スタイリストの1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
スタイリストの業務スケジュール
スタイリストは雑誌やテレビの撮影など、日々さまざまな現場を駆け回って仕事をしています。
モデルやタレントなどの芸能人に付いて衣装合わせをするスタイリストは華やかなイメージが強いですが、実際は裏方として舞台裏を支える職業です。
スタイリングのほかにも打ち合わせや衣装の調達・管理など地味に思える作業もこなしていくので仕事量も多く、労働時間が長くなる傾向にあります。
撮影スケジュールに合わせた勤務になるため、出勤時間や退社時間も不規則になりがちで、休日が十分に取れないこともあります。
担当する媒体や案件によって勤務時間や仕事内容は異なりますが、ここでは、そんなスタイリストの1日の流れを3通りのパターンに分けて紹介します。
20代で正社員への就職・転職
スタイリストの1日の流れ
ファッション雑誌の特集ページを担当する場合
地方ロケに出るドラマ撮影の場合
パーソナルスタイリストの場合
最後に、モデルや俳優などの芸能人ではなく、個人のお客さまのファッションをスタイリングするパーソナルスタイリストの1日をご紹介します。
スタイリストの勤務時間・休日
スタイリストの勤務時間
フリーで働くスタイリストの場合、会社員のように「9時から18時まで」といった決まった勤務時間がありません。
撮影や打ち合わせが入っていない日であれば、早朝から仕事を始めて昼には終えてしまうこともできますし、昼間はのんびりと過ごして夜中から仕事を始めたってよいのです。
事務所に所属する場合は、基本的に出勤時間はある程度決められていることが多いようです。
しかし、この場合でも案件によって働く時間は変わってきます。
アシスタント時代や、フリーであっても駆け出しの頃であれば、仕事量やその内容も安定せず、不規則な生活を強いられる可能性もあります。
しかし、スタイリスト業に慣れてくれば、簡単な仕事は雇ったアシスタントに任せることができますし、自分自身の仕事の進め方も上手になってくるため、生活サイクルが安定してきます。
スタイリストの休日
休日の考え方も、一般的な会社員とはだいぶ異なってきます。
会社勤めであれば「土日祝日は休み」のように決められていることが多いですが、フリーで働くスタイリストには「完全な休日」があってないようなものです。
もし現場での仕事が入っていない日だとしても、クライアントからメールや電話はかかってきますし、借りた衣装の返却、事務作業、ちょっとした打ち合わせなど「仕事」に関わる事柄は日々こなしています。
もちろん空き時間はありますが、ファッション雑誌を読んだりファッション関連のイベントに参加したりして、流行のリサーチもしなくてはなりません。
スタイリストにとって「忙しい」というのはありがたいことですが、決められた休みがないというのもつらいところかもしれません。
スタイリストは忙しい? 激務?
朝早く夜遅い、体力勝負の仕事
仕事の厳しさ、忙しさに対する感覚は人それぞれ違いますが、スタイリストという職業は、平均的に見ても「激務」といえる部類に入るでしょう。
その大変さは、物理的なものと精神的なものの両面から語ることができます。
まず物理的な面ですが、スタイリストの労働時間は長くなりがち、かつ不規則です。
たとえばテレビの仕事であれば、携わる番組にもよりますが深夜であろうと早朝であろうとロケが行われます。
毎日働く時間が変わるのは日常茶飯事ですし、撮影が予定より長引いて、次の現場に焦って出かけるなんていうこともよくあります。
また、撮影前の時間を使って衣装を借りに行ったり、丈詰めやアイロンがけをしたり、撮影が終われば衣装を返しに行ったり…と、準備や片付けの時間も多くかかります。
また、映画のスタイリングを担当するときは、撮影中の数ヵ月間、一つの現場に付きっきりとなることもあります。
最小限のスタッフで動く場合、スタイリストが企画や衣装作りなどまで任され、徹夜をして準備することもあります。
非常に大変ですが、依頼される仕事の幅や量が多いのは、それだけ自分の力が認められているということでもあります。
いくら自分の身を削っても、がんばって期待に応えたいと考える人が多いようです。
周囲に気を遣うことも仕事の大きな一部
テレビ、映画、雑誌、広告、どのような媒体であろうと、制作時は必ずスケジュールが組まれており、限られた時間内で作業を効率よく進めていかなければなりません。
もし予定通りに進まなければ、スタッフはみんなピリピリしますし、その雰囲気の中で素早く行動する必要があります。
そういった独特の緊張感やプレッシャーもまた、ある種のストレスを感じる要因となるかもしれません。
スタイリストは多くの人と関わるからこそ、どのような現場や状況においても良好な人間関係を築くことに気を遣わなければなりません。
いくらファッションセンスがあっても、モデルやカメラマンなどから「このスタイリストはやりにくい。一緒に仕事をしたくない」と思われた瞬間、次の依頼はこなくなるでしょう。
実績がないアシスタント時代は、周囲に気を遣うことが仕事の大部分を占めているといっても過言ではないかもしれません。
常に気を張っているため、精神的な疲れはどうしても溜まりやすいです。
ただし、スタイリストとして大成するためには、そういった人との関わりやしがらみも面倒だと思わず、どこか楽しんでしまえるような人であることが望ましいです。
スタイリストの休日の過ごし方
基本的には休みといった休みがないのがスタイリストの特徴ですが、フリーとなって仕事に余裕が出てくれば、何日も休みをとって旅行に出かける人もいます。
普段の仕事ではスタジオや事務所にこもったり、狭い都内を縦横無尽に歩き回ったりと狭い世界で仕事をしているため、リフレッシュのために自然を求めたくなるものなのかもしれません。
感性を豊かにするためには、積極的に外に出て人と接したり、非日常的な体験をしたりすることも大事です。
スタイリストはあらゆることに興味を持ち、オンとオフの時間を上手に切り替えることが大切だといえるでしょう。