アートディレクターの年収はいくら? 給料についてくわしく解説

アートディレクターの平均年収・給料の統計データ

アートディレクターは、グラフィックデザイナーなどのクリエイターをまとめる立場であり、長年の実務経験が求められることから、クリエイターの中では比較的高収入だとされています。

ただし、年収や給料は勤務先となる会社の規模や経営状況によって異なり、なおかつ各個人のスキルや経験によっても大きく差が出ます。

実力をつけたアートディレクターは、独立してフリーランスになったり会社を立ち上げたりして、多くの収入を手にする人もいます。

アートディレクターの平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
アートディレクター
(Indeed)
498万円 時給 1,996円
月収 33.1万円
アートディレクター
(求人ボックス)
474万円(正社員) 派遣社員平均時給 1,653円
アルバイト・パート平均時給 1,003円
アートディレクター
(転職ステーション)
455万円
アートディレクター
(転職会議)
449万円 20代前半:412万円
20代後半:397万円
30代:454万円
40代以上:494万円
クリエイティブディレクター/アートディレクター
(DODA)
465万円 男性:498万円
女性:408万円
20代:373万円
30代:480万円
40代:577万円
50代~:623万円
生涯賃金: 2億3521万円
アートディレクター
(給料バンク)
394万円~517万円 平均給料:32万円
20代の給料:23万円
30代の給料:32.5万円
40代の給料:41万円
初任給:24万円

各社の統計データをまとめると、アートディレクターの平均年収は450万円程度と推定されます。

40代以上になると平均年収は500万円ほどに到達する人が多いようです。

アートディレクターは専門職かつマネジメントや管理業務にも携わるため、広告・クリエイティブ系の職種のなかでは、比較的高めの給与水準となっていることがうかがえます。

アートディレクターの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データを基に算出すると、アートディレクターの平均年収は450万円前後、月額の給料は28~35万円程度になると思われます。

ボーナスは年に2回、それぞれ給料の2ヵ月分が支給されるとなると、ボーナスの額は年間で110万円ほどと推定されます。

そこから所得税や住民税、社会保険料などを差し引くと、月々の手取りは27万円程度、根ボーナスの手取りは年間で90万円程度となるでしょう。

しかし、中小規模の広告代理店や制作会社では、必ずしもボーナスが支給されるとは限りません。

また実際の支給額は、会社の業績や個人成績に連動するケースが多いようです。

アートディレクターの初任給はどれくらい?

アートディレクターは新卒や未経験でなるケースがほとんどありません。

たいていはグラフィックデザイナーとして実務経験を積んでいる人がなるため、純粋な初任給を出すのは難しいところがあります。

グラフィックデザイナーの場合、新卒正社員の初任給は月給20万円~25万円程度が一般的とされ、他の業種・職種で働く社員の初任給と大差はありません。

毎月の給料と同様に、初任給の水準も勤務先企業の規模が大きくなるほど高めとなっています。

アートディレクターになったばかりのときの給料は、それまでの個々の実績や能力によって決められることが多くなっています。

アートディレクターの福利厚生の特徴は?

アートディレクターの勤務先は、大まかに大手広告代理店と、中小規模の広告代理店や制作会社に分けられます。

大手広告代理店は給与水準だけでなく、福利厚生も充実している企業が目立ちます。

たとえば社会保険は完備、交通費全額支給、定期健診や人間ドッグの受診、また育児・介護支援に関する制度、財形貯蓄制度などは多くの企業で設定されています。

広告業界は多忙であるため、定期的なストレスチェックやメンタルヘルスに関する取り組みに力を入れている企業も多いようです。

このほか、自身や家族の誕生日に休暇を取れる制度、おしゃれな社員食堂の充実、リモートワーク制度など、ユニークな福利厚生を用意する企業が増えています。

中小規模の場合、大手並みの充実した福利厚生がある企業がある一方、社会保険など最低限のものしか用意されていない企業もあります。

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アートディレクターの給料・年収の特徴

クリエイティブ職のなかでは給与水準が高め

アートディレクターの給料は、勤務する会社の規模や経営状況によって異なり、なおかつ各個人のスキルや経験によっても大きく差が出ます。

たとえば、大手広告代理店に属するアートディレクターであれば、年収は1000万円を超えることも夢の話ではありません。

アートディレクターはグラフィックデザイナーなどのクリエイターをまとめる立場であり、長年の実務経験や成果が認められないと務まらない職種です。

そのためプロジェクト全体のリーダーとなる「クリエイティブディレクター」と同様に、広告業界のクリエイターのなかでは比較的高収入です。

チームを成功に導けるかが重視される

会社の規模による格差を除けば、実力主義の広告業界ですから、仕事ができる人ほど評価され、総じて高収入であるといえるでしょう。

アートディレクターの場合、「仕事ができる」とは、個人のクリエイターとしての技量やセンス以上に、チームとして成果を出していけることを意味します。

アートディレクターはチームをまとめ上げ、プロジェクトを成功に導かなくてはならないからです。

クライアントの思惑をクリエイティブに落とし込み、それぞれのクリエイターに的確に指示を出し、修正を繰り返しながら1つの作品にまとめ上げること。

そして、自身の手掛けた制作物でクライアントが満足すること。

これこそ、アートディレクターの技量が問われる部分です。

すぐれたアートディレクターとして認められると、より大きなプロジェクトに関われるようになりますし、給料もアップしていきます。

アートディレクターの勤務先別の給料・年収

大手広告代理店

大手広告代理店勤務のアートディレクターの給料は、一般的な会社員の平均年収よりもだいぶ高めとなっています。

ある程度の経験を積むと、年収が1,000万円を超えることも不可能ではありません。

ただし、広告業界は個々の実力や成果が厳しく評価される傾向にあり、アートディレクターとしてすぐれた手腕を発揮できないと、あまり給料が伸びない場合もあります。

とはいえ、大手企業になればなるほど、安定した給料や待遇の下で働けると考えておいてよいでしょう。

中小広告代理店・制作会社

中小規模の広告代理店や制作会社も数多くあります。

そのような企業で働くアートディレクターの給料は幅が出やすく、400万円程度~800万円程度がボリュームゾーンとなっているようです。

中小規模の広告代理店や制作会社のなかには、比較的歴史が新しい企業も存在します。

そういった企業では年功序列ではなく、実績や能力次第で早いうちに大幅な収入アップにつながる可能性もあります。

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アートディレクターが所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
電通グループ 1160万円 40.9歳
博報堂DYホールディングス 1064万円 43.4歳
サイバーエージェント 680万円 32.6歳

出典:有価証券報告書(2020年5月)

電通グループの平均年収

広告業界トップに位置する電通グループの平均年収は、40.9歳で1160万円です。

従業員数が多く、上記の平均年収はさまざまな職種に就く人を合わせた数字ではありますが、アートディレクターとしてもかなりの高収入が期待できるでしょう。

博報堂DYホールディングスの平均年収

博報堂DYホールディングスの平均年収は、43.4歳で1064万円です。

電通グループより若干低くなるものの、それでも平均値が年収1000万円を超えるという高い数字になっています。

サイバーエージェントの平均年収

インターネット広告業界で成長してきたサイバーエージェントの平均年収は、32.6歳で680万円です。

他の2社に比べると平均年齢が若く、早いうちから第一線でバリバリと活躍している人が多いことが伺えます。

比較的歴史の新しい企業では実力主義を重視しているところも多く、成果を出していけばさらに収入を伸ばしやすくなっています。

アートディレクターの正社員以外の給料・年収

アートディレクターは、広告代理店などに会社員として勤務するほか、独立して働くこともできます。

独立すれば、自分の裁量で仕事がしやすくなるメリットはあるものの、必ずしも大きく稼げるとは限りません。

独立した場合、フリーランスとして完全に個人で活動するケースもあれば、自分で会社や事務所を立ち上げて経営していくケースもあります。

いずれにしても、アートディレクターの仕事は、自分一人だけでプロジェクトが完結するわけではなく、複数のクリエイター仲間がいてこそ成り立つものです。

独立してクリエイターに仕事をふるとなると、会社員時代以上のコミュニケーション能力や、管理能力が必要になります。

また、会社を立ち上げるにあたっても、経営の勉強や人脈作りにそれなりの時間がかかるでしょう。

大変なことは多々ありますが、人脈が確保でき、仕事が軌道にのれば会社員時代の10倍、20倍の収入になる可能性もあり得るのが独立の道です。

アートディレクターが収入を上げるためには?

業界で有名になったアートディレクターは、クライアントからの期待が高く、次々とビッグプロジェクトに関わっていくことができます。

この職業では、実力や知名度に応じて収入アップする傾向があるため、名を残していくほど多くの収入が得られるようになります。

しかし、誰しもが最初から有名なわけではありません。

アートディレクターになるには、まずグラフィックデザイナーとして実力をしっかりと身につけていく必要があります。

競争が厳しい世界ではありますが、普段から自分の知識・スキルを磨き続け、チャンスを確実にものにしていく姿勢が問われます。

クリエイティブディレクター・アートディレクターの年代別年収

クリエイティブディレクター・アートディレクター年代別年収_令1

出所:転職サービス doda