JICA職員の現状と将来性

財政難と震災で細るODA

開発途上国援助を目的として歳出されるODA(政府開発援助)ですが、日本の経済不況が固定化すると共に、年々削られる傾向にあります。

とくに2011年の東日本大震災以降は、被災地復興支援に当てられる予算が優先される現状もあり、ODAに対する世間一般の目は厳しくなっています。

国内の被災地の復興も不十分なのに、他国に税金を使用するのはおかしいのでは、という考え方が強まっているためです。

このような情勢の中でJICA職員は、予算の使い道を明確にし、無駄の出ないプロジェクト運営を求められています。

支援プロジェクトの現状と将来性

JICAの開発途上国支援プロジェクトは、インフラ整備や人材開発など、支援対象国の公共の利益に重点を置いています。

しかし予算縮小に伴い、インパクトの大きいプロジェクトの量産が難しくなっているのが現状です。

そこで今後の展開として、製造・市場の両面で開発途上国への進出が著しい民間企業との連携を深めていくことが考えられます。

そうなると、「日本という国にとっての利益」「支援対象国の利益」「JICAに協賛する民間企業の利益」という3方への目配りが必要になり、プロジェクト運営は複雑性を増していくといえるでしょう。

JICA職員という職業の将来は

こうした変化の中で、JICA職員の雇用形態にも変化が起きる可能性があります。

現在、JICAには約1800名の職員が在籍していますが、プロジェクト数の現象や規模縮減により、採用人数、ひいては職員数が減っていくことは十分に考えられます。

また、外部専門家へのアウトソース、非正規職員の増加など、現在民間企業が押し進めている同じ道をたどることになるのかもしれません。

しかしJICA職員は、強い意志と体力、知力、精神力が求められる職業のため、給与や手当などの金銭的な面での待遇に大きな変化は起きにくいのでは、とも考えられます。