ファンドマネージャーになるには
ファンドマネージャーになるまでの道のり
ファンドマネージャーは一般的に、信託銀行や証券会社系の投資顧問会社、独立系の投資顧問会社、保険会社などで働いています。
これらの会社に入社するためには、大学卒業の学歴が前提になることが多いので、まずは大学進学を目指すのが第一です。
大学生になってから、就職活動でファンドマネージャーが活躍する会社へエントリーして、内定をもらうことができればファンドマネージャーになれる可能性も出てきます。
ただし、新卒でいきなりファンドマネージャーになれる部署に配属されることはほとんどなく、他の部署で経験を積み、適性があると認められると選ばれることが多いです。
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ファンドマネージャーになるための学校の種類
ファンドマネージャーは人気職種かつ高い金融知識が必要になる仕事のため、志望者の学歴は高い傾向にあります。
とくに、外資系の運用会社で働くファンドマネージャーの場合、超有名大学を出ていたり、米国の大学のMBAを取得したりしている人も少なくありません。
一方、ファンドマネージャーになるためには、証券アナリスト資格を条件にしている会社もありますが、免許のように絶対に取得するべき資格はありません。
そのため、基本的には入社後や配属後にファンドマネージャーとしての勉強をすればよいので、文系・理系は関係ありません。
しかし、世界中の経済情報を常に追いかける必要がありますし、それが好きではないと務まらない仕事なので、経済学部出身者が多い傾向にあります。
理系の場合は、金融工学など金融知識を重点的に勉強していると、有利に働きやすいです。
ファンドマネージャーになるためにはどんな学校にいけばいい?(大学学部・学歴)
ファンドマネージャーに向いている人
冷静な判断力がある
ファンドマネージャーは、投資家から預かった莫大なお金を運用するという、大きな責任を背負って働いています。
そのため、万が一相場が想定通りに動かなかったとしても、冷静に正確な判断を下せなければなりません。
たとえば、相場が急落する局面では、どうしようか迷っている間にどんどん株価が下がってしまうこともあります。
そんな時は、早めに「損切り(投資対象を売却して損失を確定すること)」をして、損失を膨らませないようにしなくてはいけません。
したがって、普通の人なら慌ててしまうような時にも「冷静に最善策を選ぶことができる」といった「自分をコントロールする能力」を持ち合わせている人が、ファンドマネージャーに向いているといえます。
情報分析能力が高い
ファンドマネージャーは、各社のトレーダーや、アナリストなどから得た膨大なマーケット情報を自分なりに分析し、ファンドの運用方針を自らで考えなければなりません。
ただ勘に頼るだけでなく、論理的に運用を考えられる人材がファンドマネージャーに向いているのです。
プロの仕事として生き残っていくためには、ポートフォリオ理論などの勉強がとても重要になってきます。
また、ささいな出来事だったとしても、重大な相場の動きにつながることもあるので、金融商品全体はもちろんのこと、世界の市場や個別銘柄、産業情報などに関してさまざまな興味を持つ必要があります。
普段から、多方面にアンテナを張って情報収集をすることが、ファンドマネージャーの仕事のひとつでもあります。
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ファンドマネージャーのキャリアプラン・キャリアパス
ファンドマネージャーとしていきなり新卒で採用されるのは、日系・外資系企業共にめったにありません。
ほとんどの場合、金融機関の他の部署で経験を積み、適性があると判断された人がまずはアナリストとして配属され、そこで経験を積んで才能があると評価されたらファンドマネージャーになるという流れです。
ファンドマネージャーの経験をすれば経験者向けの転職はしやすくなるので、多くのファンドマネージャーは、より良い条件や給料の会社へ転職をしてキャリアアップを目指します。
ファンドマネージャーの資格・難易度
ファンドマネージャーは、高い専門知識を要する仕事であるため、未経験者がいきなりファンドマネージャーの肩書きを持って仕事を始めることは、ほぼ不可能です。
大半の人は、まず調査部門に所属し「アナリスト」として財務分析を行ったり、企業訪問を通じて投資のためのリサーチ力や分析力を習得したりして、ある程度の経験を積んだ上でファンドマネージャーへと昇格します。
ただし、これらの会社は他の調査部門や運用部門だけではなく、総務部や経理部、システム部、法務部、営業部などさまざまな部署から成り立っているため、希望した人が全員ファンドマネージャーを目指せるわけではありません。
証券アナリストや語学力を証明する資格があれば、アピール材料があれば希望が通る可能性が高くなります。
証券アナリスト
「証券アナリスト」資格は、民間資格です。
非常に難易度が高い資格ですが、勉強することにより、世界のマーケットや株式市場や債券市場の動きを分析、投資助言や投資管理サービスを提供できるプロフェッショナルとして活躍することができます。
証券アナリストの資格を取得するためには、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受講する必要があり、受講しなければ試験を受ける権利はありません。
また、受験料は一次試験受験料が12,400円、二次試験受験料は8,200円ですが、一次試験の通信講座に55,500円、二次試験の通信講座だと52,500円も必要で、さらに入会金10,000円や年会費18,000円と、出費は多くなります。
また、証券アナリストとして登録するためには3年間の実務経験が必要です。
日商簿記
ファンドマネージャーがファンドに組み込む株式を決める場合は、必ずその企業の財務分析を行い、投資する価値があるか、成長しそうな企業なのかを見極めます。
財務諸表を読むためには簿記の知識が必要なので、まったく財務分析の知識がない人が一から勉強するにはおすすめの資格です。
日商簿記は「1級」「2級」「3級」があり、基本的なことは3級で勉強できますし、1級ともなればかなり難易度が高くなります。
一般的に就活で評価されやすくなるのは2級以上で、ファンドマネージャー 以外でも金融機関志望なら評価されるので、学生の内に取得を目指すのもおすすめです。
検定料は1級が7,850円、2級が4,720円、3級が2,850円で、日本全国で年3回のチャンスがあります。
TOEIC
ファンドマネージャーは海外の市場状況を分析する能力も求められますので、「TOEIC」などの英語力を示す資格も有効です。
実際の業務では、海外のレポートを読んだり、ニュースを英語で聞いたりして海外のマーケットの動きを探ることも多いです。
特に、高い英語力は外資系投資ファンドへの就職・転職には必須となりますので、自己PRのためにも勉強しておいて損はありません。
TOEICではさまざまな内容の試験が行われていますが、もっとも認知されているリーディングとリスニングの資格は受験料5,830円(10%の税込)で受けることができます。
日本全国約80都市の会場で受験ができて、年に10回試験があります。
たくさんの人が受験していることもあり、参考書も豊富に販売されており、独学で勉強することも可能な資格です。
ファンドマネージャーを目指せる年齢は?
ファンドマネージャーの仕事は、顧客がファンとなり自分についてきてくれれば独立してファンドを作ることもでき、年齢制限はありません。
ただし、金融機関などに所属して働く場合、求人は30歳以下になることが多く、経験者でも35歳を超えると厳しくなる傾向にあります。
ファンドマネージャーにいきなりなるわけではなく、アナリストとして経験を積むのがほとんどなので、その点でも知識を吸収しやすい若い年齢が好まれるようです。
ファンドマネージャーは高卒から目指せる?
一般的にファンドマネージャーは高学歴の人が目指す職業で、その中でも競争が激しいです。
ファンドマネージャー活躍する金融機関は大卒以上を条件にしていることが多く、高卒や専門学校卒で目指すのは、不可能といってもよいでしょう。
ただし、独立してファンドマネージャーとして活躍するなら、お客さまがファンドを購入さえしてくれれば学歴は関係ありません。
たとえば、株式投資などの実績を公開してSNSやメディアの露出でファンを増やし、ファンドマネージャーとして活躍できる基盤を自ら作ることができるのであれば、高卒でも関係なく目指せます。
ファンドマネージャーは女性でもなれる?
日本でファンドマネージャーはまだまだ少ないですが、海外ではたくさんの女性のファンドマネージャーが活躍しています。
ファンドマネージャーの仕事は、性別や年齢に関係なく実力だけで勝負できる職業でもあるので、女性でも金融知識を豊富で、運用のセンスがよい人には適職といえます。
アメリカの調査では、女性ファンドマネージャーが運用するファンドは、男性よりも運用成績が良かったという調査もあります。
女性ファンドマネージャーが作った投資信託が販売されるなど、日本でも少しずつ活躍の場が広がっており、今後はさらに増えていくことが予想できます。