アートディレクターの需要、現状と将来性

アートディレクターの現状

日本の広告業界市場は2010年以降、右肩上がりの傾向にありましたが、2016年以降は緩やかに減少傾向にあります。

経済産業省の発表では、2019年における広告業界の売上高は5兆9,106億円で、前年比0.7%減となっています。

しかし、広告業界のなかでも2012年以降急速に伸びを見せているのが、インターネット広告です。

一方、テレビ、新聞、雑誌、ラジオの既存4媒体の広告売上高は年々減少もしくは伸び悩みを見せています。

いまやテレビに次ぐ第2位の広告媒体に成長したインターネット広告は、今後もさらに伸びていくことが予想されます。

また近年、注目を集めているのがDMや店頭POPなどのセールスプロモーションツールです。

多くの人に一様にアプローチする広告媒体に比べ、多様化する消費者のニーズをとらえた個々へのアプローチが可能であるとして、より効果的なツールの開発や掲載内容の必要性が高まっています。

さらに、セールスプロモーションとインターネット、モバイルサイトとの連携も顕著になってきているのが、近年の広告市場の特徴です。

このように、アートディレクターをとりまく広告業界は、ここ10年ほどで大きく変わっています。

アートディレクターの需要

近年の広告市場における動向を受け、広告主企業からもセールスプロモーションやインターネット広告の依頼が増えてきました。

かつての「話題性」や「イメージアップ」を狙った広告より、「売れる」「流行る」をキーワードとした直接購入や、来客につながるアプローチが求められています。

当然、制作の指揮を取るアートディレクターにも、こうした媒体やアプローチ方法へのノウハウが必要になります。

現在はインターネット広告系の企業での求人が多く出ていますが、アートディレクターになるには、グラフィックデザイナーなどとしての経験を積まなくてはなりません。

未経験者が簡単にできる仕事ではないからこそ、自身のキャリアパスをよく見据えて就職先を考えていく必要があります。

アートディレクターの将来性

現在のアートディレクターには、ただ専門的知識があるだけでなく、他社とは差別化されたオリジナリティの高い表現やアイディア、コンセプトを提案する力が求められています。

加えて、クライアントのニーズに応える制作物をつくり上げるためには、自分が束ねるクリエイターたちに対しても統率力を発揮し、同様の知識や能力を蓄えてもらう必要があります。

今後、ますます高度化、専門化、先端化することが予想できる広告市場では、よりハイレベルな管理能力を持ったアートディレクターの必要性が高まっていくでしょう。

アートディレクターの今後の活躍の場

アートディレクターは、広告制作におけるビジュアル面の責任者としての役割を担うだけでなく、自らすぐれたデザインを生み出したり、クライアントのブランディングにも深く関わったりすることがあります。

基本的には広告代理店やデザイン系の制作会社に勤務しますが、映像やWebサイト、ゲーム関連の分野で力を発揮することも可能です。

自身の専門性を高め、幅広い知識とスキルを身につけていくかが活躍の場を広げることにつながります。

会社にしばられることなく自分の力をそのまま発揮したいのであれば、独立して働くことも可能です。

実力さえあれば、海外で世界のトレンドを生み出すこともでき、可能性はいくらでも広がっています。