音楽学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先
音楽学部とは
音楽学部は、音楽の芸術性について理論と技能の両面から学ぶ学部です。
音楽に関する理論や音楽の歴史について座学で学ぶ講義が行われる一方で、声楽や器楽、指揮といった実技のレッスンも行われます。
理論・実技の片方だけを学ぶのではなく、両目から学んでいくことで音楽を総合的に探求していく点が特徴です。
音楽学部を志望する人の大半は、ピアノをはじめとする器楽を幼少時から続けており、より専門性を高めていくことを目的としています。
そのため、音楽に対して高い素養を持った人材が全国から集まり、お互いに刺激を受けながら学べる雰囲気があります。
一般的に音楽大学は実学ではないことから、就職に不利になるのではないかと考える人もいますが、実際には大手企業をはじめ、他学部と比べても遜色のない仕事に就いているケースが多いと言えます。
学校の音楽科教諭になるなど、公務員を目指す道もありますので、音楽学部を卒業して選べる進路は幅広いと考えて問題ないでしょう。
音楽学部の理念
音楽学部は、作曲・器楽・声楽・指揮などの音楽に関連する専門的な教育と研究活動を行い、国内外で通用する演奏技術や表現力を備え、広く社会の文化発展に寄与できる音楽家を輩出することを目指す学部です。
音楽を芸術文化としてとらえ、その長きにわたる伝統をしっかりと受け継ぎながら、次なる時代に新しい音楽を創造し、聴衆に感動と喜びを与えられる人材の育成に取り組みます。
音楽についての深い学識と高い技術を得て、音楽の各分野において優れた能力を養うための教育・研究が行われます。
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音楽学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論
音楽学部で学ぶこと
音楽学部では、音楽理論や音楽史などに関する科目のほか、技術指導(個人レッスン)が多くの時間をかけて行われることが大きな特徴となっています。
学科・専攻によってレッスン内容や形態は異なりますが、基本的には個々の演奏技術を高めつつ、アンサンブルや合唱など、他の学生とともに音楽性を深めていくための時間もあります。
また、定期的に学内演奏会が行われ、人に聴かせることを重視した教育が行われます。
音楽学部の講義は、いずれも少人数クラスで行われることが多いです。講師と学生の距離が近く、プロの音楽家からさまざまなものを得ることができるでしょう。
基本的には、「クラシック」と呼ばれる西洋音楽を中心に学びますが、より音楽への理解を深めるために邦楽や民俗音楽などの研究を行うこともあります。
音楽学部の授業内容
音楽学部の授業では、理論と実技の2つが大きな軸になります。
理論については、座学で学ぶこともあればレポートの作成なども含めて実施されることもあります。
一方、実技については声楽や器楽といった実際の演奏を行うことになりますので、最も多くの時間を費やすのが「練習」になります。
個人指導を手厚く実施している大学もありますので、その場合は指導教授とほとんど一対一の時間を過ごすことになります。
授業によっては、実際に演奏会を開催して他の学生に演奏を聴いてもらうこともあります。
音楽学部の卒論の例
- 武満徹作品における音素材の変遷
- イタリア未来派音楽に関する研究
- ドビュッシーの歌曲<星の夜>にみるマスネの影響
- ブラームスのピアノ作品創作におけるピアノ・ソナタの位置づけ
- アマチュアオーケストラにおける指導法に関する一考察
- 再犯防止のための音楽療法
- PTSD患者への音楽療法の活用について
音楽学部で学んだことの口コミ
- 練習の成果がすぐに現れるわけではないので、根気強く孤独に耐えて頑張り抜くことを学びました。
- オーケストラやブラスバンド、室内楽の授業もありましたので、アンサンブルの技術的な難しさと人間関係の大事さを学び、社会人になってからのコミュニケーションに役立っています。
- 独学で頑張れば学べないこともありませんが、色んな先生から色んな解釈を吸収することができるので、多様性が学べます
- 周りの演奏者とコミュニケーションをとることでいろいろな人の物の考え方や価値観を学びました。
- プロの先生の指導を受けながら、ソロ演奏、オーケストラ、吹奏楽、室内楽などのノウハウを勉強することができました。
- 音楽の道に進み、音楽を仕事にしている以上、学生時代に学んだことは全てが役に立っています。
- 練習は毎日が地味な作業のくり返しだったが、華やかに見える世界の裏にはとてつもない努力があることが身に染みて分かった。
音楽学部の主な学科・分野と概要
器楽科
有鍵楽器(ピアノ・オルガン)、管楽器、打楽器、弦楽器いずれかの楽器を専攻し、確かな演奏技術と表現力を身につけた演奏家を育成します。
声楽科
正しい発声法を身につけるとともに歌詞の理解に必要とされる語学力や楽曲の裏にある文化の理解を高め、表現力豊かな声楽家を育成します。
作曲科
音楽理論や作曲に必要な技術を基礎から学び、独奏曲、管弦楽曲、合唱曲、吹奏楽曲といった各種楽曲の作曲家として活躍できる人材を育成します。
指揮科
ソルフェージュ能力や聴音能力を高めるとともにスコアリーディングなどの技術を身につけ、豊かな人格と統率力を備えた指揮者を育成します。
楽理科
西洋音楽史や東洋音楽史、音楽民族学といった音楽学の研究を深め、音楽の学問的研究に携わる力を持った人材を育成します。
音楽教育学科
幅広い教養と音楽教育の基礎、確かな演奏技術を身につけた人間性豊かな音楽指導者を育成します。
音楽学部で学ぶ学問分野・概要
音楽学には音楽学、声楽、器楽、作曲、音楽教育、音楽学芸術運営などの分野があります。
ソルフェージュ
楽譜の読み書き、聴く・歌うことの基礎について学びます。
音楽学
音楽の歴史を踏まえつつ、理論と芸術性について研究します。
声楽
人の声による音楽全般について、発声をはじめとする技能の習得を目指します。
器楽
管楽器や弦楽器の演奏技術の習得を目指します。
作曲
音楽理論に基づいた作曲方法を身につけることを目指します。
音楽教育
音楽の教授法について、理論と実践的な技能を学びます。
音楽学芸術運営
コンサートなど公の場で音楽を披露する場合の運営方法などを学びます。
音楽学部で目指せる主な資格
・高等学校教諭一種免許状(音楽)
・中学校教諭一種免許状(音楽)
・小学校教諭二種免許状
・音楽療法士一種
音楽学そのものを学ぶことで得られる資格というよりも、音楽学の知識を活かせる教員免許が中心となります。
いわゆる「音楽の先生」として、学校にて就業するために必須の資格となります。
音楽療法士の資格は、所定のカリキュラムを修了することにより卒業時に取得可能です。
音楽によって感覚器官を刺激し、安らぎやストレス軽減を図ることで医療に貢献する仕事として、音楽療法士は注目を集めつつあります。
音楽学部の大学選びのポイント
音楽学部には、大きく分けて総合大学の学部学科の1つとして設置されているケースと、音楽を専門とする音大の2種類があります。
総合大学や芸術大学の学部の場合、総合文化学やメディア学、文教育学、国際文化学、教育学といった分類になっていることもありますので注意が必要です。
プロの演奏家を目指すのか、学校で音楽の先生になることを目指すのかによって、レッスンへの時間のかけ方や個人レッスンの頻度が大きく異なることもありますので、シラバスなどを参考にしながら自分の目指す方向性とずれがないか確認しておくことが大切です。
音楽学部の入試方法・受験科目
音楽学部の入試では、実技試験が重視されることがほとんどです。
学科試験はセンター試験で代用したり、国語と英語のみ筆記試験を課したりといったケースが多くなります。
実技試験は専攻を希望する学科によって異なりますが、譜面を初見で歌う新曲視唱や楽譜についての基礎的な知識技能を見るための楽典、主にピアノ演奏の技能を見る器楽などが課されます。
そのため、一般的な大学入試に向けた受験勉強と比べると、実技試験対策のためのレッスンの比率が高くなる傾向があります。
音楽学部の学費
音楽学部の学費は、レッスンのための場所を確保する必要があることから、施設設備費がかかるのが特徴です。
一例として、フェリス女学院音楽学部(音楽芸術)の学費は、1年次に1,537,970円(入学金200,000円、授業料865,000円、施設設備費441,500円、諸経費31,300円)、4年間で5,457,300円となっています。
なお、同学でも音楽学部の演奏を専攻した場合、授業料が上がるため4年間にかかる学費は7,557,300円と、より高額になります。
音楽学部の志望理由、例文、面接
音楽学部の志望動機
音楽学部を選択する人は、そのほぼすべての人が「音楽家になる」という明確な目標を持ち、この学部へ進学しています。
入学後は専攻に応じて演奏技術を習得し、音楽家として専門性を深めていくことになります。
入学試験は倍率が高くなりがちで、実技試験も実施されるため、早いうちから何の楽器を専門としたいかを決め、レッスンを受けるなど受験対策を行っている人が多いです。
たとえば、医学部や獣医学部の学生がそれぞれ「医師になる」「獣医師になる」と考えているのと同様、音楽学部も、学生の志望理由がハッキリとしていることが特徴です。
音楽学部の志望動機の例文
私は将来音楽の先生を目指したいと考えており、夢の実現のために貴校の音楽学部音楽芸術学科を志望いたします。
3歳からピアノを習い始め、今日に至るまで、ずっとピアノの練習に打ち込んできました。
一時期、音楽の道ではなく一般事務の仕事に就こうか迷った時期があり、簿記の資格取得に向けて勉強していたことがありました。
しかし、将来的に人工知能が経理職の大部分を代替していくことになると知り、人間でなければできないことを仕事にしたいとより強く思うようになりました。
幼少時からずっとお世話になってきたピアノの先生は、私が高校生になった今でも幼い頃の性分や性格を知っているので、生活環境や学校で学ぶ内容が変わっても、私のことを一人の人間として深い部分で見てくれていると実感することがあります。
悩みがあるときは、ピアノの音にもそれが表れてしまうのか、先生は敏感に感じ取ってレッスン後に声をかけてくれたりもします。
近い将来、人工知能が人間の仕事を代替するようになったとしても、こうした人と人とのつながりはなくならないと考えています。
そのため、音楽教育を通じて、子どもたちを一人の人間的な成長をサポートしていきたいと考えるようになりました。
貴校では音楽教育に関する授業に力を入れていらっしゃると伺い、私の将来の夢を実現するために最適な環境が用意されていると感じました。
以上の理由から、貴校の音楽学部音楽芸術学科を志望いたします。
音楽学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること
音楽学部の面接では、志望動機とともに入学後にどのようなことに力を入れていきたいのか、将来の目標や夢を実現する上でどう活かしていきたいか、といったことがよく聞かれます。
とくに声楽や器楽といったレッスンが中心になる学科を専攻する場合、1日の大半を練習に費やすことになりますので、「音楽が好きだから」といった生半可な気持ちで入学すると、途中で挫折してしまいかねません。
音楽を本気で究めていきたいという真剣さや熱心さが伝わることが非常に大切です。
大学案内やシラバスをよく調べておき、学びたいことが実現できる大学かどうか、どの授業に特に興味を惹かれたかなど、具体的な話ができるようにしておきましょう。
音楽学部の志望理由の口コミ
- 大学に進んで、教員免許をとって中学校の音楽の先生になりたかったからです。
- 小学校の時からピアノとフルートを個人の習い事として続けてきたので、音楽の道に進むと決めていました。
- 吹奏楽で演奏に自信があり、教えてもらっていたプロの先生から進学を勧められたからです。
- 好きなもので進学しよう、飯を食っていきたいと思うようになり音楽の道を志しました。
- 音楽を続けることはとてもお金がかかりますが、ちょうど地元に音楽大学があったので。
音楽学部の雰囲気・男女比
音楽学部の男女比は大学にもよりますが、全体的に見ると男性が3割、女性が7割程度と、女性の人数のほうがやや多めとなっています。
ただし、指揮科など学科や専攻によっては男性の人数のほうが多い場合もあります。
音楽学部では、すべての学生が音楽を愛しており、一見ほんわかとした雰囲気を持つ人も多くいます。
しかし、実力がある人が認められる厳しい世界でしのぎを削り合っているため、誰もが心の中には熱いものを秘めていますし、お互いによき仲間、よきライバルとなります。
学部としての一体感はありつつも、あくまでも個々が自らの技術を高めるために日々鍛錬を怠らない。そんな様子が、音楽学部ならではの特徴といえるでしょう。
音楽学部の雰囲気・男女比の口コミ
- 音楽を極めようと思う同窓生が全国から集まってくるので、十人十色、個性豊かな人たちばかりです。
- プライドが高い人も多かったですが、みんな個性的で天然だった。
- 女子大学だったということもあり、お嬢様気質の人が多かったです。
- 周りや他の専攻生(作曲や音楽教育やポピュラー志向の学生)とも仲良くうまくやりながら良いところは吸収し、でも個性は大事にしている人が多いと思います。
- 1日8時間練習するなど、熱心に練習に打ち込む人がたくさんいた。
音楽学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと
音楽学部の楽しいこととして、全国から音楽を志す人材が集まってくるため、演奏レベルや音楽的な素養については一定以上のレベルの学生の中で学べる点が挙げられます。
高校までとは違った、同じ目標を持った才能豊かな人の中で学べることが、音楽学部に入学して楽しいと感じることの筆頭に挙げられるでしょう。
ただし、音楽大学である以上は地道に練習したり一人で壁を乗り越えたりと、暇さえあれば練習に邁進する日々が待ち受けています。
スランプに陥ってしまうなど、乗り越えるには精神的な強さを求められる場面も多々あることでしょう。
音楽に対するひたむきさが試されるという意味では、大変な一面があることを覚悟しておく必要があります。
音楽学部の楽しいことの口コミ
- 普段はみんな個人で練習していますが、演奏会ではみんなで一つのものを作り上げるのが楽しかった。
- 演奏会が終わったら打ち上げがあったり、学園祭は演奏楽器別に屋台を出して売り上げを競ったりして、周りの学生とのコミュニケーションが楽しかったです。
- 皆ある程度の水準をクリアしてきているので、高いレベルの物を作り上げていくのは凄く楽しかったです。
音楽学部のつらいことの口コミ
- 音楽は一人で地道に練習しなければ上達しないので、他の友達が遊んでいる時でも、暇さえあれば練習するという感じでした。
- 試験前はピリピリした雰囲気であり、同級生も先輩も下級生も全員ライバルとなるので大変でした。
音楽学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路
音楽学部の就職先
音楽学部出身者の進路についての大きな特徴は、他の学部とは異なり、民間企業へ就職して営業など「総合職」といった形で働く人がさほど多くないことです。
学生の大半が「音楽家になる」という夢に向けて学生生活を過ごしており、在学中にコンクールに参加して入賞し、プロの音楽家を目指すという道が一般的なものとなります。
ただし、実力主義のこの世界において、成功するのは決して簡単なことではありません。
著名なコンクールで入賞すればソリストとしてデビューすることも可能となりますが、多くの人は民間の音楽教室・スクールや音楽専門学校の講師、学校の音楽教員、オーケストラの団員などとして活躍します。
また、大学院への進学率も比較的高く、国内のみならず海外の音楽大学や大学院へ留学してさらに専門性を深める人もいます。
いずれの場合でも、豊かな音楽性と表現力、テクニックを備えていなければ、音楽家として生計を立てることは難しいです。
そのほか、数は少ないですが、音楽療法士として医療・福祉関連施設で働く人もいます。
音楽学部の就職の状況と需要
一般的に、音楽学部で学んだことが就職に直結しないのではないか、というイメージを持たれることがありますが、就職に関しては音楽学部なので不利になるわけではありません。
各大学の就職状況を見ても他学部と同様、一般企業や公務員など、幅広い進路を選んでいることが分かります。
音楽に携わり続けることだけを念頭に置いていくと厳しい面もあるかもしれませんが、一般的な職業に加えて音楽「も」選択肢に入ると考えれば、むしろ選択の幅は広がるでしょう。
もちろん、音楽の先生をはじめ音楽療法士など、音楽学部で学んできたことで開ける道もあります。
音楽学部の就職以外の進路
就職以外にも、大学院へ進学してより専門的に音楽の道を目指す人いれば、プロの演奏家として自立していくための一歩を踏み出す人もいます。
音楽療法士の中にはフリーランスとして活躍している人もいますので、こうした道を選ぶ人も出てくるでしょう。
ただし、音楽を仕事にして演奏などで食べていくのは並大抵のことではありません。
就職して働くことにした人の中にも、仕事の傍らで音楽活動を続けるなど、音楽に関わっていく方法はたくさんあることを知っておきましょう。
音楽学部の就職の状況の口コミ
- 学校の音楽の先生や、音楽教室の講師は多い。
- 楽器店の販売員や事務スタッフへ就職する人もいる。
- 銀行員や、一般企業に就職する人も多数いた。
- 家庭の事情もそれぞれあり、大学院に進学する人はほんの一握りでした。
- 少数ですが、演奏家になり自分がソロアーティストとしてコンサートを開いたり、スタジオミュージシャンとして依頼を受けて演奏したりする人もいます。
音楽学部から公務員を目指せる?
音楽学部から公務員を目指すことは可能です。
最も広く知られているのは、学校で音楽の先生になることです。
音楽科の教員であれば、音楽学部で学んだことを活かして働くことができるでしょう。
また、警察の音楽隊といった道も考えられます。
もちろん、一般行政職についても他学部と同様、公務員試験に合格することで仕事に就くことができます。
音楽学部の卒業生の感想
音楽学部で学んできた卒業生の多くは、大学4年間を通じて音楽と向き合い続けられたことに対して充実感を感じているようです。
音楽を志して入学してくる人ばかりですので、高校までとは違った刺激を受けられたのが良かったと振り返る人も少なくありません。
一般的な大学よりも学費が高額になりやすいことや、就職をどうするのかといった課題はつきまといますが、結果的に卒業生の多くが「音楽学部を選んでよかった」と感じていることは、これから音楽学部を目指そうとしている人にとって背中を押す言葉となってくれることでしょう。
音楽学部の卒業生の感想
- 一般的には変わっていると言われる人が多いかもしれませんが、そういう人たちとの出会いでいろんな価値観を学んだり、音楽を通して他ではできない感動したり達成感を感じる経験をすることができます。
- 授業外でもたくさんの時間を一緒に過ごしたりしますので、密な関係での人間関係の形成ができるかと思います。
- 大学はさまざまな刺激があり本当に楽しいですが、常にやる気もって自分から動いていくことが求めれます。
- お金の問題はなんとかしようと思えばなんとかなるものですが、後悔はお金で清算できないので、音楽の道に進みたい人には思い切って挑戦してみてほしいです。
- 若い時にできることを、大学のうちに全てやる勢いで、学生生活を楽しんでいただきたいを思います。
音楽学部の口コミ・体験談
都内音楽大学 音楽学部 演奏学科卒業生の体験談・口コミ
演奏学科を目指した理由
中学・高校と吹奏楽部に在籍しており、特に高校ではマニアな先輩たちの影響もあって音楽の面白さにどっぷりと浸かっていました。
進学校でしたが、部活のために通学しているようなもので成績は下降の一途。
2年生になったときに、好きなもので進学しよう、飯を食っていきたいと思うようになり音楽の道を志しました。
演奏学科で学んだこと・役に立っていること
現在は大学職員として働きながら指導や演奏活動を行なっています。
音楽を続けている以上は学生時代に学んだことは全てが役に立つと思います。
逆に全てを使って仕事をしなければ次の仕事がない、と感じることもあります。
高校の時以上に大学時代は勉強に精を出していました。
演奏学科の雰囲気
音楽を極めようと思う同窓生が全国から集まってくるので、それはそれは十人十色な個性豊かな人たちばかりです。
一昔前と違って、周りを圧倒して自分の音楽を守っていく、という人種は少なくなり、周りや他の専攻生(作曲や音楽教育やポピュラー志向の学生)とも仲良くうまくやりながら良いところは吸収し、でも個性は大事にしている人が多いと思います。
男女比は2:3くらいになりつつあるでしょうか。
まだまだ女性が多いです。
演奏学科の楽しかったところ
とにかく毎日が趣味漬け、という点でしょう。
自分が楽しい、心から嬉しい、と感じることを日々研鑽できます。
そしていい意味で忙しいので、遊ぶ大学生にならないし「学生をやりきったなぁ」と振り返ることもあります。
学ぶことの楽しさ、充足感、学生らしさはこの学部を選んでよかったところです。
演奏学科のつらかった・大変だったところ
勉強だけでなく、技術や経験、センスが秀でている人が周りにはいっぱいいるので自分自身で心的ストレスを感じることはありました。
また医学部並みにお金もかかるので親に仕送りも頼めずバイトは必須…もちろん奨学金も借りていました。
周囲とのギャップ、時間のなさ、お金のなさがこの学部を選んで大変だったところです。
演奏学科の卒業後の就職先・進路
私は計画的に就職活動をはじめ、最初は一般の一部上場企業に就職しました。
クラシック音楽の知識量を買われて秘書課のようなところで働いたこともあります。
周囲は卒業まであと1、2ヶ月、となっても演奏会に出ていて一切就活をしていない人もいました。
もちろん彼らの中にはオーケストラのオーディションを受けるという目標を明確にしている人もいましたが、現実から目を背けて突っ走る人もいました。
当然、全体の就職率は低いです。
夢を追いかけている人も、バイトで食いつなぐという人もいます。
卒業後の所感・メッセージ
音楽大学へ進学する人は一時期よりもかなり少なくなっています。
音大はそろそろ淘汰されてくる時代だと思います。
でも将来のこどもたちに音楽を伝えられるプロが少なくなってはいけないと思います。
私も仕事をしながら指導や演奏をしているのは、何も自分のためだけではありません。
ぜひ自分が好きな音楽を極め、そして次の世代へ繋げたい!という高校生が音楽の道へ進んできてくれることを望みます。
音楽の道は楽しいことばかりではありませんが、何を学んでいても同じことです。
ならば一度だけの人生、自分のやりたいことで酸いも甘いも享受できる道を選んでみてはどうでしょうか。
お金の問題はなんとかしようと思えばなんとかなるものですが、後悔はお金で清算できません。
私は音楽をやってよかったと思います。
みなさんにも自分のやりたいことをやり、やってよかったと思える大人になって欲しいと思います。
みなさんの未来を応援しています。
私立音楽大学 音楽学部 器楽科卒業生の体験談・口コミ
器楽科を目指した理由
高校生の時に吹奏楽部に所属していました。
それなりに演奏には自信があり、賞などもいただいていて顧問の先生や個人的についていたプロの先生から進学を勧められ、何よりも演奏することが楽かったので、プロを目指しこの学科を専攻しました。
器楽科で学んだこと・役に立っていること
担当のプロの先生の指導を受けながら、ソロ演奏、オーケストラ、吹奏楽、室内楽などのノウハウを勉強します。
独学で頑張れば学べないこともありませんが、色んな先生から色んな解釈を吸収することができるので、多様性が学べます
器楽科の雰囲気
男女比は女性が圧倒的に多いですが、卒業後プロとしてやっていけているのは男性が多いです。
雰囲気は楽器ごとに異なります。
金管は大体体育会系で、木管は個人主義ですが女子はつるみがち、打楽器は個性的、弦楽器はプライドが高いです。
皆プロを目指してやってきているので意欲に燃えています。
器楽科の楽しかったところ
全国から我こそはという同世代の人間が集まってくるのでとても良い刺激になります。
部活ではレベルもさまざまな人間でやっているので正直物足りない所もありましたが、皆ある程度の水準をクリアしてきているので高いレベルの物を作り上げていくのは凄く楽しかったです。
器楽科のつらかった・大変だったところ
個性的な人ばかりなので人間関係は結構大変でした。
また、大学内でオーディションで選ばれた人間だけが出演できる演奏会などがあり、選ばれた人間は名誉ですが、それにあぶれた人達は皆涙を堪えて練習を頑張っていました。
うまく演奏できないジレンマはとてもつらいものでした。
器楽科の卒業後の就職先・進路
自分は結局楽器の修理の道に進みました。
演奏は楽しかったですが、それ以上に直接的に中高生の手助けとなりたかったのです。
フリーランスの演奏者として仕事をしながらプロのオーケストラに入ることを目指している人や海外に留学する人が大半ですが、教員免許をとって音楽の先生になる人や、まったく違う職種に就く人もいます。
自分で教室を開いて音楽講師をする人も多いです。
卒業後の所感・メッセージ
大学はさまざまな刺激があり本当に楽しいですが、常にやる気もって自分から動いていかないと4年間が無駄になってしまいます。
受け身でいるだけでは最低限のことしか選択できません。
モチベーションを保つことはとても大変ですが、意欲を持って頑張ってほしいと思います。
都内私立大学 音楽学部 器楽学科フルート専攻卒業生の体験談・口コミ
器楽学科フルート専攻を目指した理由
小学校の時からピアノとフルートを個人の習い事として続けてました。
高校が進学校だったので周りの同級生は国立大学の文学部や法学部を目指していたのですが、周りの偏差値と自分の偏差値を比べて私はあまり偏差値が良くなく、4年間の勉強を考えた時に自分の得意分野で進学をするのが良いと思い、音楽学部に進学しました。
器楽学科フルート専攻で学んだこと・役に立っていること
ピアノとフルートの演奏技術、音楽に関する知識や歴史を学び、周りの演奏者とコミュニケーションをとることでいろいろな人の物の考え方や価値観を学びました。
オーケストラやブラスバンド、室内楽の授業もありましたので、アンサンブルの技術的な難しさと人間関係の大事さを学び、社会人になってからのコミュニケーションに役立っています。
器楽学科フルート専攻の雰囲気
学生の性格としては、音楽学部は裕福な家庭が多かったこともあり、バイトなどはせずに練習に明け暮れる勤勉な学生が多かったです。
1日8時間ほど練習している人などいました。
クラシックが好きな人が多く、自意識や自尊心が高い人が多かったように思います。
男女比は9:1で女性が多かったです。
器楽学科フルート専攻の楽しかったところ
演奏会が終わったら打ち上げがあったり、学園祭は演奏楽器別に屋台を出して売り上げを競ったりして、周りの学生とのコミュニケーションが楽しかったです。
楽器ごとの人数は楽器によって1学年5~20名ほどで少なかったので、先輩後輩や同級生との顔と名前が一致するくらいの規模だったのもよかったと思います。
器楽学科フルート専攻のつらかった・大変だったところ
試験前はピリピリした雰囲気であり、同級生も先輩も下級生も全員ライバルとなるので大変でした。
人数が少なかったので順位が顕著にあらわれ、授業によっては全員が受講できるわけでなく、パートごとに成績順での受講になる授業もありましたので、競う形になることや成績が見えてしまうことが大変でした。
器楽学科フルート専攻の卒業後の就職先・進路
学校の音楽の先生になる人、自分で教室を開いてピアノ教室や楽器教室を開く人、ヤマハや山野などの音楽教室に就職する人が多いです。
楽器店の販売員や事務スタッフへ就職する人も多いです。
少数ですが、演奏家として、自分がソロアーティストとしてコンサートを開いたり、スタジオミュージシャンとして依頼を受けて演奏したりする人もいます。
卒業後の所感・メッセージ
音楽学部に集まる生徒は主にクラシック音楽が好きな人が多く、自分のこだわりが強く、一般的に変わっていると言われる方が多いのではと思います。
そういう人との出会いでいろんな価値観を学んだり、音楽を通して他ではできない感動したり達成感を感じる経験をすることができます。
授業外でもたくさんの時間を一緒に過ごしたりしますので、密な関係での人間関係の形成ができるかと思います。
私は通ってよかったと思いますので、目指している方は頑張ってほしいと思います。
地方私立大学 学芸学部 音楽専攻卒業生の体験談・口コミ
音楽専攻を目指した理由
大学に進んで、教員免許をとって中学校の音楽の先生になりたかったからです。
音楽はとてもお金がかかるので、東京の音楽大学には行かずに、地元の音楽学部のある大学で頑張ろうと思っていたので、この大学を選びました。
音楽専攻で学んだこと・役に立っていること
音楽の勉強は、毎日毎日の積み重ねです。
成果がすぐに現れる訳でもなければ、演奏を誰かが助けてくれる訳でもなく、上手い下手は、その人それぞれの感覚によってさまざまです。
なので根気強く、孤独を乗り越えなければなりません。
華やかに見えても本当は華やかではないんです。
なので、どんなことにも負けないで、根気強く生きて行くことは、この環境から学ぶことができたと考えています。
音楽専攻の雰囲気
女子大学だったということもあり、お嬢様気質の人が多かったです。
服装も、ジーパンを履いている人はキャンパスではほとんど見かけません。
みなさんいつもきちんとしていて可愛らしい人がとても多かったです。
プライドも高い人が多かったですが、みんな個性的で天然だったように思います。
音楽専攻の楽しかったところ
楽しかったところは、みんなで訪問して演奏会を行ったりしたことです。
普段はみんな個人で練習していますが、演奏会ではみんなで一つのものをい作り上げるため、合奏などもしました。
コンサートでは、普段試験では演奏しないようなポップスも取り入れたりして本当に楽しかったです。
音楽専攻のつらかった・大変だったところ
つらかったところは、孤独です(笑)
音楽は一人で地道に練習しなければ上達しないので、他の友達が遊んでいる時でも、暇さえあれば練習するという感じでした。
一つの音楽を納得いくまで練習することは楽しみでもあり、つらいことでもあります。
終わりが見えないつらさです。
音楽専攻の卒業後の就職先・進路
卒業後の進路は本当に多岐にわたっています。
私は音楽から離れて就職をしましたが、学校の音楽の先生や、音楽教室の講師ももちろん多いですし、
銀行員や、一般企業に就職する人も多かったです。
家庭の事情もそれぞれあり、大学院に進学する人はほんの一握りでした。
卒業後の所感・メッセージ
高校生のみなさんには、将来のことを真剣に考えて進学してほしいなとおもいます。
日本は転職がしにくいのでなかなか大変です。
若い時にできることを、大学のうちに全てやる勢いで、学生生活を楽しんでいただきたいを思います。
この記事のまとめ
大学で音楽を学ぶ道を選ぶことは、これから進路を決定する皆さんにとって大きな決断かもしれません。
どの学部に進むにせよ、何を学びたいのかを明確にし、将来の自分にとって糧になる何かを得ることが重要であることに変わりはありません。
音楽学部でその「何か」を得られると確信したなら、思い切り音楽に対峙する4年間を選んでみてはいかがでしょうか。
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