助産師の働き方の種類・雇用形態

助産師の働き方

大学病院や総合病院、街の産科クリニックで助産師として働く場合、正規雇用である正職員と、パートや派遣などの非正規雇用といった働き方があります。

これらの働き方にはそれぞれにメリットやデメリットもあり、助産師自身の結婚や子育てといった環境や、夜勤・休日出勤の有無などで希望する働き方はさまざまでしょう。

また、開業権を持つ助産師には、医師・歯科医師を除く他の医療職とは異なり、独立開業し、一国一城の主となる選択肢もあります。

それぞれのライフステージに合わせて働き方をスムーズに選択できるよう、助産師の雇用形態をみてみましょう。

正職員としてはたらく

週5日、一日8時間程度の定時でフルタイムで働くワークスタイルです。

基本的にローテーションでシフトをくまれることが多く、週末や祝日など固定で休日が決まることはほぼ無いと考えてよいでしょう。

特に産科はお産のタイミングが読めず、残業や休日出勤などは業務上、切り離せない業界であることは間違いありません。

正職員として働く場合、他の診療科や一般企業と同様、正職員の常勤雇用という形になり、社会保険や福利厚生、勉強会などの教育研修制度などがしっかり構築されています。

ボーナスや退職金、昇給やキャリアアップのチャンスなど、安定した雇用環境のなかでやりがいを感じながら自身のキャリアを見すえ、働けるのが大きなメリットです。

しかしながら、状況によっては深夜に及ぶ残業、夜勤、休日出勤などの負担も少なくなく、病院や時期などのタイミングによっては激務となる働き方で応えなければならないケースも多くあります。

パート・アルバイトとして働く

結婚、出産という助産師自身のライフスタイルの変化に伴い、正職員、特に夜勤のある病院での勤務を続けていくことが難しいことがあります。

パートタイマーなら、大病院でも夜勤はありませんから、自分の都合のよい時間だけ働くことができます。

常勤助産師のサポートといった意味合いで出される求人なども多く、出勤時間や曜日の相談が可、また残業・夜勤不可という希望が出せる求人も見られます。

助産師の経験がありながら、フルタイムでの勤務が難しい場合など、子育てやプライベートに合わせて勤務時間や条件を調整できる点がメリットといえるでしょう。

就業条件によっては、社会保険や厚生年金、雇用保険に加入することも可能ですし、条件を満たせば正職員同様有給休暇も与えられます。

しばらく現場を離れていた助産師が、職場復帰のためまずはパートからといった働き方を選択できるのもパートやアルバイト採用のメリットです。

また、パートとして働くのはなにも昼間だけとは限りません。

看護師・助産師が勤務をしていく上での問題となっている夜勤は、割高な「夜勤手当」が付きますので、看護師・助産師の高給を支える収入源にもなっています。

夜勤専門助産師は、大体、月に10回ほどの勤務で、短時間に集中して収入を得ることができます。

パートをする時に気になるのは、正職員とパート助産師の間の「壁」かもしれませんが、雇用形態が多様な医療現場では、プロの意識を持って仕事をすれば、正職員とパートの間の壁は感じないでしょう。

派遣助産師として働く

家庭の都合や、そのほかさまざまな優先度の違いより、正職員、あるいはパート助産師として長期間働くことができない助産師のもうひとつの働き方として「派遣助産師」があります。

派遣助産師は、必要とされる時に必要な技術や力を必要なところに派遣することができ、特に人員が不足している産科分野においては、新しい雇用の形として近年注目されています。

派遣助産師で働くメリット

派遣助産師として働くことのメリットは、自分の希望に合った勤務条件の仕事を、自分の都合にあった時間や期間だけ働くことができることでしょう。

勤務先は大学・総合病院や産科クリニック、助産院、時に保健センターなどさまざまですが、雇用にあたっては各事業所とではなく派遣会社と契約を結びます。

もしも派遣先で問題や、勤務条件の食い違いがあった場合は、派遣会社に報告すれば、会社が派遣先の病院や産科クリニックの人事担当者と話しあい、改善策を見つけてくれたり、解決しない場合は、別の派遣先を紹介してくれたりといったサポートが受けられます。

また、「人間関係の難しさ」も、派遣助産師なら、深く複雑な人間関係の中に身を置かず、自身の仕事にだけ専念できる環境に身を置ける働き方と言えるかもしれません。

派遣助産師で働くデメリット

一方で、社会保険、有給休暇、退職金などの福利厚生面は、直接雇用されている正職員やパート職員にあっても派遣助産師には適応されないのが一般的です。

助産師として、自分の時間を有効に使い、フレキシブルに働きたいと思う一方で、保障の薄さに不安を感じる人も少なくありません。

これらの問題や不安の対策として、派遣先である病院や産科クリニックに代わって、各種の保障を有した派遣会社もあります。

派遣助産師として、複数の事業所で働くことで、多くの経験を積みながら自分にあった職場を選ぶこともできますし、逆に派遣先の病院や産科クリニックから直接雇用したいといったオファーを受けることもあります。

派遣助産師には派遣のメリット・デメリットがありますが、時間と資格を有意義に生かせることは間違いありません。

助産師の独立・開業

助産師のキャリアアップにはいくつもの選択肢がありますが、その中の特徴的な選択肢のひとつに助産院の独立開業が挙げられます。

医師や歯科医師同様、開業権が与えられている助産師は、医師免許がなくても、ひとりで助産院を開業することができます。

出産に臨む妊婦やその家族のニーズの変化や、産科医が不足していることなどから、昔と比べると開業して助産院を運営する人が増えているようです。

開業助産師になるメリットは、やはり自分がよいと考えるお産や、妊婦やその家族の希望により沿ったお産が実現できるという点が大きいです。

大学・総合病院の産科や産科クリニックなどの組織で働いているときは、チーム医療や病院側の方針に則ってお産や検診などを進めなければなりません。

それらをシステマチックな業務だと感じる助産師も少なくないのです。

助産院を開業したいと思う助産師は、もっとひとりひとりの妊産婦としっかりコミュニケーションを取り、よりそいながら温かいお産のサポートをしてあげたいと考える人が多いようです。

とくに最近は自宅出産や家族での立会出産など、できるだけ自然な形でお産に臨みたいと考えている妊婦や家族が増えているので、こうしたニーズに応えられることは、助産院ならではの特権といえます。

ただし、助産院を開業し、運営していくうえで、命の誕生を扱う以上、やはり多くのリスクを伴うことは事実です。

開業や経営においては経済面と、チームでの連携医師がしっかりと決まれば大きな問題はありませんが、実際の業務においては出産、分娩はハイリスクであることも頭においておかなければなりません。

また、お産はいつはじまるかわかりませんので、深夜や休みの日でも出産が始まればすぐに対応しなければなりません。

経営について人材の確保や育成、また集客など、さまざまな課題に直面することは多々あります。

これらのリスクを覚悟した上で開業に臨む必要があるでしょう。