。
家具デザイナー向いている人、適性
モノ創りが好きな人
家具やインテリアをデザインするのが好きな人はもちろん、お客さまのイメージに合う空間をスケッチできる創造力が高い人などに適性がありそうです。
また、お客さまのオーダーに応じて納期を守る仕事なので、手先が器用、体力がある、フットワークが良いなどの身体的能力や、コミュニケーション能力に長けている人も向いているといえます。
創造力の源となる芸術鑑賞が好きな人や、ものごとを客観的に判断できる人なども楽しく仕事ができるでしょう。
家具デザイナーの志望動機・目指すきっかけ
空間全体のデザイナーを目指したい
家具だけのデザイナーはまだまだ数は少なく、どちらかと言うと「家具職人」が良く知られており、熟練の技を持つ男性の仕事というイメージが強い職業です。
しかし最近は、住空間や環境を豊かにする風潮が高まる中、「インテリアデザイナー」が人気の職種となり、女性を中心にその数が増えています。
家具だけをデザインするのも良いですが、空間全体のデザイナーもできるようにしておくと、知見も広がり、就職にも有利になりそうです。
また、女性の場合結婚や出産後も、培った知識やノウハウを活かして長い間働くことができます。
家具デザイナーの勤務時間・休日・生活
雇用先によってさまざま
家具デザイナーの就職先は、家具やインテリアメーカー、ショップ、設計事務所など、その勤務時間も営業形態もバラバラです。
ショップだと土日は休めないところが多く、設計事務所などは夜遅くまで仕事をする事が多いため、フレックスタイム制を導入しているところも少なくありません。
雇用先によって異なるため、自分のライフスタイルに合った勤務先や勤務形態を選ぶ事が重要です。
家具デザイナーの就職状況・需要
異業種の需要も見込める
住空間やオフィス、商業空間における過ごしやすさ、快適さが求められるようになり、その空間をデザインする創り手を求める需要は、今後もますます増えていきそうです。
最近では、例えばブライダルをプロデュースする企業などが、結婚後の新婚生活までを提案するようになり、家具デザイナーやインテリアデザイナーを採用するケースも出てきています。
こうした異業種における家具デザイナーの需要は、今後もますます増えていきそうです。
家具デザイナーの転職状況・未経験採用
未経験者は資格取得や知識を身につける
家具デザイナーはそのスキルを提供する職種だけに、スキルが高い方がそれだけ就職に有利となり、転職もしやすくなります。
そのため、未経験者よりも、たくさんの知識があり、経験を積んでいる人の方が優遇される傾向にあります。
未経験者はまず、資格取得や知識を身につけるところから始めた方が良いでしょう。
家具デザイナーの将来性・今後の見通し
幅広い能力や経験で活躍の場が広がる
物質的な豊かさよりも心の豊かさを求める傾向が強くなり、住空間や暮らしを自分らしくデザインする人が、男女ともにますます増えていくと考えられます。
また、家具のメーカーだけでは無く、例えばアパレルや飲食店などの異業種が空間プロデュースに取り組むことも今後ますます増えていきます。
業種の将来性としては非常に明るく、できれば家具も含めたインテリアや空間全体をプロデュースできる能力を身につけておくと、もっと有利になりそうです。