医療秘書の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
医療秘書の仕事とは
医療秘書は、おもに医療機関において、「医師」などの医療スタッフを事務的な面からサポートする職種です。
具体的には病院や薬局、製薬会社などで働いており、来客時のおもてなしや電話応対、郵便物の整理、また医師が参加する学会の資料作成の手伝いなどの業務を担当します。
勤務先によっては、患者さんと医師や看護師、ソーシャルワーカーなどのスタッフ間の連絡やスケジュール調整業務を担当することもあります。
医療現場で忙しく働く医師たちのサポート役として、周囲に気を配りながらテキパキと仕事を進めていくことが求められます。
20代で正社員への就職・転職
医療秘書の業務の内容
医療機関で働く秘書
「医療秘書」という職業名そのものにはなじみがなくても、一般的な企業で働いている「秘書」については知っている人も多いのではないでしょうか。
そもそも秘書というのは、担当する役職者や上司などの来客の応対やスケジュールの管理、出張の手配など、さまざまな裏方業務を行う役割を担う存在です。
こうした業務を医療機関で担当するのが「医療秘書」です。
医療機関で働く人たちにとっては非常に身近な存在であり、スムーズに仕事を進めるために、なくてはならない存在となっています。
学会の手伝いをすることもある
医療秘書が行う秘書業務には、電話応対や出張の手配、郵便物の整理など一般の企業の秘書と同じような業務も多いですが、なかには医療秘書ならではの業務もあります。
たとえば「学会への同行や資料作成の手伝い」です。
医療の第一線で働く医師たちにとって、学会で最新の研究結果を報告する機会は非常に重要です。
学会は日本全国各地が会場になるため、その際の宿泊や交通の手配を医療秘書が担当することがあります。
また、医療秘書は学会参加の際に同行することもあり、その際は、現地でタクシーを手配したり資料準備を手伝ったりなど、状況に応じてさまざまなサポートを行います。
このほか、医師の手術の予定表や診療の予約表を作成したりするのも、医療秘書の業務の一部です。
医療秘書の役割
医療秘書が仕事でサポートする相手はさまざまです。
たとえば、病院の院長や看護部長など責任ある立場の人の個人秘書として働くこともあれば、医局秘書として全体的なサポートにまわることもあります。
医療現場において、チームや個人を徹底的にサポートすることが医療秘書の役割です。
医療機関は患者の命を預かっている場所であり、医療スタッフは朝から晩まで時間に追われながら非常に忙しく働いています。
医療秘書が裏方業務をスムーズにこなしていけば、間接的にでも、医療スタッフらが医療行為に集中できる環境をつくることができるでしょう。
一般企業の秘書と同様に、職場の状況に応じて、あらゆる事務的なことを幅広くサポートすることが求められる職種といえます。
20代で正社員への就職・転職
医療秘書の勤務先の種類
医療秘書のおもな勤務先は医療機関で、診療科を問わず、多くの医療機関で必要とされる職種です。
大病院で募集される機会が多いですが、最近では、個人で運営されているクリニックなどでも医療秘書の求人募集を行うことがあります。
ただし、クリニックなどの街の医療機関では、「医療秘書」と「医療事務」の業務分けが明確になされていないことも少なくありません。
「医療秘書・医療事務」の形で求人が出ている場合は、一般的な医療秘書業務に加え、本来は医療事務が担当する事務手続きや保険請求業務まで任されることがあります。
医療機関のほかには、大学や健康保険組合、製薬会社、医療機器メーカー、調剤薬局などでも医療秘書の募集が出ることがあります。
勤務先によって、具体的な仕事内容が異なる場合があるため、募集要項をよく確認しておきましょう。
医療秘書の仕事の流れ
病院の医局で勤務する医療秘書は、来客・電話の応対や医師のスケジュールを管理などを行い、医療スタッフが医療行為に専念できる環境をつくります。
朝出勤すると、職場の環境を整えることから仕事がはじまります。
各部署から上がってくるスケジュールや、医局員への郵便物ものなどをまとめたり振り分けたりすることが、午前中の最も重要な仕事のひとつです。
そのほか、患者さんの診療情報や診察予定、検査予定・結果などを共有する予定表に落とし込んだり、カレンダーに反映させたりといった業務も午前中に行うことが多くあります。
また、重要な学会や論文投稿の締切などのチェックも欠かせません。
それぞれの医局員がミスなく、期限までに決められた申込みや投稿を完了できるように注意を促します。
このためには、医師の手術や学会、取材などの日程を詳しく把握していることが大切です。
また、勤務先によっては、幹部によるミーティングや職員の朝会、また提携している病院との合同カンファレンスなどへの参加が求められる場合もあります。
医療の現場は非常に忙しく、緊急手術や入院患者の新たな受け入れがあると、医師や看護師のスケジュールはどんどん変わっていきます。
最新の情報が共有されないと思いがけないミスが起きてしまうため、医療秘書も常に最新の注意を払いながら事務仕事を担当します。
医療秘書と関連した職業
病院やクリニックで事務作業を担当する職種として、医療事務のほかに「医療クラーク(医療事務作業補助者)」があります。
医療クラークのおもな仕事は、医師や看護師の業務負担を減らすために、書類作成や事務業務を補助することです。
具体的には、医師の指示の下で、診断書や処方箋の作成、カルテ入力、行政上の届け出などを担当します。
加えて、患者さんの入院時の病室手配、各種の検査科やリハビリテーション科などへの情報伝達なども担当することがあります。
医療クラークは、より医療現場に近いポジションで、医師や看護師と連携を密にとりながらスタッフの業務をサポートします。
一般的には、医療クラークのほうが、医療秘書よりも「現場」に近いポジションですが、両者が連携して分業しながら働くこともあります。
なお、小さなクリニックやスタッフがあまり多くない診療科では、医療秘書が医療クラークとしての業務も担当することがあります。