トリマーになるためにはどんな練習をする? 必要な道具は?
トリマーになるための練習
トリマーになるための練習に必要なことは、大きく分けて「道具を適切に扱う」「保定」の2つです。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
道具を適切に扱う
トリマーの技術として、最初に習得すべきは道具の適切な扱い方です。
トリマーが扱うハサミやバリカンは、使い方を間違えると犬に大怪我を負わせてしまう恐れのある危険なものばかり。
ハサミ一つとってもその種類は数え切れないほどあり、大きさや重さ、切れ味もさまざまです。
たとえばメインで使用するカットバサミは切れ味が非常によいため、一般的にはデリケートな部分には使用しません。
このように、それぞれの箇所に応じた道具を選ぶ技術、使う技術はトリマーに不可欠であるといえるでしょう。
保定
トリミングの際、犬が暴れないようにうまく押さえることを「保定」といいます。
保定を確実に習得しない限り、トリミングすることはできないといっても過言ではありません。
適切な保定ができると犬が怪我をすることを防げ、美しいスタイルを作ることが可能になります。
不十分な保定では犬が動いてしまい、毛の長さが均一にはなりません。
安全で美しいトリミングには正しい保定が不可欠で、そこから生み出されるスタイリングはトリマーの技術力の証明です。
練習は実践で身につける
上記の2つは実際に犬に触れ、トリミングを行うことで身につきます。
専門学校に進学すれば、十分な実習時間が取られるため技術の習得の助けになるでしょう。
一方、独学や通信講座の場合は、自身で実践の場を見つける必要があります。
最も手軽なのは実際に犬を飼うことで、とくに保定の習得に関しては、かなり効果を発揮するでしょう。
そのほかペットショップやペットホテルなどで、アルバイトをする方法もあります。
とにかく実際に犬に触れる機会を多く作らなければ、トリマー技術の習得は困難です。
練習時には目標を高くもつことも大切です。
現在はトリミングに使用するハサミやバリカンは家庭用のものも多く市販されていて、一般の方が自分でトリミングしてもそれなりに仕上がってしまいます。
そのようななか、トリマーはプロとして家庭でのトリミングの仕上がりとは差をつけなければいけません。
大切なポイントは、「スタイルが長く維持される」「常にトレンドに合わせたスタイリングができる」「施術時間が短時間」「お客さまの希望を聞きながら適切な提案ができる」「皮膚トラブルなどを早期発見できる」などです。
プロとして目標を高く持ち、鍛錬に励むことで技術力の高いトリマーになれるでしょう。
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トリマーに必要な道具
トリマーに必要な道具はたくさんありますが、ここでは「ハサミ」「バリカン」「エプロン」をご紹介します。
ハサミ
ハサミは用途に応じて使い分けることが大切です。
犬の種類によって毛の長さや毛質が異なり、お客さまの希望によっても使い分けなければいけません。
基本的には「刈り込みバサミ」「カットバサミ」「ボブバサミ」「すきバサミ」の4種類を揃えておくとよいでしょう。
刈り込みバサミは、はじめにいらない毛を大まかにカットするために使います。
カットバサミは尻尾、耳の毛などを揃えたり、ボディラインの仕上げなどメインで使用するものです。
切れ味がよいためデリケートな部位のカットには、不向きです。
ボブバサミはトリミングのハサミの中で1番小さく安全性が高いので、足先や耳、ヒゲなど細かい部分をカットに、すきバサミは毛量を調整し、自然な仕上がりにするために使います。
どのハサミも実際に手に取り、自分に合ったものを見つけましょう。
またお手入れ用品の「やわらかい布」「ブラシ」「アルコール綿」「ミシン油」など、保管や携帯のためのケースも必要になるので用意しておくのがおすすめです。
バリカン
バリカンはクリッパーとも呼ばれ、毛を短く刈り上げるときに使うものです。
電動が主流ですが、振動や音を怖がる犬には手動のものを使用します。
足の裏や肛門周り、お腹など毛を短く均一に仕上げたい箇所に使用することが多いです。
犬の皮膚は箇所によって非常にやわらかい部分があるため、犬用のバリカンは人間用のものに比べて刃が細かくなっています。
替刃は1mm~16mmまであり、仕上げたい長さによって使い分けます。
エプロン
トリマーは仕事中にエプロンを着用するのが一般的で、大事な道具の一つです。
トリマーエプロンの特徴は、「防水加工」と「繊維が高密度」であること。
シャンプーの際の水はねは避けられないため、防水でないと服が濡れてしまいます。
また繊維が高密度な理由は、カットした細かな毛が貫通しないようにするためです。
エプロンにはシザーケースとして使える大きなポケットや、ドライヤーを固定するためのベルトなどスムーズなトリミングを助ける機能がついたものなどがあります。
自分にとって使い勝手のよいエプロンを選ぶとよいでしょう。