板前が独立・開業するには?
板前が独立・開業するまでの流れ
板前が独立・開業するまでの流れは、何店舗か経験して技術を高めてから、店をオープンする人が多いです。
最初の店で見習いとして最低でも2年〜3年修行すると、多くの人がそのまま修業した店に入るか、他店へ転職することを選択します。
板前になったばかりの時点では、経験数が圧倒的に少なく、独立・開業は難しいでしょう。
ある程度経験を重ねて板場を任されるまでになれば現場が見えてきますし、自分が店主になったときにどのように切り盛りしていけばよいかがなんとなくイメージできるようになります。
ほかの店舗にうつる場合は、より自分の理想の店で働くと、店づくりの知識や技術を身につけることが可能です。
独立するということは単純に料理の味がよいだけでなく、店主として店を続けていくための経営のセンスが問われるため、経営者の視点や売上管理などの知識を身につけます。
合わせて開業資金を貯めて、スキルも知識も自信が持てる状態になったら、いよいよ独立・開業です。
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板前が独立・開業するまでのキャリアパス
一人前の板前になる
板前が独立・開業するまでには、板前として一人前にならなければいけません。
自分の店を持ちたいという目標がある人は、修業する店を選ぶときから自分が理想とする規模や雰囲気のお店を選ぶとよいでしょう。
また修業する店によっては独立支援制度でしっかりサポートしてくれるところもあるので、将来を見すえて修業先を選ぶことをおすすめします。
資格取得
そして開業するには、資格取得が必要です。
「食品衛生管理者」は食品の製造、加工、調理、販売を行う者や企業が必要とする資格で、飲食店や特定の食品の製造業など営業の許可が必要な施設は取得が義務付けられています。
取得するには講習を受講し、修了証を交付してもらうことが必要です。
試験はなく受講すればほぼ取得できますが、講習時期は地方によって異なりますので、お住まいの役所に問い合わせましょう。
なお「調理師免許」は保有していなくても料理を提供することはできますが、持っていればお客さまに信頼感を与えることができ、飲食店の採用時に有利になるなど有利な資格です。
また調理師免許があれば、食品衛生管理者の講習を受けることなく食品衛生責任者になることができます。
板前の独立・開業のメリット・デメリット
板前の独立・開業のメリット
板前の独立・開業のメリットは、自分の理想のお店づくりができることです。
オリジナルの料理を好きに作ることができ、自分好みの雰囲気とサービスを提供できるため、お客さまを最上級におもてなししたいと考える人にとっては、大きなやりがいになるでしょう。
また調理をするだけでなく、いかに利益を出すかも考えなければいけないのが大変なところではありますが、有名店に育てば雇われていた頃よりもはるかに稼げる人もいます。
板前の独立・開業のデメリット
一方デメリットは、経営に関する知識がないと閉店に追い込まれるリスクがあることです。
独立・開業して本当に大変なのは開店後で、2014年〜2016年に行われた「閉店した飲食店の営業年数調査(運営:株式会社シンクロ・フード)」によると、1年未満で閉店した割合は全体の37.5%という結果が出ています。
さらに2年以内で閉店する飲食店の合計は、なんと60%以上と半数以上が閉店してしまう厳しい状況です。
オープン時は新店で珍しいこともあり、興味で来店するお客さまもいますが、新しくなくなれば他店と差別化できる魅力がなければお客さまは再訪してくれません。
味に自信があるのは当たり前として、よりお客さまが来てもらえる広告宣伝や店舗づくり、人材育成などの手腕が大切です。
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板前の独立・開業に必要な資金
板前の独立・開業に必要な資金はピンキリですが、立地や物件によって異なります。
トータル500万円〜1,500万円前後が多いようですが、土地を購入し建物自体を建てることになればこの何倍も資金は必要でしょう。
店舗を始めるには厨房機器、食器、調理機器、内外装、設備工事などの「開業資金」で300万円〜1,000万円ほどかかります。
そして家賃や礼金・仲介手数料などの「運転資金」で200万円〜500万円ほどです。
こだわればこだわるほど必要な資金も上がりますが、知り合いを通じて安くしてもらったり、外注せずに自分でできる工事を行うなど、工夫次第で費用を抑えることもできます。
東京都内でもトータル500万円ほどでオープンできた人もいるので、探し方しだいでなるべく費用を抑えて独立・開業することはできるでしょう。
板前の独立・開業したときの給料・年収
板前が独立・開業したときの給料・年収は、自分の店の成功にかかっています。
店が繁盛しなければ、その分給料や年収も下がってしまいますが、テレビや雑誌に取り上げられるような有名店として繁盛すれば、年収1,000万円も夢ではありません。
板長として活躍する40代の平均年収が500万円ほどといわれているので、倍以上稼げることになります。
ただし有名店の花板として活躍する人は、同じ年収1,000万円ほどといわれるので、調理だけしたい人は雇われている方が向いているかもしれません。
独立・開業するには板前としてのスキルはもちろん、経営者としての知識を学び、店舗運営や人材育成もすべてこなす必要があります。
リスクを背負った上で、自分の腕で勝負してより年収アップを目指したい人には、独立・開業が向いています。