ツアーコンダクターになるには

ツアーコンダクターになるまでの道のり

ツアーコンダクターになるには、大きく分けて2つの方法があります。

ひとつは旅行会社に就職すること、もうひとつはツアーコンダクター専門の派遣会社に登録することです。

いずれの場合でも、入社・登録後には、まず研修を受けて旅程管理主任者の資格取得を目指します。

資格取得後、本格的にツアーコンダクターデビューとなります。

最初は国内、中でも近場の短時間のツアー添乗からはじめ、少しずつ実績を積んで長めのツアーを担当していく流れとなります。

海外ツアーの添乗には語学力と、より高い問題解決能力が必要になりますから、ある程度業務になれ、経験を積んでから任されることが多いようです。

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ツアーコンダクターの資格・難易度

旅程管理主任者資格とは

ツアーコンダクターとして旅行会社が企画するツアーや団体旅行に同行する場合は、「旅程管理主任者」という資格が必要となります。

旅程管理主任者は、国内旅行のみ添乗できる「国内旅程管理主任者」と、国内に加え海外旅行の添乗も可能な「総合旅程管理主任者」の2種類があります。

いずれの資格も、旅行会社等へ就職する時点で必須とされるものではありません。

ただし、旅程管理主任者資格を持っていない人が一人で添乗業務を行うことは旅行業法で禁止されています。

そのため、ほとんどのツアーコンダクターは旅行会社に就職したり、派遣会社にツアーコンダクターとして登録したのちに、この資格取得を目指すことになります。

なお、似たような資格で「旅行業務取扱管理者」がありますが、こちらは国家資格である「旅行業務取扱管理者試験」にさえ合格すればすぐ資格が取得できるのに対し、「旅程管理主任者」の場合は一定の研修や実務経験が求められることが特徴です。

旅程管理主任者の受験資格

旅程管理主任者の資格を取得するためには、所定の研修を受講する必要があります。

研修の受講資格としては、次のいずれかに該当する必要があります。

(1)現在旅行業(旅行会社など)に従事している
(2)全国または地域限定通訳案内士である

受講にあたっては、所属会社の在籍証明書、あるいは通訳案内士の登録証のコピーが必要とされています。

つまり、全国通訳案内士の資格を持っているのでなければ、既に旅行会社に就職している、あるいは派遣会社に登録している必要があります。

旅程管理主任者の資格取得方法

旅程管理主任者資格を取得する手順は次の(1)〜(5)のとおりです。

(1)添乗員派遣会社へ登録をする
(2)基礎添乗業務研修(eラーニング)を受講・修了する
※18才以上でパソコンができる環境にあれば、添乗員派遣会社登録前でも受講可。
(3)国内または総合旅程管理研修を受講する
(4)修了者には修了証書が交付される
(5)所定の添乗実務を経験する

旅程管理主任者の難易度・勉強時間

この資格は所定の研修を修了し、実務経験を積むことで取得できます。

実務経験が必要な分、取得までの時間と労力はかかりますが、試験内容はそこまで難しいものではありません。

研修の内容をしっかりと理解していれば合格できる内容となっているようです。

ただし、国内旅程管理の場合と総合旅程管理の場合では、当然研修内容が異なります。

総合旅程管理の方が範囲も広く、語学力も求められるため、難易度は高くなります。

旅程管理主任者の合格率

旅程管理主任者試験の概要

<講義科目>
・旅行業法・約款
・国内添乗実務
・海外添乗実務、添乗外国語(英語)

<受講期間>
・国内旅程管理 2日間
・総合旅程管理 3日間

<受講料>
・国内旅程管理 26,500円
・総合旅程管理 36,700円

国内旅程管理研修修了者もしくは平成7年以前の旅行業務取扱主任者試験に合格した方が総合を受講する場合 20,400円
※各受講料金には教材費(税込)が含まれています。

語学教本(添乗英語テキスト2,500円、同CD2,600円/希望者のみ)

<受講申込>
会社単位で手続き

ツアーコンダクターになるための学校と学費(大学・専門学校)

ツアーコンダクターになるための学校の種類

ツアーコンダクターは、特別な学校を出ていなければなれないという職業ではありません。

ただし、特定の大学や専門学校等で観光や語学に関わることを学んでおくと、就職時に有利になることもあります。

例えば、観光系の専門学校、あるいは外国語系の専門学校が候補として挙げられます。

中には「ツアーコンダクター専攻」といった学科を設けているところもあります。

あるいは、観光学部など、観光やホスピタリティに特化した学部のある大学で学ぶという方法もあります。

専門学校の場合、幅広い知識や一般教養を身につけるというよりも、観光知識や添乗実務に関する実践的なスキルを学ぶことが中心となるため、卒業後は即戦力としての活躍が可能です。

一方大学では一般教養など幅広い知識が身につけられます。

これは、実際にツアーコンダクターとして勤務中、様々な場面で役立つでしょう。

ツアーコンダクターになるための大学

旅行会社への就職を考える場合、大学の学部や学科はほとんど問われません。

ただし、旅行業に関することを学びたいのであれば、「観光学部」のように観光関係の専攻を設置する大学への進学を考えるとよいでしょう。

大学では、時間をかけて幅広く一般教養まで学びながら見聞が広められます。

ツアーコンダクターは人間性も問われる仕事であるため、観光に関する以外の知識であっても、大学時代に学んださまざまなことも活かせられるでしょう。

ツアーコンダクターになるための専門学校

ツアーコンダクターになるための専門学校としては、観光系の専門学校や外国語系の専門学校が候補として挙げられます。

中には「ツアーコンダクター専攻」といった学科を設けているところもあります。

専門学校の場合、幅広い知識や一般教養を身につけるというよりも、観光知識や添乗実務に関する実践的なスキルを学ぶことが中心となります。

卒業後は即戦力としての活躍が期待されるでしょう。

ツアーコンダクターになるための学校の学費

ツアーコンダクターになるための学科は、他の学科に比べて学費が大きく異なるということはありません。

大学でも専門学校でも、学費が1年間で100万円前後ということが多いようです。

その他に入学金や施設維持費、教材費など、諸経費がかかります。

旅行に特化した学科の場合、国内や海外において実習があることがあります。

そういった場合には、実習費が別で必要となるケースもあるようです。

独学でツアーコンダクターになれる?

ツアーコンダクターになるためには、旅程取扱主任者の資格が必要です。

ですが、この資格はほとんどの場合、旅行会社に入社後、あるいは派遣会社に登録後取得することになります。

企業に就職/登録するためには、特に必要な学歴や資格はありません。

そのため、特別な学校へ行ったり講座を受けることをせずとも、独学で目指すことは可能です。

独学でツアーコンダクターを目指す場合には、旅行や観光業について独自に調べたり、語学力を磨いたりと、強みとなる専門性を持っていると就職に有利ですし、就職後にも大いに活かせられるでしょう。

また、語学力に自信がある場合は、通訳案内士の資格を取っておくことも有効です。

ツアーコンダクターの学校選びのポイントは?

ツアーコンダクターを目指す上で、有利になる学校はいろいろと考えられます。

例えば、次のようなポイントに注目して学校を選ぶと良いでしょう。

本当に必要な知識を得られる学校を選ぶ

ツアーコンダクターになるために必須の学習内容はないとはいえ、業務に関連した内容を学んでおくことは大変有効なことです。

そのためには、自分がめざすツアーコンダクター像を描いた時に、本当に必要な知識はなにかを見極め、それを学ぶことができる学校を選ぶことが大切です。

実習の有無もポイント

いくつかの学校では、在学中に実習として旅行に行くことがあります。

実際の旅を通しての学びは、その後就職した際に大きな力となるでしょう。

また、卒業前に実際の業務に近い経験をすることにより、自分が希望する道は本当にこの道なのか、改めて考える機会となることでしょう。

ツアーコンダクター専門のコースがあることも

学校の中には、ツアーコンダクター養成の専門コースがある場合もあります。

そのコースでは、ツアーコンダクターになるために本当に必要な、実践的な知識が学べます。

また、中には旅行会社などへのパイプを持ち、卒業後の進路に関してサポートを受けることができる学校もあるようです。

将来の希望がはっきり決まっているのであれば、こういった学校で学ぶことも、自分の力となるでしょう。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

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20代登録比率No.1

ツアーコンダクターに向いている人

ツアーコンダクターとして活躍するためには、様々な力が求められます。

特に次のような特徴のある人は、ツアーコンダクターに向いているといえるでしょう。

統率力

旅行中は大勢のツアー客をまとめることになるため、統率力が求められます。

人に対して明るく親切に接するだけでなく、時間や安全を守るためにリーダーシップを発揮しなくてはなりません。

冷静さ

旅行中はトラブルが起こることも多いため、どんな状況でも冷静に対応できる精神力が必要です。

旅行好きであること

ツアー中は参加者の様々な要望に応えたりトラブルに対応したりと、大変なことも多々あります。

仕事が大変で辛くなった時も、旅行が好きという気持ちは何度でも仕事へのモチベーションを高め、やる気を生み出してくれるでしょう。

ツアーコンダクターに向いている人・適性・必要なスキル

ツアーコンダクターのキャリアプラン・キャリアパス

ツアーコンダクターとして入社後は、まずは日帰りの近距離ツアーから添乗することになります。

その後少しずつ実績を積んでいき、スキルが認められれば長いツアー、あるいは海外ツアーの添乗が可能となります。

ある程度ツアーコンダクターとしての実績とノウハウを身につけた後のキャリアプランはひとそれぞれです。

そのままその企業内でツアーコンダクターの仕事を極める人もいますし、現場は離れて、ツアーの企画や広報といった別部門で経験を生かし活躍する人もいます。

あるいは、フリーランスとして独立し、さらに幅広いキャリアを模索する人もいます。

フリーランスとして働く場合、派遣会社へ登録するだけでなく、それまでの経験を生かし自らツアーを企画・主催したり、学校や団体へツアーの提案をすることもあります。

ツアーコンダクターを目指せる年齢は?

ツアーコンダクターとなるために年齢制限は特にありません。

しかし、ツアーコンダクターの仕事はタフです。

宿泊を伴うツアーの場合、参加者が眠っている間にも翌日の準備をしたり、トラブルがあった場合は対応したりと、24時間体制での対応が求められます。

勤務日もツアーの予定に左右され流動的であるため、毎日同じようなスケジュールで生活するということも困難です。

ツアー参加者の安全を守るためには、まず自分が常に万全な体制でいなければいけません。

これらの条件下でも、常に万全でいられる体力と気力が必要な仕事です。

そのため、ツアーコンダクターを目指す人には年齢的に若い人が多いのも事実です。

しかし、セカンドキャリアとして目指す人もいます。

セルフケアをしっかりできる人材であれば、年齢に関わらず目指し、そして活躍することができるでしょう。

ツアーコンダクターは高卒から目指せる?

ツアーコンダクターになるために、学歴は必要ありません。

高校卒業後すぐに企業に入社したり、派遣会社に登録したりしてツアーコンダクターになる人はたくさんいます。

同期デビューのツアーコンダクターにも、様々な年齢・バックグラウンドの人がいるでしょう。

ツアーコンダクターとなった後も、特に大学卒が有利とか、専門卒が良いということはありません。

ただし、大手旅行会社の場合、採用は専門学校卒(大卒)以上、と決めている企業も存在しています。

入社したい企業が決まっている場合は、その企業の採用条件を確認しておく必要があります。

ツアーコンダクターの働き方の種類・雇用形態

ツアーコンダクターの雇用形態

ツアーコンダクターとして働くには、旅行会社の正社員としてツアーに添乗する方法と、ツアーコンダクター専門の派遣会社に登録し、案件ごとに請け負う方法のふたつが最も多いケースです。

旅行会社の正社員の場合、その会社が企画したツアーから自動的に割り当てられ、そのツアーを担当するという流れになります。

一方、派遣で働く場合、派遣会社から紹介を受けてツアーを請け負うわけですが、催行企業は一社とは限りませんので、状況によって様々な企業のさまざまな企画を担当することになります。

その他、旅行会社がアルバイトのツアーコンダクターを募集することもあるので、それに応募して働くこともあります。

アルバイトの場合、単発で1つのツアーだけを任されることもあれば、継続して何度か添乗することもあるようです。

正社員のツアーコンダクター

正社員としてツアーコンダクターになるには、旅行会社に就職する必要があります。

入社後は社内や社外での研修をうけ、先輩ツアーコンダクターについて実務研修を行い、「旅程管理主任者」の資格を取得後、ひとりでの添乗デビュー、という流れになります。

正社員として働くメリットとして大きいものは、雇用と収入が安定しているという点です。

仕事が少ない時期だから今月は収入が激減、ということがないのは、派遣やアルバイトとの大きな違いと言えるでしょう。

しかし、残念ながら、近年はツアーコンダクターを外注化する旅行会社が増えています。

あるいは、自社のツアーコンダクターはいるものの、新規採用に積極的でないというケースもあります。

そのため、正社員の採用は年々狭き門となってきています。

とはいえ求人はゼロではないので、どうしても正社員を希望する場合は企業をあまり絞らず探してみることをおすすめします。

あるいは、一旦別の職種で入社し、その後経験を積んでから異動の希望を出すという方法もあります。

派遣のツアーコンダクター

派遣のツアーコンダクターの場合は、ツアーコンダクター専門の派遣会社に登録するケースがほとんどです。

元々は既に資格を取得し、実務経験もある人材が登録し、即戦力として派遣されるというモデルの会社が多かったようですが、近年は旅行会社からの人材ニーズが増したことで、未経験可としている会社が増えました。

未経験可の場合、ツアーコンダクターとして登録後、所定の研修を受けて資格を取得し、働き始めることになります。

派遣会社であっても、未経験採用を行っている場合は実務に向けた研修やサポート制度が充実しているケースも多く、安心して働ける環境が整いつつあるようです。

ただし、正社員に比べて収入面で安定しないというデメリットもあります。

派遣社員の給与は日給制のことがほとんどですが、その水準は国内添乗で10,000円前後、海外添乗の場合はその内容により8,000〜25,000円程度が相場となっているようです。

その月の収入は請け負うツアーの数に大きく左右されますから、ツアーが多い月は収入も多いけれど、少ない月は生活が苦しい…という具合になる可能性もなくはありません。

一方で、派遣として個人で働くということは、実績や評価は全て自分のものになるということです。

参加者やクライアントから高評価を得ることができれば、単価を上げることもできます。

実際、人気のツアーコンダクターの場合、正社員で働く場合よりもはるかに高額の報酬を得ているというケースも少なくないようです。

アルバイト・パートのツアーコンダクター

件数としてあまり多くはありませんが、ツアーコンダクターのアルバイト求人が出ることもあります。

この場合は、派遣会社ではなく旅行会社のアルバイトとして働くことになります。

多くの場合、報酬は時給ではなく日給で支払われることになります。

アルバイトのツアーコンダクターの働き方は多様で、1件だけの依頼のこともあれば、数ヶ月〜年単位で継続して仕事を受けることもあるようです。

アルバイトの場合は、正社員や派遣社員とは異なり、資格の取得サポートはないことがほとんどです。

そのため、ひとりで添乗するためには既に旅程管理主任者の資格を取得している必要があります。