寿司職人の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
寿司職人の仕事とは
寿司職人は、和食の中でも寿司に特化した料理をする仕事です。
一般的な寿司店で働く寿司職人の仕事は、魚の仕入れから仕込み、握り、お客さまへの接客など幅広い業務を担当します。
一人前の寿司職人になるためには、通常10年以上の長い修行が必要で、下積み期間は掃除や皿洗い、出前などの雑用もこなさなければいけません。
朝早い仕入れから深夜の閉店まで長時間にわたり勤務するので、寿司職人は体力が求められます。
寿司職人の勤務先は小規模な地元密着型の店舗から、回転寿司や出前専門店などさまざまな形態があります。
大手チェーン店で働く場合、長い修行期間や高い接客技術は必ずしも求められません。
昔ながらに親方のもとで働きたい人は小規模な寿司店で、働きやすい環境を重視する人はチェーン店など、理想に合わせて勤務先を選ぶとよいでしょう。
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寿司職人の業務の内容
魚の仕入れ
一般的な寿司店や高級店では握りだけでなく、魚の仕入れも寿司職人の仕事です。
寿司職人が扱う食材は、魚介類、海苔、ワカメ、昆布などの海藻、ごはん、ワサビ、ガリと呼ばれる生姜、卵、きゅうりなどが中心で、ほかの料理と比べると種類は多くありません。
材料の吟味は重要な業務で、食材への深い知識と鋭敏な感覚が必要です。
仕込み
開店までに仕入れた魚をさばき寝かせたり、煮たり、昆布でしめるなど食材の状態に合わせて仕込みます。
食材をより良い状態で提供するための判断力やセンス、下処理の高度な知識と技術が必要です。
寿司以外の卵焼きやお吸い物、味噌汁、茶碗蒸し、一品料理の準備もしておかなければいけません。
握りとお客さまへのおもてなし
店舗が開店したら、握りやお通し、コース料理などを作ってお客さまに提供します。
とくに高級店では、お客さまを上手にもてなすコミュニケーション力や臨機応変にサービスする対応力も大切です。
高級店のカウンターに座るお客さまは社会的地位の高い人も多いので、寿司職人としての技術だけでなく、教養も身につけておかなければなりません。
皿洗いや掃除
見習いの寿司職人の場合は、食器洗いや店舗の掃除、仕込み、足りない食材の買い出し、出前などの裏方がメインの仕事です。
寿司職人の修行期間は10年といわれていて、魚をさわらせてもらえるまでに3年ほど、お客さまに握りを出せるまでに5年ほどといわれています。
独立開業する場合
自分で店を持つとなれば、経営の才覚も当然必要です。
寿司職人として調理を行うだけでなく、資金管理や労務管理など店舗経営に関わる仕事も担当することになるでしょう。
寿司職人の役割
寿司職人は、後輩の見習い職人を育て、寿司文化を後世に伝える役割があります。
一人前の寿司職人になるまでに「飯炊き3年握り8年」といわれるほど、長い修行期間が必要な世界です。
自分自身が先輩から習ってきたように、魚のさばき方や調理方法、盛り付け方、握りの技、客あしらいを後輩にも習得してもらいます。
また、寿司職人は日本の伝統文化である寿司を広める存在です。
寿司は能や茶道など他の日本文化と同様、世界各国の人から愛されています。
食文化を芸術の域まで高めたものと評価されているのです。
また、生魚を食べる習慣がない国の人には、寿司は珍しくうつるようです。
現在は日本食ブームもあいまって、日本だけでなく海外でも寿司職人が引っぱりだこなので、海外で活躍できるチャンスもあるでしょう。
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寿司職人の勤務先の種類
寿司職人の勤務先は、会員制の高級店から繁華街のカウンター中心の寿司店、地域密着型の寿司店、大手チェーン店の回転寿司、出前専門店などさまざまです。
カウンター中心の寿司店や地域密着型の寿司店では、仕入れから仕込み、握り、接客、掃除まで幅広い仕事を担当します。
小規模な寿司店では、従来の体力勝負の厳しい修行をしなければなりません、将来独立開業したい人にとっては貴重な経験となるでしょう。
一方、大手チェーン店の回転寿司や出前専門店では、企業規模が比較的大きくて安定しているので、働きやすいことが特徴です。
しかし大手チェーン店では、本社が契約している卸業者から仕入れるたり、寿司ロボットが寿司を握ったりします。
そのためチェーン店で働く人の中には、目利きや握りの技術が向上しない人もいます。
寿司職人としてどんな働き方をして、技術を身につけたいかを考えて勤務先を選びましょう。
寿司職人の仕事の流れ
一般的な寿司店で働く寿司職人の仕事は、早朝の仕入れから始まります。
市場は朝5時くらいから始まるので、寿司職人が複数いる店舗では当番制で交代で担当する場合もあります。
目利き能力が飛び抜けている人が専属で仕入れ担当となる場合もあるほど、新鮮な魚の仕入れは大切な業務です。
仕入れが終ったら少し休憩を入れて、3時間ほど仕込みを行います。
さばいた魚を酢で締めたり、煮切りづくり、卵焼きなどさまざまな下ごしらえを行います。
お昼はランチで開店し、14:00頃に閉店して食事や休憩などをとってから、午後に向けた仕込みがスタートです。
夜の営業ではお酒を楽しむお客さまが多いので、ビールや日本酒などお酒の相性に合わせて、シャリやネタの大きさを変えることもあります。
そういった気転のきいた個別の対応をすると、お客さまに喜ばれます。
閉店後に掃除や片付けを行ったら、深夜近くに1日の仕事が終了します。
寿司職人と関連した職業
寿司職人と板前の違い
板前は料亭や日本料理店、割烹、旅館などで懐石料理などの日本料理を作るプロの料理人です。
寿司職人とちがって、刺身、煮物、焼き物、天ぷらなどの日本料理全般を作る職人で、うなぎ料理、フグ料理など専門店として営業する店も多くあります。
資格は必要ありませんが、国家試験の調理師試験に合格して「調理師免許」を取得すると就職の際に有利になるでしょう。
寿司職人と調理師の違い
調理師はレストランやホテル、料亭、学校の給食室や病院の厨房で料理を作るプロです。
調理師は働く店や施設によって作る料理が異なります。
板前と同じようにレストランなどで調理をするだけなら資格は不要ですが、調理師と名乗るには国家試験の調理師試験に合格して「調理師免許」を取得することが必要です。