社会学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先(読了時間:13分38秒)

社会のあらゆることが研究対象

社会学部とは

社会学科では、私たちの社会で起きている身近な問題や、その根底にある原因について研究します。

大学の学科の多くは専門性が高く、研究対象が限られる場合もありますが、社会学科は世の中のあらゆる事象が研究対象になります。

そのため、世の中の仕組みや現象を分析・研究するための基礎となる知識を身につける授業が行われます。

一例として、東洋社会史、西洋社会史、民俗学、文化人類学、社会心理学、マスコミ論などを扱います。

研究領域が幅広く、「社会」という大きな視野をもって学んでいくことから、比較的自由で風通しのよい雰囲気のことが多いです。

現代は変化の速い時代と言われています。

世の中の仕組みが高度化するにつれて、さまざまな問題点や課題点も生じています。

特定の分野に限定せず、自分なりに問題意識を持ったことについて研究に取り組んでみたい人に向いている学部です。

戦争や紛争など社会で起きている事柄や、個人と社会との関わりについて深く知りたいといった思いから、社会学部を目指す人が多い傾向があります。

また、大学入学後に学びながら研究することを探したい人にも、社会学科はおすすめです。

就職先としては、テレビ局や出版社といったマスコミ、メーカー、商社、金融など、社会学部には多種多様な就職先があります。

社会学部の理念

社会は学校、家族、企業といったように、大小あらゆる「組織」や「集団」によって構成されています。

それらの組織や集団には、秩序と調和を保つための一定のルールやその変化も見られます。

社会学部は、そのような社会現象の実態や、その因果関係に関わるメカニズムを研究する学部です。

社会とその変化、社会生活の中での人間同士の関係のあり方、そして社会のしくみそのものを統計・データなどを用いて科学的に分析し、解明することを目指しています。

社会学の研究領域としては、先に挙げたような多様な集団そのものの特徴ついてはもちろん、それらに関わる政治、文化、教育、社会心理なども含まれます。

社会学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論

社会学部で学ぶこと

社会学部では、あらゆる集団や社会関係、社会の移り変わりを研究対象としています。

具体的には、社会学の基礎から体系的に理解するうえで、社会学概論、社会思想史、社会組織論などの科目がカリキュラムに組まれていることが多いです。

そのうえで、社会学では調査を通じて得られたデータ(たとえば人口割合など)を基に、科学的に現象を解明していくことが重視されるため、コンピュータを用いた統計処理や、大学や研究室を飛び出しての野外調査(フィールドワーク)を行う機会も多くなっています。

社会学部での学びは、社会の動きとともに少しずつ変化していきますが、実証的な調査研究を行い、それを理論化していく作業が中心となります。

社会学部を卒業した人の中には、「ニュースなど時事問題に触れる機会が多く、動向に詳しくなった」「報道されていることの裏で何が起きているのかを考えるようになった」といった手応えを感じている人もいます。

社会学部の授業内容

社会学部では、世の中の仕組みや現象を分析・研究するための基礎となる知識を身につける授業が行われます。

たとえば、これまで社会がどのように移り代わってきたかを「東洋社会史」「西洋社会史」などで学びます。

地域や文化圏という切り口で学ぶ「民俗学」「文化人類学」といった授業も行われています。

社会の仕組みをシステムという観点からとらえたり、「家族」「ジェンダー」「宗教」といった観点から社会問題を考える講義が行われることもあります。

また、社会学には世の中のできごとを報じるマスコミについて研究する、マスコミ論やジャーナリズム論といった分野もあります。

社会学部の卒論の例

  • ワーキングプア問題について
  • 職場におけるハラスメントの歴史
  • 「かわいい」はどのように変容してきたか
  • スポーツ界における人種差別問題について
  • インターネットはメディアをどう変えたか
  • 食の安全とは何か
  • 結婚したくない若者がなぜ増えているのか

社会学部で学んだことの口コミ

  • マスコミの報道について信憑性を自分で判断できるようになった。
  • 日本と海外の環境問題に対する取り組みの違いを学んだ。
  • 労働問題の研究を通じて働き方について深く考える機会を得た。
  • 歴史、文化、社会、経済、政治など、物事を多面的に見ることができるようになった。
  • 身近な問題を目にしたとき、社会全体の動きと関連づけて考えられるようになった。
  • 社会や自分自身について客観的な立場から考え、分析する習慣が身についた。
  • 発表資料をPCで作成していたので、資料作成に強くなった。

社会学部の主な学科・分野と概要

社会学科

社会学の知識を基に、家族、地域、組織などの構造や問題を知り、個人と社会の関係性や社会で起こるさまざまな現象を解明します。

現代文化学科

社会学を基盤としながら、現代社会の多種多様な文化の特徴を、社会との関わりの中で捉えていきます。

メディア社会学科

メディア論と社会科学の知識を基に、多様なコミュニケーションメディアを使いこなして、情報を伝達する技術や評価する能力を身につけます。

社会心理学科

人間と社会に関わる問題に対し、社会学と心理学の知識を基にしたうえでアプローチしていきます。

社会福祉学科

現代社会に不可欠な福祉の現場をリードできる人材を育成するために、理論と実践の両面から学んでいきます。

社会学部で学ぶ学問分野・概要

社会学には文化、産業活動、人間、地域社会などの分野があります。

文化

歴史社会学
社会の発達の歴史と変遷について研究します。

マスコミ論
新聞・広告・出版・放送・Webメディアといったマスコミについて研究します。

産業活動

産業社会学
企業と被雇用者との関係を研究することを通じて、理想的な在り方を考えます。

社会情報学
コンピュータなど情報処理技術を用い、社会問題を分析したり解決したりする方法を考えます。

人間

家族社会学
家庭内における諸問題と社会との関わりについて研究します。

社会心理学
対人関係や集団、社会との関係について、心理学を駆使して研究します。

地域社会

都市社会学
騒音や地価高騰、住宅過密など、都市に特有の問題を緩和する方策などを研究します。

環境社会学
社会の発展と環境破壊の関係を分析し、人と自然が共存する方法について研究します。

社会学部で目指せる主な資格

・中学校・高等学校 教諭1種
・社会教育主事
・社会調査士
・社会福祉主事
・学芸員

社会教育主事については、所定の科目単位を修得することで得られる大学が多いです。

社会科系の教職や社会福祉主事、学芸員の資格を取得するには、必要な授業を履修し単位を修得する必要があります。

社会調査士については、所定の単位を修得後、卒業時に申請すれば資格を得られることがあります。

社会学部の大学選びのポイント

社会学部は研究分野が多岐にわたるため、大学や指導教授によって研究内容は大きく異なります。

取り組んでみたい研究がある人は、その分野の研究に力を入れている教授が教えている大学を選ぶようにしましょう。

研究したい内容がまだ決まっていない人は、大学案内を調べてシラバスを確認することから始めてみましょう。

興味を持てそうな講義やゼミがある大学を選ぶことで、卒論までつながるテーマを見つけることができるかもしれません。

将来的に就きたい仕事がある人は、関連する資格を取得できるカリキュラムになっている大学を探すといいでしょう。

社会学部の入試方法・受験科目

社会学部の入試では、他学科と同様に筆記試験が行われます。

受験科目は英語・国語・社会の3科受験が一般的ですが、中には数学を選択できる大学もあります。

社会は世界史・日本史・地理のほか、政治経済を選択できる場合もあります。

研究を進める上で文献を調べたり海外の研究を参照したりすることもあるため、英語・国語を必須科目としている大学が多く見られます。

あるいは、「英語重視型」「国語重視型」といったように傾斜配点を採用している大学や、小論文を重視している大学もあります。

社会学部の学費

社会学部の研究は他の文系学科と同様、特別な研究費用を必要としないことから、他学科と比べても平均的な学費の大学が多くなっています。

一例として、
立命館大学産業社会学部では、1,271,400円(入学金300,000円、春学期授業料405,700円、秋学期授業料565,700円)、4年間で4,665,600円 といった学費になっています。

学科によっては実習の機会があり「研究実験費」といった費用が必要になる場合もあります。

社会学部の志望理由、例文、面接

社会学部の志望動機

社会学部では、おもに「社会のしくみ」について学んでいくことになるため、戦争や紛争といった社会で起きている事柄や、個人と社会との関わりについて深く知りたいという気持ちから、この学部を目指す人が多いようです。

変化の激しい現代社会や世界の動きに興味を持つ人は増えており、社会学部の人気は安定しています。

なお、社会学は古くから続く学問であり、さまざまな大学において社会学部は歴史と伝統ある学部として位置付けられています。

そうした事情もあり、とくに早くから卒業後の進路を決めている人の場合、「この教授の下で学びたい」「この講義を受けたい」という理由で、特定の大学の社会学部を志望することもあるようです。

社会学部の志望動機の例文

私はマスコミに興味があり、報道されているニュースを深掘りして調べてみることがよくあります。

報道されていることの信憑性だけでなく、報道されていない情報にはどのようなものがあるのか、とても興味があります。

そこで、大学でマスコミについて研究し、報道が社会にどのような影響を与えているのか、メディア論について学びたいと考えています。

そのためには社会学部が最も適していると考え、貴校の社会学部を志望することにしました。

社会学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること

AO入試など面接が実施される入学試験の場合、なぜ社会学部を志望するのか、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

社会学部は研究対象となる範囲が広いため、漠然と「やりたいことがないので社会学部にした」のではないか?と思われる可能性もあります。

入学してから研究したいことがある、あるいは、社会学に関わることに興味関心がある、といったことを伝えられるといいでしょう。

具体的な研究対象が決まっていなくても、社会問題や課題に関して興味があることをしっかりと伝えるようにしましょう。

社会学部の志望理由の口コミ

  • 研究内容が幅広く、入学時点で研究したいことが明確でなくてもいいと感じたから。
  • 歴史や政治経済といった科目が得意で、興味もあったので。
  • マスコミに関心があり、将来マスコミに進みたいとも思っていたため。
  • 何か特定のことに興味があるわけではなかったため、世の中のことを広く知りたいと考えた。
  • 法学、経済、心理学、さらには文学や民俗学など、さまざまな分野を学べる学部だから。

社会学部の雰囲気・男女比

社会学部の男女比は、ほぼ同等となっています。

大学によって、若干男性のほうが多い、女性のほうが多いという違いはありますが、どちらかに極端な偏りが出ることはあまりないようです。

社会学部を設置する大学はたくさんあり、学生数もわりと多めとなっているため、物静かな人から体育会系の元気はつらつな人まで、さまざまなタイプの人と出会えるでしょう。

研究領域が幅広く、また「社会」という大きな視野をもって学んでいくことから、比較的自由で風通しのよい雰囲気があるようです。

大学によっては、海外でフィールドワークが行われることもあります。

就職に対する意欲も高めとなっており、とくにマスコミ志望者など、在学中の早い段階から就職に向けた準備をしている人もいます。

社会学部の雰囲気・男女比の口コミ

  • 男女比は4:6ぐらいで女子のほうがやや多かった。
  • 奇抜なファッションの人や、派手な感じの人もちらほらいた。
  • 明るく社交的な人が多かったという印象。
  • 進むべき道が決まっていない人もいるため、進路のことで悩んでいる人の姿も見かけた。
  • 単位が取りやすい学部というイメージを持たれることがあった。

社会学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと

社会学部は研究領域の広さから、いろいろなタイプの学生がいるのが大きな特徴の1つです。

自分が考えたことのなかった意見を持っている人や、世の中に対する興味関心を研究テーマにしている人がたくさんいるので、刺激を受けることも多いはずです。

ただし、自由度が高いということは、自分で考え、決めなくてはならないことと表裏一体です。

自発的に物事に興味を持ち、研究を進めていくことができるタイプの人でないと、ゼミや卒論で苦労するかもしれません。

指導教授の方針によっては、フィールドワークなど学外での活動を積極的に行っていることもあります。

研究室に閉じこもって論文を書き続けるよりも、世の中の動きを自分の目で見て確かめたい人にとっては、とてもやりがいのある研究になるでしょう。

社会学部の楽しいことの口コミ

  • まじめに授業に出る人が多かったからか、クラスが違っても仲が良い人がたくさんいた。
  • 研究対象となる範囲が広く、学生も教授もいろいろなタイプの人がいるので刺激になる。
  • フィールドワークを積極的に行っていたので、定期的に旅行に出かけられて気分転換になった。

社会学部のつらいことの口コミ

  • 英語の単位は必須だったので、英語が苦手な人にとってはつらいかもしれない。
  • 学部そのものの自由度が高いので、自分の関心や研究対象を明確にしなくてはならなかった。

社会学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路

社会学部の就職先

社会学部出身者の就職先は、メーカー、金融、保険、IT、不動産、旅行など多岐にわたります。

社会学部内にメディア系の学科を置く大学もあることから、放送・新聞・出版・広告といったマスコミ方面や、ジャーナリズム志望者が多くなっていることが特徴のひとつです。

大学によっては、社会学部にメディア学方面で著名な教授が在籍しているなど、マスコミの就職に強いといわれるところもあります。

また、身につけた調査手法を生かせる仕事として、リサーチ会社に就職する人もいます。職種でいうと、マーケティングの仕事に就く人も多いようです。

そのほか公務員や非営利民間団体の職員になったり、大学院へ進み、さらに専門性を高めていったりする人もいます。

社会学部の就職の状況と需要

社会学部は特定の専門分野に絞って研究を進める学部ではないため、学生のタイプや志向もさまざまで、就職先は多種多様です。

マスコミを研究テーマにする人も多いため、テレビ局や出版社といった、いわゆるマスコミ関係に進む人が一定数います。

また、メーカーや商社、金融など、他学部でもよく見られる進路を選ぶ人もいます。

社会学部は特定の進路に限らず、自分の希望に応じて幅広く進路を選べるのが魅力ですが、裏を返せば「これ」という資格が得られるわけではありません。

また、企業側にとっても「何を勉強してきたのかピンとこない」と思われやすい傾向があります。

学生時代に取り組んだ研究テーマについては、自分の言葉でしっかりと伝えられるようにしておくことが重要です。

社会学部の就職以外の進路

社会学部を卒業して就職以外の進路を選択する人もいます。

社会学部は理系の学部のように大学院に進学することが前提になっているわけではないため、大学院進学を選ぶ人は少数派です。

しかし、自身が行ってきた研究をより深く追究したい人は、大学院で修士・博士課程修了を目指す場合もあります。

卒業後に海外留学や資格取得のための期間を持ち、就職を先延ばしにする人もいます。

起業については、社会学部で学んだことがビジネスに直接活かせることばかりではないかもしれませんが、他学部と同様に起業という道を選ぶ人もいます。

このように、就職以外の進路を選ぶ人の割合は他学部と同じぐらいと言えるでしょう。

社会学部の就職の状況の口コミ

  • 就職に直結する学部ではないため、就職先は多種多様。
  • テレビ局や出版社などのマスコミ関係に進んだ人が一定数いた。
  • 営業職や事務職の道に進んだ人も多かった。
  • 商社やメーカーに進んだ友人もいる。
  • 銀行や証券会社といった金融系に進む人も意外に多かった。

社会学部から公務員を目指せる?

社会学部から公務員を目指すこともできます。

ただし、社会学部で学んできたことによって公務員採用試験で特別有利になることはありませんので、試験を突破するための勉強は他学部と同様に必要です。

国家公務員・地方公務員とも、社会学部出身であることはほとんど関係なく、目指すことは可能です。

ときどき、地方上級や国家公務員試験では法律と経済の配点が高めであることから、法学部や経済学部が有利になると言われることがありますが、実際には学部の差はほとんどないと考えられます。

社会学部の卒業生の感想

社会学部で学んできた卒業生の感想としては、学部で学んだ内容が何かに直接的に役立ったわけではないという声が多いようです。

ただし、いろいろいなタイプの人に出会い刺激を受けたことや、物事を多面的に見る習慣が身についたことなど、社会人になってからも間接的に役立っていることはあるようです。

こうした感想を見る限り、学部で学んだことが就職に直結するほうがいいと考える人は、社会学部はあまり適していないかもしれません。

社会学部を卒業したと言っても「どんな勉強をしてきたの?」と聞かれることがほとんどですので、研究内容が明確な学部のほうがいい人は法学部や経済学部を志したほうがいいでしょう。

反対に、大学で学んだことが長い目で見て間接的に役立つならムダではないと思える人にとって、社会学部は良い選択肢の1つと言えるでしょう。

社会学部の卒業生の感想

  • 就職に直結する学部ではないという世間のイメージが強いと感じた。
  • 身のまわりで今起きていることが、そのまま研究対象になるめずらしい学問。
  • 学部生の数が多かったこともあり、いろいろなタイプの人に出会うことができた。
  • 多角的な視点で物事を見るトレーニングになり、社会人になってからも役立った。
  • 有名人がゲストスピーカーとして登壇するなど、他学部よりも授業が楽しかったと思う。

世の中で起きていること全般が研究対象となる社会学部は、研究テーマの自由度が高い反面、どんな研究をしてきたのか学部名だけでは伝わらないところもあります。

身近なことから研究テーマを探したい人や、大学ならではの知的好奇心を刺激される経験をしたい人は、ぜひ社会学部の扉を叩いてみてください。

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