カメラマンとフォトグラファーの違い
カメラマンとフォトグラファーの仕事内容の違い
日本国内で写真撮影のプロとして仕事をしている人は、周囲に「カメラマン」と呼ばれることもあれば、自ら「フォトグラファー」と名乗っていることもあります。
どちらも似たような言葉に思えますが、これらに明確な違いはあるのでしょうか?
結論からいうと、この2つの言葉の使われ方は厳密に分けられていないことが多いようです。
ただし、海外(英語圏)では、「カメラマン」という呼称が勘違いの原因になってしまう可能性もあります。
英語圏では、写真撮影をする人は「photographer(フォトグラファー)」と呼ばれるのが一般的です。
英和辞書を引いてみると、「cameraman」の意味は「(映画・テレビの)撮影技師」と記載されている通り、海外で「カメラマン」というと、動画の撮影をする人だと思われる可能性が高いため、使い方には気をつけたほうがよいでしょう。
こうしたことから、日本でもテレビ番組やテレビCMを撮影する人は迷わず「カメラマン」と呼ばれるように、「カメラマン」は動画撮影も含めてカメラ全般を扱う人、それに対して「フォトグラファー」は写真オンリーの撮影を行う人という意味で使われている場合があります。
また、商業写真を撮る人をカメラマン、芸術写真を撮る人をフォトグラファーと呼ぶこともあります。
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カメラマンとフォトグラファーのなる方法・資格の違い
カメラマンとフォトグラファーになるための方法に違いはありません。
どちらも必須の学歴や資格が存在するわけではありませんし、実際にさまざまな道のりでカメラマンやフォトグラファーになっている人がいます。
多いのは、カメラや写真の専門学校やスクールに通ったり、大学の芸術系学部で写真を専攻し、カメラマンもしくはフォトグラファーとして就職をするケースです。
どのような場合でも、新人はアシスタントからスタートするのが一般的です。
カメラマンとフォトグラファーの資格・必要なスキルの違い
カメラマンとフォトグラファーに、必要な資格はありません。
写真館で働く人は「写真技能士」などの検定試験を持っていると有利になることがありますが、何の資格も持たずに活躍しているプロのカメラマンもしくはフォトグラファーも大勢います。
ただし、スキルとして、撮影の専門的な知識・技術は不可欠です。
さまざまな機能を持つカメラを使いこなす力や、撮影に大きな影響をおよぼす光の当て方、被写体を印象的に写すための構図や表現手法など、学ばなくてはならないことはたくさんあります。
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カメラマンとフォトグラファーの学校・学費の違い
カメラマンとフォトグラファーを目指す人の多くが、大学や専門学校などで写真を専門的に学んでいます。
大学であれば、4年制大学の芸術系学部に写真学科や写真コースが置かれている場合がありますし、世の中に数ある専門学校のなかにはカメラマンもしくはフォトグラファー志望者向けの学校も存在します。
専門学校は、どちらかというと就職を見据えた実践的なスキルを育成することを目指しており、商業写真を撮るカメラマンの志望者に向いているといえます。
一方、大学は写真論や写真の歴史などの講義も多く、広く写真や撮影の知識を深めていくことができ、将来的には芸術写真を撮るフォトグラファーになる人もいるようです。
学費は、専門学校であれば年間で120万円程度、大学になると年間で150万円~180万円程度必要になってくるでしょう。
カメラマンとフォトグラファーの給料・待遇の違い
カメラマンもフォトグラファーも、どのような場所で働き、どのような仕事をするのかによって、給料や待遇には違いが出てきます。
企業に勤めて正社員として働く場合は、毎月決まった給料が支払われます。
新人のうちは月収15万円~18万円程度が一般的ですが、アルバイトのアシスタントだと、そこまで稼げない場合もあります。
スキルや経験に応じて少しずつ給料はアップするでしょう。
ただし、この仕事はフリーランスで活動する人も多く、その場合は案件に応じて報酬を得ることになります。
月に数万円程度にしかならない人もあれば、年収数千万円以上もの大きな収入を手にしている人もいます。
なお、商業写真ではなく、芸術的な写真を撮り、個展などを開いて収入を得るフォトグラファーの場合、自らの知名度や個性、才能によって収入は大きく変動してくるでしょう。
カメラマンとフォトグラファーはどっちがおすすめ?
カメラマンとフォトグラファーは、基本的に同じ「撮影を専門にする人」という意味で使われることが多いため、どちらを目指してもたいして違いはないといえるでしょう。
しかし、自らをフォトグラファーと名乗る人は、やや作家性を重視しているケースがあります。
たとえば雑誌や広告に使われる「商業写真」に対して、芸術活動の一環で写真撮影をしている人を「フォトグラファー」と呼ぶ場合があります。
完全に商業写真を撮っていきたいのであれば、カメラマンというほうがわかりやすいかもしれませんが、こだわりを持ってフォトグラファーを目指していく人もいないわけではありません。