美容部員になるには
そのあとも厳しい研修があり、せっかく合格しても辞めてしまう人もいます。
この記事では、美容部員になるために必要なことを解説します。
化粧品メーカー等へ就職する
美容部員として働くためには、化粧品メーカー等の就職試験に合格することが最初のステップとなります。
百貨店や駅ビルの化粧品売り場やドラッグストアの美容部員の求人をチェックして、応募をしましょう。
入社後には、店舗で販売している商品に関しての知識を身につける社員研修に参加することが多いです。
こういった社内研修が充実している店舗では、募集の際に「未経験者でもOK」「メイクの専門学校を出ていなくてもOK」という形で募集をかけることもあります。
20代で正社員への就職・転職
美容部員の新人研修
美容部員として働くために、まず乗り越えなくてはならない壁が「研修」です。
化粧品メーカーに就職すると、ほぼ確実に新人研修が実施されます。
そこでは現場に出る前に、商品知識をはじめスキンケアやメイクの方法、そして接客などについてみっちりと指導を受けていくことになります。
未経験者でも美容部員としての仕事をスタートできますが、研修はハードな場合が多くなかにはそこで脱落してしまう人もいます。
新人研修の内容
新人研修は企業によって異なりますが、2週間程度から数ヵ月程度の時間をかけて行うところが多いです。
研修所などに新人が集められ、朝から夕方までひたすら研修を受けるのが一般的です。
化粧品メーカーには数多くの商品があり、それら一つひとつについて名称や成分・価格・特徴などをすべて頭に叩き込むだけでも大変なことですが、皮膚構造など専門性の高いことも学んでいきます。
さらに正しいスキンケアの方法や、メイクのテクニックも習得しなくてはなりません。
それまで自己流でやっていたメイクとはまったく違うやり方を指導され、戸惑う人も多いですが、美容部員が行うメイクは、肌をきれいに見せる」「年齢にふさわしいメイクをする」といったことを重視するため、流行のメイクとはまた違うテクニックを身に付けなくてはなりません。
このほか、接客のロールプレイングも実施され、美容部員として売上アップにつなげるために、トーク力やヒアリング力を高めることが求められます。
働きはじめてからも定期的に研修がある
美容部員の研修は、新人研修を終えてからも続きます。
新商品が出ることになれば、その商品に関するレクチャーが行われ、接客のロールプレイングも定期的に受けなくてはならないメーカーが多いです。
華やかに見える美容部員ですが、裏では勉強を続けなくてはならないという一面もあります。
なお、研修は外資系化粧品メーカーよりも、国内化粧品メーカーのほうが時間をかけて行われることが多いです。
美容部員になるための学校の種類
美容部員に関連する勉強ができる学校として、美容専門学校が挙げられます。
実際に、ヘアメイクの知識が学べる専門学校で勉強してから美容部員を目指す人も多いです。
こうした専門学校では、
- ヘアメイクの基本的なテクニック
- カラーコーディネートの知識
- 接客のノウハウ
まで、幅広く学べます。
美容部員になるためにはどんな学校にいけばいい? (専門学校・大学)
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美容部員に向いている人
- つねに美への探求心を持ち続けられる人
- 人との対話を大事にでき、相手が何を望んでいるのかを掴み取ることが得意な人
美容部員は、世の中の流行に敏感で、つねに美への探求心を持ち続けるられる人に向いている仕事です。
女性のファッションやヘアメイクの流行はめまぐるしく変化するものなので、トレンドをキャッチして仕事に生かしていく姿勢が不可欠です。
また、この仕事では単にメイクアップの技術があるだけではなく、お客さまとのコミュニケーションや、カウンセリングの時間が重要な要素となってきます。
人との対話を大事にでき、相手が何を望んでいるのかを掴み取ることが得意な人も、美容部員には向いています。
美容部員のキャリアプラン・キャリアパス
美容部員というと若い女性のイメージがありますが、ブランドや取り扱う化粧品により年相応の美容部員のニーズがあるため、現場で長く働くことは決して難しいことでありません。
もし年齢を重ねて店頭での勤務が難しくなっても、企業によっては本社での内勤の仕事に移ることも可能です。
美容部員を目指せる年齢は?
美容部員の求人では、「35歳まで」といったように年齢制限がなされていることが多いです。
それ以上の年齢の美容部員が活躍している企業でも、これから就職する人の場合、比較的低い年齢でしか採用試験を受験できないこともあります。
就職を希望する化粧品メーカーやブランドがある場合には、気をつけておいたほうがよいでしょう。
美容部員は高卒から目指せる?
美容部員という職業は、さほど学歴が重視されるものではありません。
応募条件が「学歴不問」となっていることも多く、中卒や高卒からでも美容部員として活躍することは十分に可能だといえます。
業務に不可欠な商品知識などは、仕事をスタートしてから身につけられるため、きちんと学ぶ気持ちさえがあれば、学歴は関係ないと考えている企業が多いです。
ただし、大手化粧品メーカーの美容部員の募集では、「高卒以上」あるいは「専門学校・短大卒以上」の学歴を求められることもあるため注意が必要です。
美容部員の資格・難易度
美容に携わる職業のなかには、「美容師」「理容師」のように専門学校を卒業して免許を取らなければ就くことのできない仕事もありますが、美容部員は特定の学校を卒業したり免許や資格を取得したりすることは必要ありません。
化粧品に関する知識や、メイクのテクニック、コミュニケーション能力があれば、誰でも美容部員になることが可能です。
しかし、実際には美容部員のメイクのテクニックは、顧客数や売り上げに直結するほど重要なものなので、高い能力が求められます。
美容部員におすすめの資格
学歴と同じように、資格取得も必須ではありませんが、意欲的にみせるためのアピールに有効的です。
- 美容師免許
- メイクアップ技術検定試験
- IBF国際メイクアップアーティスト試験
- 日本化粧品検定
美容師免許
美容師免許は美容専門学校などを修了し、国家試験に合格した人が取得できます。
美容専門学校ではメイクの授業もあり、まつ毛パーマやまつ毛エクステの施術には美容師免許が必要であることから、美容師免許は化粧品との関わりが密接な資格といえます。
取得すればより仕事の幅が広がるといえるでしょう。
メイクアップ技術検定試験
もともとはメイクアップアーティストのための資格で、「メイクアップアーティストを広く一般的に職業として認知させると同時に、この基本技術と理念を日本の市場に浸透させる」という理念の下に設立された、社団法人JMAが認定しています。
レベルは上から1級・2級・3級・4級の4段階となっており、3級以上では実技試験も実施されます。
メイクアップについて学べるスクールでは、この検定試験への合格を目指したカリキュラムが組まれている講座もあります。
IBF国際メイクアップアーティスト試験
IBF(国際美容連盟)が認定する試験です。
試験を受けるには、IBFの認定校を修了している必要がありますが、認定校で美容について学んでいれば比較的簡単に受験できます。
筆記・実技両方行われますが、在宅でも試験の受験が可能となっています。
日本化粧品検定
化粧品と美容に関する知識の向上を目指した検定で、専門的な化粧品や美容の知識を学べます。
受験者の半数以上は化粧品・美容関連業界で占めており、化粧品のプロフェッショナルとして、仕事に直結した資格として支持されています。
この資格は、学校へ行かなくても独学・通信講座などの受講で勉強することが可能です。
また、この検定を受験し一級に合格し、日本化粧品検定協会へ入会しコスメコンシェルジュ研修プログラムを受講することで、コスメコンシェルジュという上位資格を得れます。
さまざまな人の肌の悩みに対し、最適な化粧品をセレクト・アドバイスできるプロフェッショナル認定する資格です。
美容部員の求人
化粧品メーカー
特定の化粧品メーカーに就職する場合は、大手の化粧品メーカーが、自社製品を扱うスペシャリストを育てるために求人を募集します。
採用されれば、自社メーカーの商品を扱う売り場に派遣されて、店頭に立って販売に携わります。
こうした場合は、自社の化粧品メーカーのPR・販売をすればいいので、自社製品の知識の習得やメイクのテクニック磨きに力を入れやすいという一方、店舗間の異動があるためスタッフやお客さまとの人間関係の構築に苦労する場合もあります。
特定の店舗の社員
百貨店や駅ビルやドラッグストアなど特定の店舗に就職する場合、あくまでも「化粧品売り場の担当」というスタンスなので、特定の化粧品メーカーを担当するのではなく、さまざまな化粧品メーカーの商品を平等に販売します。
扱う化粧品の種類が多いので商品を覚えるのに苦労する一方で、お客さまのニーズに合わせてさまざまな選択肢のなかから商品を提案できるというメリットがあります。
美容部員の雇用形態
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- アルバイト・パート
化粧品メーカーに採用される場合も、特定の店舗に採用される場合も、雇用形態はさまざまです。
正社員になれる人は少数で、契約社員やアルバイトでの採用が多いのが一般的です。
ですが、契約社員やアルバイトでも、顧客が多さや売り上げに大きく貢献していることが認められて正社員に雇用されることもあります。
正社員の美容部員
国内の大手化粧品メーカーのなかには、正社員の新卒採用を実施しているところもあります。
学歴は「専門学校卒」や「短大卒」以上を求められることも多いですが、「高卒」であっても受けられるところもあり、新卒採用であれば専門知識やスキルは問われないことが多いため、早くから美容部員を目指し、学校を出てすぐに美容部員になりたいという人にはこのルートをたどるとよいでしょう。
大手化粧品メーカーの直営店や販売店が全国に多数あるため、美容部員の採用人数も比較的多くなりますが、化粧品メーカーでの正社員採用は少なく、狭き門となることは覚悟しておきましょう。
契約社員の美容部員
美容部員は、契約社員が多い職業です。
この仕事は華やかなイメージと裏腹に、立ち仕事であることやノルマの存在など厳しい面も多々あり、そのギャップにとまどって早くに離職してしまう人もいます。
せっかく正社員として採用しても、すぐに辞められてしまっては企業側にとっては痛手となるため、まずは契約社員として採用し適性を見るという考えをとる企業が増えており、とくに外資系化粧品メーカーは契約社員の採用が非常に多い傾向にあります。
契約社員の特徴
契約社員は正社員よりも給与水準がやや低めとなっていますが、企業によってはボーナスが支給されることもあり、正社員とほぼ同等の待遇で働けることもあります。
そのほか、契約社員の場合は勤務エリアが限定されており、転勤や異動の必要がなかったり、残業もしなくてよかったりなど待遇面では正社員と差がある場合もあります。
正社員への登用
契約社員は雇用期間が定められているため、正社員に比べて将来の不安を感じやすい雇用形態といえますが、「契約社員は正社員登用の前提」と考えている企業も多く、きちんと仕事をして実績を残していくことで、正社員への切り替えのチャンスが得られます。
化粧品メーカーによっては「全員契約社員からのスタート」としていることもありますが、その場合はたいてい、一定期間がすぎると正社員になることが可能です。
この「一定期間」というのはまちまちですが、契約社員でも社内試験を受けて合格することで正社員になれるケースもあり、さらなるキャリアアップを実現できます。
派遣の美容部員
メーカーに就職する方法だけではなく、派遣会社から化粧品メーカーに派遣されるというルートでも、働くことはできます。
派遣の美容部員の勤務先は、
- 全国の百貨店
- 大手ショッピングセンター
- ドラッグストア
- 専門店などの化粧品カウンター
などさまざまです。
メーカーの制服を着て、カウンセリングやメイクアップサービスをしながら化粧品の販売をするという仕事内容は、メーカーの正社員と変わりません。
派遣の業務内容の実態
美容部員の経験ある人が派遣先で働く場合、美容部員としての基礎はできているという前提でみられます。
そのため、メーカー本社での研修はそのブランドに特化したものとなり、研修終了後はすぐに店頭で勤務します。
しかし、美容部員の経験がない、あるいは浅い場合には基本的に即戦力として働けないため、通常の派遣社員ではなく「紹介予定派遣」での採用がメインになり、おおよそ6ヵ月後に、契約社員へ転籍することが前提になります。
研修では数日かけて基礎的な商品の知識からメイクアップの技術、接客マナーなどを幅広く習得します。
派遣のメリット・デメリット
派遣のメリットは、時給で1,000円から1,500円程度と、メーカーの正社員に比べて給料が高く、入社数年目の社員と同等の時給を最初から手に入れられることです。
また、契約を延長しなければ自分のタイミングで辞められ、再雇用も問題ありません。
契約内容によっては週に数日だけ、あるいは短時間だけ働くことも可能で、残業はそれほど多くないため、自分の都合に合わせて働けます。
派遣のデメリットは昇格がなく、いつ契約を切られるかわからないという不安がつねにつきまとうことです。
長年勤めていても昇給がないことも多く、正社員なら当たり前の退職金・賞与・有給休暇・各種手当・雇用保険・厚生年金・社会保険などの制度がありません。
ただし派遣会社によっては、有給休暇や社会保険などを設けているところもあります。
アルバイト・パートの美容部員
アルバイトだからといって他の社員とかわらない仕事内容です。
お客さまの化粧品選びを手伝ったり、レジ打ちや在庫確認・棚の陳列を行います。
たとえアルバイトであってもお客さまの前に立つ以上、「その店の顔」として、責任を持って仕事に取り組むことが求められます。
アルバイトの待遇
アルバイトの場合はシフト制で勤務することが多く、社員の指示のもとで働くことになります。
それぞれの店舗の開業時間に合わせて、早番や遅番などを組み合わせて対応しています。
給与については、勤務する地域や店舗によって時給は大きく異なりますが、平均して850円から1,200円程度が一般的です。
アルバイトの美容部員のメリット
アルバイトの美容部員となった場合、労働時間は1日数時間からOKで、勤務も「平日だけ」「休日だけ」と臨機応変に対応してもらえることが多いです。
また、「お客さまが多い午後の時間帯だけ」「クリスマスや正月などの忙しい時期だけ」という勤務が可能なこともあります。
こうしたことからアルバイトの美容部員は家庭との両立をはかりながら、好きな化粧品やメイクの仕事に携われるため既婚女性にとくに人気があります。
アルバイトから社員を目指す
アルバイトとして働き実力が認められると、正社員や契約社員への道がひらける可能性もあります。
美容部員は、個人でどれだけ顧客をつかめるか、商品の売り上げに貢献できるかが非常に大切です。
学歴や経験値よりも人柄やコミュニケーション力、センスがものをいう仕事で、実力のある人はお店からも重宝され、収入や待遇アップにつながります。
アルバイトで経験を積むことで、社員になるための社内試験を受けられる会社も少なくありません。
外資系メーカーは中途採用が基本
外資系の化粧品メーカーの場合「即戦力」になれる人を求める傾向が強いことから、大手でも中途採用が中心となっています。
契約社員からスタートすることも多いですが、外資系は国内メーカーよりも給与がよい場合があり、売上に応じたインセンティブの割合が多めに設定される企業もあります。
こうしたことから、契約社員でも国内メーカーの正社員以上の収入を得ている人はいます。
正社員以外の雇用形態からのステップアップ
正社員の求人がない場合、別の雇用形態から美容部員となり、経験を積んでステップアップを目指すルートも考えられます。
メーカーによっては、全員契約社員からスタートする形をとっているところもあり、その場合、経験や実力に応じて正社員に登用されることがあります。
また、どのような雇用形態で働いていたとしても、美容部員としてのキャリアはその後の転職活動にも生かすことが可能です。
美容部員の中途採用は比較的多く行われているため、よりよい条件で働ける職場への転職を目指してもよいでしょう。
美容部員の求人・採用状況
美容部員の就職先の選び方
美容部員の働き方は大きく分けると、
- 特定の化粧品メーカーに就職する
- 百貨店や駅ビルやドラッグストアのような特定の店舗に就職する
といった2種類に分かれます。
特定の化粧品メーカーに勤める場合は、自社ブランドの化粧品のみを扱うため、専門性は高まるものの他社の化粧品を扱うことはできません。
店舗に就職する場合は、さまざまな化粧品メーカーの化粧品を扱うため、自由度は高くなりますが、その分幅広い商品知識が必要です。
自分がどのような職場で働きたいのか、どのような働き方をしたいのかを考えた上で就職先を選ぶとよいでしょう。
美容部員の志望動機・面接
美容部員を目指す人のほとんどが、「自分自身メイクや化粧品が大好き」という思いを持っています。
ただし、美容部員の仕事はあくまでも「化粧品販売のスペシャリスト」であるため、お客さまに対するカウンセリング技術や高度なサービスのスキルも求められます。
化粧品が好きなことは大前提として、人と接することが好きだったり、人にアドバイスをすることに喜びを感じられたりするような人が、美容部員になるケースが多いです。
就職先の探し方
美容部員専門の求人サイト
美容部員の求人は、
- 一般の求人サイトやハローワーク
- 化粧品メーカーのホームページ
などで探せます。
近年では、インターネット上に美容部員に特化した求人広告を集めたサイトなどもあります。
美容部員としての就職をめざす人は、こういったサイトを活用するのも一つの方法です。
さまざまな名称で求人を探す
美容部員という名称は、美容に携わる人という意味で広く用いられていますが、資格や免許が必要な職業ではないためこの名称に関してもとくに厳しい規定があるわけではありません。
メーカーや店舗によっては
- ビューティーアドバイザー
- ビューティーカウンセラー
- ビューティーコンサルタント
などという名称で求人募集を出しています。
肩書きは変わっても仕事内容はほぼ同じため、さまざまな名称で求人を探すとより選択の幅が広がるでしょう。
美容部員になるにはのまとめ
美容部員は学歴や資格が必要ない職業です。
化粧品に関する知識・メイクのテクニック・コミュニケーション能力が求められます。
そのため、つねに美への探求心があり、お客様を尊重できる人に向いてます。
就職試験に合格したあとの新人研修で辞めてしまう人もいますが、美容部員のメイクのテクニックは重要で、研修は定期的に行われます。
また、様々な年齢の美容部員のニーズがあるため、現場で長く働くことは決して難しいことでありません。
ただし、美容部員の求人では年齢制限がなされることも多く、就職を希望する際には注意が必要です。