女性の調理師のキャリアパス・結婚後の生活
女性の調理師の現状
調理師というと、男性がバリバリ活躍するイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には女性の調理師も多くおり、一流シェフや一流の料理人として、メディアに取り上げられたり、世界に活躍の場を広げたりする女性調理師の活躍も目立っています。
飲食業界はハードな現場も多いことで知られていますが、そのような中でも調理師に関しては、男女が同等に扱われる世界です。
男性でも、女性でも、とにかく経験を積んで実力を付けた人がのし上がっていけるのです。
「女性だから勤務時間が短縮される」「女性だから重い調理器具は持たなくていい」といった配慮がなされることはありませんし、男性と同じように立ちっぱなしで、体力勝負の仕事をこなさなければいけません。
男性と同じ舞台に立つ機会は十分にありますが、実際に一流の調理師として活躍するには肉体労働に耐えられる体力と「絶対に成功する!」といった強い意志が必要となるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
女性の調理師の強み・弱み
調理師として活躍する女性の数は男性に比べると少ないですが、調理師の仕事には女性だからこそ生かせるスキルや能力もあります。
一般的に女性には丁寧で細やかな作業が得意な人が多いため、繊細な調理や配色のバランスを考えた料理の盛り付けなどは、女性の調理師が得意とする分野だといえます。
また、女性は男性よりもマルチタスクが得意だといわれることがあります。
1つの作業に集中できる職人肌の調理師も求められますが、スムーズに料理を提供するには複数の仕事を同時にこなすスキルが重要です。
フライパンの調理をしながらオーブンの焼き具合を見て、さらにホールの状況を確認するといったようなマルチタスクが得意な調理師は、男性より女性に多いかもしれません。
一方、女性であるために苦労することもあります。
調理師は、大量の食材を運んだり重い鍋やフライパンを使ったりと、常に体力を必要とする仕事です。
また、調理から盛り付けまでのスピードが求められる現場では、高いところにある調理器具や食器にぱっと手が届かずもどかしい思いをすることもあります。
身体面では男性に及ばない女性がほとんどなので、体力勝負の調理師の仕事をつらいと感じる人は多いでしょう。
調理師の結婚後の働き方・雇用形態
ホテルやレストランは負担が大きい
ホテルやレストランの調理師の場合は、早朝勤務や深夜勤務の他、勤務時間、拘束時間が長いなど労働環境もあまり良くないことが多いです。
結婚後も調理師を続けるためには、パートナーとよく話し合う必要があるでしょう。
また、労働環境が整っていない職場では、子育てをしながら働き続けるのは時間的にも体力的にも難しく、正社員として働き続けるのは困難かもしれません。
実際に、ホテルやレストランに勤務する女性調理師の多くが子どもを持つタイミングで辞めてしまいます。
正社員、パート以外の道
調理師のなかには、結婚後に自宅で料理教室を開く、小料理屋や家庭料理屋を始めるといった人もいます。
こうした仕事は自宅を改装してもできるため、住宅街などではちらほらと見かけます。
また、訪問介護や家事代行サービスに登録して調理の腕を振る人もいます。
現代社会では食の担い手である調理師の活躍の場は数多くあります。
働く場所にさえこだわらなければ、子育てをしながら働ける場を見つけるのも難しくないでしょう。
20代で正社員への就職・転職
調理師は子育てしながら働ける?
子育てをしながら調理師を続けている人の大半は、負担の少ないパート勤務に切り替えています。
また、福祉施設や学校給食、企業内の食堂の調理師など、勤務時間が安定した職場の正社員に就く人もいます。
これらの職場は正社員でありながらも家庭に負担がかからないということで非常に人気の高い職場です。
パートタイムで勤務する場合の勤務先は、惣菜専門店、スーパーの厨房、カフェ、ランチタイムのある飲食店、老人福祉施設、給食サービス、弁当屋などです。
なかには早朝勤務が入る職場もありますが、全般的に食に関する仕事は比較的見つかりやすいという特徴があります。
女性にとって働きやすい職場は?
全国に数多くある飲食店のなかには、1日12時間を超える勤務を毎日続け、休日も週に1日とれるかどうか…といった非常に厳しい職場もあるのが実情です。
どれだけ料理への情熱があり、体力自慢の女性がいたとしても、プライベートをすっかり犠牲にして働き続けるのは、なかなか厳しいと感じるはずです。
また、結婚をしたり、育児をしたりしながら働くとなれば、より家庭と仕事をうまく両立できる勤務先を探す必要が出てきます。
比較的負担の少ない環境で調理師のスキルを生かしたいのであれば、労働時間が長くなりがちなレストランなどの飲食店よりも、福祉施設や学校の給食センター、あるいは企業内の食堂などに勤めるほうがよいでしょう。
正社員として働けば収入も安定します。
あるいは、パートで惣菜専門店、スーパーの厨房、弁当屋、カフェなどに勤めたり、独立して料理教室を開いたり、小料理屋を開業するような人もいます。
調理の腕がある人はさまざまな現場で重宝されるため、自分の希望する働き方で仕事を続けることもできるでしょう。