「テーマパークスタッフ」とは

来園者をもてなす仕事。案内から店舗での販売、清掃など、多岐にわたる業務を担当する。
テーマパークスタッフは、テーマパークの来園者が快適に、楽しい時間を過ごせるように、アトラクションの受付、誘導、案内や店舗での販売、飲食の提供、清掃など、園内のあらゆる業務を担当する仕事です。
観光施設に従事するため、この仕事に就くうえで特別な資格や知識は求められませんが、ホスピタリティ精神や明るい笑顔、人当たりの良さなどが必要とされます。
また、来園者の安全を守るという責任感も必要です。
テーマパークスタッフはアルバイトやパートとして働く人も多く、時給は900円程度からスタートすることが多いようです。
たくさんの人に夢を与えることができる魅力的な仕事ですが、正社員としての採用はさほど多くありません。
また立ち仕事が多く体力を要することから、若手の活躍が中心となっています。
「テーマパークスタッフ」の仕事紹介
テーマパークスタッフの仕事内容
夢のある楽しい時間を安全に提供する
テーマパークスタッフは、子供から大人までの来場者すべてがテーマパークで楽しい時間を過ごせるように、園内のあらゆる業務をおこなう職業です。
テーマパーク内にあるアトラクションの受付や誘導、運転から、パーク内の案内、飲食物の提供、お土産の販売、清掃まで、スタッフの職種はさまざまです。
各テーマパークではそれぞれ独自の世界観やコンセプトが設定されているため、どの業務に就くとしてもそのイメージを損なわないような振る舞いが求められます。
一方で、お客さまの目には直接ふれない裏方の仕事も存在します。
裏方の仕事はパーク設備の点検や管理、運営や企画、事務など、表には出ないもののお客さまの安全に大きく関わる仕事が多く、責任も大きくなります。
お客さまが安全に楽しい時間を過ごせるようなサービスの提供とサポートをおこなうのがテーマパークスタッフの使命です。
テーマパークスタッフの就職先・活躍の場
全国にあるテーマパークで活躍
全国には誰もが知っているようなテーマパークから小規模の遊園地まで、数多くの行楽施設が存在します。
テーマパークスタッフの多くは、それぞれの施設を運営している元会社や、テーマパークにアルバイトや社員を派遣するイベント会社で勤務しています。
運営元の会社では企画やマーケティング、事務など、施設の運営に関わる仕事に携わる人が多いです。
一方、テーマパーク内でお客さまと直接関わる業務を担当する人のなかには、運営元ではなく人材派遣会社などからアルバイトとして派遣されて活躍しているスタッフもいます。
テーマパークスタッフの1日
業務によって1日の流れは異なる
テーマパークスタッフの1日は、担当する業務内容によってさまざまです。
ここではパーク内でアトラクションを担当する正社員の1日をご紹介します。
7:45 出社
ユニフォームに着替え、朝礼での連絡事項をまとめます。
8:00 朝礼
スタッフの人数と業務内容を確認します。
8:15 スタッフとの朝礼
アルバイトや派遣社員との朝礼をおこないます。
8:30 アトラクションの運転確認
開園前にアトラクションの運転を最終チェックします。
9:00 開園
アルバイトスタッフへ運転方法のアドバイスや配置の指示をおこないます。
11:00 現場のチェック
混雑する日や時間帯にアトラクションのヘルプについたり、スタッフへ休憩の指示を出したりします。
14:00 休憩
業務の合間を見て休憩をとります。
16:30 事務作業
業務報告書や日報などを仕上げます。
17:00 退社
シフト制のため閉園までは遅番の社員に任せて帰宅します。
テーマパークスタッフになるには
まずはアルバイトとして働く人が多い
テーマパークスタッフになるには、テーマパークを運営する会社へ就職するか、イベント系の人材派遣会社に登録してアルバイトとして働く方法があります。
大規模なテーマパークの運営会社であれば新卒採用を実施しているところもありますが、テーマパークの企画や運営に関わる仕事は非常に人気があるため、競争率はかなり高いです。
アルバイトやパートを募集しているテーマパークもたくさんあり、実際に園内で働いているスタッフのほとんどがアルバイトという施設も珍しくありません。
まずはアルバイトとして採用されてから正社員を目指す人も多いです。
テーマパークスタッフの学校・学費
基本的に学部や学科は問われない
テーマパークスタッフになるのに必ず通わなければいけない学校はありません。
大学や専門学校、高校などを卒業してからテーマパークに就職するのが一般的ですが、調理や技術、ショーキャストなどの専門職を志望する場合は、必要なスキルに応じた学校やスクールに通うとよいでしょう。
テーマパークスタッフとして働くのに学部や学科が問われることはありませんが、観光やホスピタリティ関連の学科で学んでいると面接などで強みをアピールできます。
観光系の専門学校で学ぶ場合、学費は年間で100~150万円程度となります。
テーマパークスタッフの資格・試験の難易度
専門職でなければ特別な資格は必要ない
調理師などの専門職を除けば、テーマパークスタッフとして働くために取得が必須となる資格はありません。
テーマパークの採用試験に合格すれば、基本的には誰でもスタッフになることができるので、学生や主婦などもアルバイトやパートとして多く活躍しています。
ただし「サービス接遇検定試験」や「手話技能検定試験」など、持っていると就職の際に有利になる資格はいくつか存在します。
しかし、実際の採用試験では、資格の有無よりも接客業の経験や、テーマパークで働きたいという情熱、お客さまを喜ばせたいというおもてなしの心を持っているかどうかが重要となるでしょう。
テーマパークスタッフの給料・年収
非正規が多いため全体の平均は低め
テーマパークでは繁忙期と閑散期でスタッフの数に変動があるため、アルバイトやパートとして働く人がほとんどを占めます。
アルバイトの時給は900~1500円程度と施設によって幅がありますが、労働時間は契約の時期や天候などにも左右されるため、給料は平均よりも低くなる傾向にあります。
大手が運営するテーマパークを除くと、テーマパークスタッフの年収は300万円未満のところが多いでしょう。
各テーマパークで働くすべての従業員のうち1割ほどを占める本部の正社員の平均年収は、一般企業の会社員と同様400万円程度だといわれています。
ただし、一部の大手テーマパークに勤務する正社員の場合、700万円ほどの年収を得られることもあります。
テーマパークスタッフのやりがい、楽しさ
大切な思い出づくりに携わる仕事
テーマパークスタッフは非日常の体験と感動をお客さまに与える仕事です。
夢のある楽しい時間を提供することでお客さまの大切な思い出づくりに携われるのは、この仕事の一番の魅力といってもよいでしょう。
来園したお客さまが笑顔になり、「ありがとう」や「楽しかった」といった感謝の言葉をかけてくれたときの喜びはひとしおです。
なかには自分のことを覚えてくれる常連さんもいて、「また来たよ」と親しく話しかけてくれたりするのも嬉しさを感じる瞬間です。
テーマパークスタッフのつらいこと、大変なこと
繁忙期はかなり忙しく、体力がいる仕事
テーマパークには繁忙期と閑散期があります。
ゴールデンウィークやお盆休みなどの繁忙期には家族連れから観光客まで多くの人が訪れるため、スタッフの数もたくさん必要になります。
基本的に土日や繁忙期には出勤することになり、休みは取りづらくなるでしょう。
また、テーマパークのほとんどは屋外にあるため、夏の暑さと冬の寒さに耐えながらの勤務となります。
常に立ちっぱなしで動き回らないといけないスタッフに最も必要なのは、体力です。
日頃から体調管理を徹底し、暑さや寒さに負けないような体力づくりをする必要があります。
テーマパークスタッフに向いている人・適性
いつも明るく、人と関わるのが好き
来園者に夢と感動を与えるテーマパークに勤めるスタッフは、お客さまに楽しい時間を提供するのが第一の仕事です。
いつも朗らかで明るい笑顔を絶やさないような人が向いている職業だといえます。
また、テーマパークには幼い子どもからお年寄り、外国人観光客まで幅広い層のお客さまが来園します。
お客さまによって求めるサービスは異なるため、テーマパークスタッフは一人ひとりのニーズに適したおもてなしを提供する必要があります。
どんな人とも楽しく接することができるコミュニケーション能力も大切です。
テーマパークスタッフ志望動機・目指すきっかけ
大好きなテーマパークで夢を与えたい
テーマパークスタッフの志望者には、自身も子どものころからテーマパークが大好きだったという人がたくさんいます。
テーマパークで味わえる非日常の感動を提供してくれたスタッフに憧れて「自分もお客さまを楽しませて笑顔にしたい」と考える人が多いです。
また、テーマパークスタッフにはアルバイトとして働いている学生も少なくありません。
学生時代に採用されたテーマパークの仕事の魅力にとりつかれ、卒業後に正社員を目指すケースも見られます。
テーマパークスタッフの雇用形態・働き方
園内のスタッフはアルバイトがほとんど
テーマパークスタッフの雇用形態は企業や職種によってさまざまです。
園内で直接お客さまと関わる業務を担当するスタッフにはアルバイトとして働く人がほとんどですが、なかには正社員としてパーク内の仕事をしているスタッフもいます。
テーマパークの運営会社には、一般企業と同じように企画や運営、マーケティング、事務などを担当する正社員や契約社員、派遣社員などが働いています。
運営会社の社員として働く場合、勤務時間は1日8時間程度、休日は土日祝日となり、福利厚生などの待遇も一般的な会社員と同様のケースが多いでしょう。
テーマパークスタッフの勤務時間・休日・生活
シフト勤務が多く繁忙期は忙しい
テーマパークスタッフの勤務時間や休日は職種によって大きく異なります。
テーマパーク内でお客さまの案内やアトラクションの運営などを担当するスタッフはシフト制となるのが一般的です。
開園前の早朝から勤務する日もあれば、閉園後の清掃までを担当することもあるようです。
イベントの開催中や長期休暇の時期などに営業時間が変わるテーマパークもあり、勤務時間は不規則になることが多いです。
土日祝日や夏休みなどの繁忙期には休みが取りづらくなる傾向にあるため、年間を通して生活リズムが一定ということはほとんどありません。
一方で、運営元の本部で働く場合は一般企業と同じような勤務時間・休日となるでしょう。
テーマパークスタッフの求人・就職状況・需要
パーク内で働くアルバイトの募集が多い
テーマパーク内で働いているスタッフのほとんどはアルバイトとして採用されています。
チケットの受付やアトラクションの誘導、運転、お土産の販売など、直接お客さまと関わる業務への求人にはアルバイトの募集が多いでしょう。
テーマパークの運営会社へ就職する場合、企画や運営、事務などの求人に応募する必要があります。
一部の大手テーマパークでは新卒の正社員採用を実施していますが、人気がある職業のため競争率は例年かなり高くなっています。
テーマパークスタッフの転職状況・未経験採用
未経験者はアルバイト採用を目指す
テーマパーク内で働くスタッフのほとんどがアルバイトとして勤務しています。
アルバイトであれば勤務時間や契約期間が柔軟なことも多く、学生や主婦なども生活リズムに応じて働きやすいため、未経験者でもたくさんの人が活躍しています。
一方、正社員としてテーマパークへの転職を目指す場合は職務経験が必要となるでしょう。
その場合は必ずしもテーマパークでの実務経験が求められるわけではなく、企画や営業、事務の経験など、希望する職種に応じたスキルと経験をアピールすることが大切です。
テーマパークスタッフの現状と将来性・今後の見通し
今後も多くの人に夢を与え続けていく
テーマパークを運営する会社の本部へ入社するのは高い競争率を勝ち抜いた新入社員か、経験が豊富な中途採用の社員に限られるといわれています。
多くの人に夢を与えるテーマパークスタッフの仕事は人気が高い職業ですが、運営会社の正社員として就職できるのはほんの一握りであるのが実情です。
一方で、パーク内で働くスタッフは慢性的に人手不足の傾向にあり、アルバイトであれば仕事に就くこと自体は難しくありません。
ただし、アルバイトの場合は収入が不安定になりやすく、生活のために辞めてしまうスタッフもいるようです。
とはいえ、テーマパーク全体の来園者数は増加しつつあるため、今後も多くの人に夢を与え続けていくことに変わりありません。
大変なこと多い仕事ですが、困難を乗り越えて夢を掴み取ったテーマパークスタッフは、これからもたくさんの人々を笑顔にしていくことでしょう。