板前のつらいこと・大変なこと・苦労
板前のつらいこと・大変なこと
労働時間が長い
板前を含めた飲食業界は、労働時間が長いことが特徴です。
その大きな理由は料理を作るためには素材の仕入れや仕込み作業が必須であること、さらには店の掃除や後片付けなど、店を整え、お客さまを気持ちよく迎える準備に時間がかかることがあげられます。
たとえば11:00開店、23:00閉店の店であれば、朝7:00から仕込みをスタートし、閉店後に片付けをして24:00過ぎにようやく帰るのが日常です。
昼営業と夜営業の間に2時間〜3時間の「アイドルタイム(空いている時間)」や「休憩時間」を挟む店もありますが、その時間も料理人たちは最低限の休憩や食事をとり、夜に向けて仕込み作業を行います。
忘年会や歓迎会などのいわゆる繁忙期は、丸一日小休憩以外とらずに働き続けることもあるため、労働時間の長さは板前の大変なことといえるでしょう。
休日が少ない
職場によっては休日が不規則になり、週休1日の職場も少なくありません。
一般的なサラリーマンからすれば信じられないことかもしれませんが、料理の世界は多かれ少なかれそれが一般的です。
とても苦しい仕事のように思えますが、最前線で活躍する料理人は「24時間365日料理のことを考えていても、全然つらくない」と答える人が多くいます。
厳しい仕事ですがそれでも本気でやりたいと思える人なら、将来はきっと素晴らしい板前になれることでしょう。
厳しい上下関係
日本料理の世界は上限関係が厳しいため、「若者特有のノリ」などは一切通用しません。
目上の人には敬意を払うのが当たり前で、挨拶の習慣やマナーを身に付けていないと、大声で怒鳴られることもあります。
職人的な仕事であるだけに昔かたぎの人も多いので、修行中は自分の立ち位置を自覚して行動しましょう。
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板前の悩み
板前の悩みは、腰痛やぎっくり腰になりやすいことです。
料理人の職業病は腰痛といわれており、前にかがんだままの姿勢で長時間立っていると、背中や腰の筋肉が疲れてきて痛みを引き起こします。
仕事中は座って作業することが難しいため、日々の積み重ねが症状として出てしまうのです。
また包丁で食材の下準備をしたり、材料をかき混ぜ続けるなどの作業から腱鞘炎(けんしょうえん)になったり、ひんぱんに手を洗ったり洗い物をして手荒れになる人もいます。
厨房(ちゅうぼう)で濡れた床を歩くために防水の靴を履いている店舗の場合は、靴の中が蒸れやすく、水虫になってしまう人も多いようです。
そのほか、人間関係で悩みを抱える人もいます。
調理場という閉鎖的な環境で仕事をする時間が長いため、板長や先輩、女将さんたちとの人間関係がうまく構築できない場合は、仕事そのものがつらくなってしまうかもしれません。
板前を辞める理由で多いものは?
板前を辞める理由で多いものは、労働時間が長すぎて体力が続かないことがあげられます。
朝は出勤ラッシュの時間から、夜は終電の時間まで働き、休日もほとんどないためプライベートの時間はほぼありません。
その上新人の待遇は月給10万円前後で、社会保険未加入など報われない部分も多く、つらく感じてしまう人も多いようです。
また一人前になるまでに10年かかるといわれる世界ですが、なかなか料理をさせてもらえずに挫折してしまう人もいます。
板前を目指すなら、長い見習い期間と厳しい職場環境であることを覚悟してのぞんだ方がギャップが少なく働くことができるでしょう。
逆に板前として仕事を続けられる人は、料理が好きで日本料理の道を極めたい人、そして自分の店を開きたいなど夢があり、とにかくあきらめない根性がある人が向いています。