外交官への転職・中途採用はある?
外交官へ転職する方法
外交官になるためには、転職であってもやはり公務員としての採用試験を受験し、合格する必要があります。
社会人経験者の場合、新卒の試験とは別に、経験者採用試験というものが設定されています。
国家公務員共通の経験者採用試験を受ける
国家公務員共通の経験者採用試験には2種類あります。
総合職に就きたい場合は、人事院管轄の「経験者採用試験(係長級(事務))」の共通試験を受ける必要があります。
「大学卒業後の職務経歴が2年以上あること」という応募条件があります。この共通試験に合格した人は、外務省のポストを希望して外務省独自の採用プロセスに移行します。
経験者採用試験は毎年8月から11月にかけて行われます。
外務省のポストに募集がある場合は、毎年6月頃に外務省の採用ホームページで告知されます。
経験者採用枠については、各省のポストにニーズがあった場合にのみ募集がかかります。
そのため経験者採用試験に受かったとしても、その年に外務省の希望ポストの需要に合致しなければ意味がなくなってしまう可能性もあります。
ちなみに経験者採用試験(係長級(事務))に合格すると総合職となりますが、中途採用者は生え抜きのキャリア職員とは出世の速度に差があるという話もあります。
対して、一般職を希望する場合は、「経験者採用試験(係員級)」を受験します。
こちらは高卒以上の学歴があって40歳未満であることが受験資格となります。
一般職の募集は人材需要に応じて随時行われますので、外務省のホームページをこまめにチェックしておくと良いでしょう。
外務省経験者採用試験を受ける
特定の地域や分野、語学に強みがあり、国際交流業務に興味がある人は、「外務省経験者採用試験(書記官級)」に応募するといいでしょう。
外務省経験者採用試験については、応募は経験者採用試験と同じく人事院を通してインターネット上で行いますが、試験内容は外務省での業務を見越した独自の試験となります。
外国語試験の比重が高くなっているのが特徴です。
また、大学卒業以降の職務経歴が9年以上あることが応募条件となっています。
試験日程は、経験者採用試験とほぼ同じで8月から11月にかけて行われます。
こちらもポストに空きが出た場合に限り、6月頃に外務省ホームページに募集情報が記載されます。
20代で正社員への就職・転職
経験者採用試験の合格率
人事院共通試験である経験者採用試験も、外務省経験者採用試験も、かなりの難関です。
2019年度試験の場合、経験者採用試験(係長級(事務))の申込者748名に対し、最終合格者は34名(倍率22倍)、外務省経験者採用試験(書記官級)は申込者174名に対し最終合格者14名(倍率12.4倍)という結果でした。
経験者採用試験に合格するためにはそれまでの職歴も大切なのですが、何より筆記試験に合格しなければスタートラインに立つことができません。
外交官への転職を希望する場合には、筆記試験対策を万全にしておく必要があります。