アイリストの働き方の種類とその特徴
アイリストの雇用形態
アイリストの働き方は幅広く、自分のライフスタイルや重視するものに合わせて選択することができます。
さまざまな働き方のなかでも、正社員、アルバイト・パートの場合には、勤務先と直接契約を結び、雇用条件などを決めます。
派遣社員は派遣会社にスタッフ登録し、自分の希望に合うサロンを紹介してもらいます。
なお、アイリストの仕事では大掛かりな設備を必要としないため、アイリストは比較的、独立・開業が容易な職種とされ、独立して自分のサロンをもち、オーナーとして働く人も珍しくありません。
特定の企業に所属せず、面貸し・業務委託などのフリーランスとして活躍するアイリストもいます。
このように、アイリストは柔軟に働き方を変えることができるという点も、出産・育児でキャリアが途絶えがちな女性に人気の理由のひとつといえます。
正社員のアイリスト
仕事内容・なり方
正社員で働くアイリストの仕事内容は、基本的に接客と施術です。
ほかにも電話応対、顧客管理、DM発送、清掃などの一般的なサロンワークを行います。
店長クラスになると、新人などの人材育成、経費管理など店舗運営にかかわることもあります。
最初から正社員として採用されることもあれば、最初はアルバイト・パートとして採用された後に正社員へと登用されることもあります。
未経験スタートの場合、パート・アルバイトからということも珍しくありません。
正社員を希望する人は、正社員登用制度があるサロンに就職するとよいでしょう。
正社員のアイリストとして働くメリット・デメリット
正社員で働く大きなメリットとしては、雇用が安定していることや、福利厚生が充実していることでしょう。
一方、デメリットとしては責任の重さや、チェーン展開するサロンなどでは異動や転勤があることが挙げられます。
営業時間の長いサロンではシフトを組みサロンを運営していますが、正社員は人手が不足した時に一番に出勤する必要があるほか、繁忙期には休日出勤を余儀なくされることもあります。
正社員のアイリストの給料
アイリストは美容師やネイリストなど他の美容職に比べ、給料が高いとされています。
正社員のアイリストとして雇われた場合、給料は18~20万円程度からのスタートになることが多いです。
スタッフを束ねる立場である「チーフアイリスト」になったり、店舗の経営全体を見渡す立場である「マネージャー」に昇格したりすることで、月給30万円以上の収入が見込めることもあります。
指名客がつくことでインセンティブが発生するほか、昇給も望めるのも正社員のよいところでしょう。
派遣のアイリスト
仕事内容・なり方
派遣で働くアイリストも、基本的には正社員同様に接客や施術が中心になります。
派遣のアイリストとして働きたい場合は、美容業界専門の派遣会社にスタッフ登録しましょう。
希望条件にあうものがあれば、派遣会社からサロンの紹介を受けることができます。
気を付けておきたいのは、派遣の場合、より即戦力になれる人が求められる傾向が強い点です。
アイリスト自体、経験を積んでいくうちに技術が磨かれる専門職といえますが、派遣を求めているサロン側は、現在進行形で人手不足で困っていたり、店のイメージ向上のために高い技術力を持っていたりするアイリストを求めているケースが多いです。
そのため、時間をかけて人を育てるというよりも、すぐに第一線でバリバリ活躍してくれる人が重宝されます。
美容師免許が必須であることはもちろん、サロンワーク経験がある人や、アイリストのスクール出身者であると、仕事を紹介してもらいやすくなるでしょう
派遣のアイリストとして働くメリット・デメリット
派遣社員であれば、正社員に比べて勤務時間や勤務日数などの点で自由度が高く、一定の期間だけ働いて、別の職場に移るといったこともしやすくなります。
そのため、あえて派遣という働き方を選び、スキルアップに務めたり、自分に合う職場探しに取り組んでいたりするアイリストもいるようです。
また派遣会社が間にはいるため、サロン側となにか揉めたときなど相談することが出来るというのも人によっては助かると感じるようです。
一方、通常、派遣社員は1つの事業所で原則、最長3年までしか働けないと決まっています。
もっと短期で契約が終わるケースもあるほか、次の派遣先がすぐに決まる保証もありません。
雇用の安定性に欠ける点が派遣社員のデメリットでしょう。
派遣のアイリストの給料
派遣のアイリストは、働き方の自由度が高いという点ではパートやアルバイト同じですが、即戦力を求められるだけにパート・アルバイトより時給が高いのもメリットのひとつです。
時給1,500円程度が相場となっているため、勤務時間が長くなれば、月給で正社員を超えることもあります。
効率的に短期間だけ稼ぎたい場合はおすすめですが、長期的に給料面をみるのであれば、昇給やボーナスがある正社員のほうがメリットが大きいと感じられる場合が多いでしょう。
アルバイト・パートのアイリスト
仕事内容・なり方
アルバイト・パートの仕事内容も基本的には他の雇用形態と変わらず接客・施術が中心になります。
なかにはアルバイト・パートは見習いという立場で、サロン内の雑務や先輩アイリストの補助を行うこともあります。
アルバイト・パートとして働きたい場合には、サロン店頭や求人情報誌の求人募集を見て、それをもとに直接サロンに応募するのがスムーズでしょう。
サロンによっては、新人はすべてアルバイト・パートからのスタートというところもあります。
アルバイト・パートのアイリストとして働くメリット・デメリット
アルバイト・パートのアイリストは、正社員に比べて「週2日勤務でOK」「1日4時間から勤務OK」など、短時間勤務が可能な点がメリットです。
アルバイト・パートという働き方を選ぶ人の理由はさまざまですが、たとえば子育てをしているためにフルタイム勤務が難しい人、生活のために別の仕事を続けながらアイリストとしてのスキルアップを目指す人などが多いようです。
ただし、サロンによっては、アルバイト・パートであっても、正社員と同じ勤務時間を求めるケースもあります。
アルバイト・パートという名称にとらわれず、その実態をよくみるようにしましょう。
デメリットとしては、給料が他の雇用形態に比べて低いこと、サロンによっては勤務時間が少なく思うように稼げないなどがあります。
一般的には、各種保険や交通費支給、休暇制度も正社員に比べると劣るといわれています。
アルバイト・パートのアイリストの給料
アルバイトやパートは時給制で、その額は能力や経験によって変わってきます。
時給900円~1,000円程度からスタートする人が多いようです。
勤務先によっては「歩合給」が取り入れられており、お客さまの指名をもらって施術をすることで給料が増えていくケースもあります。
オーナー(独立開業)のアイリスト
仕事内容・なり方
アイリストは比較的、独立開業がしやすい職種で、アイラッシュサロンで技術・経験を積んだあと、自分のサロンをオープンする人もいます。
開業には保健所の許可が必要となります。
賃貸した物件にサロンを構えるケースと、自分の自宅の一部をサロンにするケースがあります。
どちらもメリット、デメリットがありますが、最初は初期費用を抑えるためにも自宅の一部をサロンにするケースが多いようです。
独立開業した場合、施術と同時にオーナーとしての仕事内容も加わります。
集客が大きな課題となるため、人脈づくりやSNS更新などを行うアイリストが多いです。
サロン運営が成功し、他の従業員を雇うようになると、施術は行わず、オーナー業務に専念するアイリストもいます。
オーナー(独立開業)のアイリストとして働くメリット・デメリット
自分のサロンをもち働くメリットは、自分の理想とするサロンを作りあげることができる点です。
内装から接客方針、値段まで自分で決めることができるため、雇われていたときより仕事が楽しく感じられる人もいるようです。
自分で予約をコントロールできるため、働く時間・曜日の融通もききます。
家事に育児に忙しい主婦アイリストは、自宅をサロンにして、通勤時間をなくし、仕事と家庭の両立を上手にしている人もいます。
デメリットは、集客が上手にいかない場合、思った以上に稼げないことです。
独立開業には最低でも100万程度かかるため、金銭面でのリスクを抱えているといえます。
オーナー(独立開業)のアイリストの給料
独立開業した場合の年収は、個人差が大きくなります。
1日に2人程度のお客さまの施術しかしない人もいれば、従業員も雇い、毎日フルで施術する人もいます。
また集客がうまくいっているかどうかも年収を左右します。
年収はサロン勤務とたいして変わらない人から、1,000万円以上稼ぐ人までいます。
フリーランスのアイリスト
仕事内容・なり方
特定のサロンに所属せず、個人事業主として働くフリーランスのアイリストもいます。
この場合、サロンの看板などなく自分自身の腕で勝負するため、技術や経験を積んだ中堅からベテランクラスでないと難しい働き方です。
フリーランスで働くには「面貸し」といって、サロンの一部のスペースを借りて自分でお客さまを集客し、施術するケースがあります。
また、サロンと業務委託契約を結び、サロンにきたお客さまを施術するケースがあります。
仕事内容は通常のアイリストと同じ接客・施術ですが、面貸しの場合は自分でお客さまを集客する工夫が必要になります。
フリーランスのアイリストとして働くメリット・デメリット
フリーランスになると、独立開業と同じように自分の働きたい時間・曜日をコントロールしやすいです。
独立開業には初期費用が必要など金銭面の不安もありますが、フリーランスの場合は費用負担がほとんどどなく、リスクが少ないといえます。
正社員・アルバイトなどと違い、サロン側と条件を交渉できるため、普通にそのサロンに勤務するより年収がアップする可能性もあります。
一方、デメリットとしては、独立開業に比べて自分の色を出しにくいことがあげられます。
また、個人事業主として税金の申告なども必要になり、煩雑な手続きに苦手意識をもつ人もいます。
フリーランスのアイリストの給料
独立開業と同様に、年収は個人差が大きい働き方です。
フルで働く人もいれば、副業の位置づけで本業のあとに数時間働く人まで様々です。
一般的には頑張れば頑張るほど、年収アップが可能といえます。