女性のアニメーターのキャリアパス・結婚後の生活

女性のアニメーターの現状

2019年のNHK「朝の連続テレビ小説」に日本の女性アニメーターのパイオニアと呼ばれる奥山玲子さんをモデルにした登場人物が主人公となったことで一躍女性アニメーターの存在が世に知られることになりました。

かつて女性アニメーターは原画マンに昇格できなかったり、結婚後の勤務を認められなかったりという厳しい状況に置かれていましたが、奥山さんが結婚出産後も仕事を続けたり、女性として作画監督を務めたりしたことで、女性アニメーターの活躍の道が開けていったといわれています。

女性アニメーターに対してはこうした厳しい状況はいまも変わらない部分もありますが、現場で働く女性は増え続けており、今後はアニメーターを目指す女性もより増えてくると考えられています。

女性のアニメーターの強み・弱み

女性のアニメーターの強み

近年、アニメーションは子どものものだけでなく大人でも楽しめるものと認識されつつあり、クオリティの高いアニメは世界に発信できる日本のコンテンツとなっています。

アニメーションの内容としても世界に通用するもの、多様性のあるものが求められているため、男性の視点だけではなく女性の視点を取り入れたものや女性ならではの感性を生かした作品づくりは必須です。

また、女性向けのアニメや子ども向けのアニメを作る際には同性からのアイデアや母親としての意見を取り入れることは非常に大切なポイントとなるでしょう。

女性アニメーターの弱み

女性アニメーターのみならず、この仕事をする上で一番のネックとなるのは収入面といえます。

歩合制が基本のアニメーターは、仕事をすればするほど収入も増えます。

ただし、徹夜をするなどをして相当頑張ったとしても20代のうちは年収200万円に満たない人が多く、そのような状態では自分一人が生活していくだけでも苦労するでしょう。

日本アニメーター演出協会の調査では、女性アニメーターは20代以下だと多いものの、30代以降はぐっと減ることがわかっています。

結婚したり子どもを養うとなれば、ある程度経験を積んでお金にも余裕ができてからでないと厳しいと考える人が多く、アニメーターを辞めてしまったり転職してしまったりする人も多いようです。

アニメーターの結婚後の働き方・雇用形態

アニメーターは決して稼げる仕事ではありませんので、それなりの厳しさは覚悟する必要があるといえますが、社員として安定した働き方ができる職場がまったくないわけではありません。

たとえば「スタジオジブリ」では、基本的に正社員もしくは契約社員の採用を行うことで知られています。

またアニメーターはフリーランスで働く人が多い仕事で、フリーランスの場合は毎日決まった時間に出社しなくてはならないわけではありません。

自宅で子育ての合間を見て作業をするなど、プライベートとも両立することが可能でしょう。

アニメーターは子育てしながら働ける?

子どもを持ちながらもアニメーターの仕事を続けたい人は多くいます。

しかし、現在のアニメ業界ではパートタイムなど短時間で働いたり、会社内に託児所を作ったりして一般の企業のように働きやすい環境を整えているところはほんの一部です。

アニメーターをしながら子育てをするには家族などのサポートが必須で、まだまだ育児をする女性にとって安心して働ける環境とはいいがたいのが現実です。

アニメーターは女性が一生働ける仕事?

アニメ業界はここ数十年で急成長した業界であり、女性アニメーターが定年まで勤めたり年齢を重ねてキャリアアップしたりするといったようなロールモデルはまだ非常に少なくなっています。

そのため、女性が一生働けるかどうかを判断するのは、この先のアニメ業界にかかっているといえるでしょう。

アニメ業界の劣悪な労働環境は社会問題化しているため、これが改善されていくとともに女性アニメーターもさらに活躍していくと考えられるでしょう。