スポーツインストラクターになるには? 資格は必須? 【なり方徹底解説】
しかし、現代ではスポーツ・健康系の大学や専門学校で学び、スポーツインストラクターになるのが一般的なルートになっています。
また、まずはアルバイトとしてフィットネスクラブやスポーツジムで経験を積んだ後、社員として採用される人も少なくありません。
この記事では、スポーツインストラクターになるにはどのような方法があるのかについて解説します。
スポーツインストラクターになるには
下の図はスポーツインストラクターになるルートの一例です。
スポーツインストラクターになるには、大学や専門学校で知識を身に着けつつ、資格を取ってスポーツジムなどに就職するのが一般的です。
資格は必須でありませんが、取得しておくと就職に有利になったり、専門知識を十分に身に着けたりする点で役立ちます。
高校卒業後にアルバイトで働きながら資格を取得してスポーツインストラクターになることも可能です。
20代で正社員への就職・転職
スポーツインストラクターに必須の資格はないが専門知識は必要
スポーツインストラクターは人を指導する立場であるため、しっかりとした知識を身につけることが必要となります。
スポーツインストラクターに必要な、
- 人間の体の構造や機能
- トレーニング方法
- ダイエットや栄養管理
- ケガの応急措置
などの専門知識を身につけるためには、スポーツ・健康系の専門学校や大学で専門知識を学ぶことが近道です。
指導の対象は、子どもからお年寄りまで幅広い世代ですし、スポーツをする事情や目的もさまざまなため、さまざまな要望に対応しなければなりません。
また、対象者が安全にスポーツを楽しめるように万全のサポートをする必要もあります。
スポーツインストラクターになるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校)
スポーツインストラクターになるための学校の種類
- 体育系のカリキュラムが組まれている大学
- スポーツ・健康系の専門学校
スポーツインストラクターになるためには、スポーツ・健康系の専門学校や大学で学ぶことが近道です。
実技はもちろん、
- 体の仕組み
- 体の機能
- トレーニング理論
- 栄養管理
- ケガの応急措置
まで必要な専門知識を学べ、スポーツインストラクターとして即戦力となるスキルも身につけるられます。
スポーツインストラクターになるための大学
体育大学をはじめ、体育系のカリキュラムが組まれている大学は全国に多くあります。
専門学校よりもより高度な知識やスキルを学べるほか、専門学校では学ばない一般教養なども身につけられ、大卒の学歴をもつことで就職の際も選択肢の幅が広がります。
ただし、スポーツインストラクターは学歴が問われないため、大学に進学してスポーツインストラクターを目指すという人は多くなく、スポーツインストラクターよりもスポーツトレーナーや体育の教師を目指す人が多いようです。
スポーツインストラクターになるための専門学校
スポーツインストラクター科のある専門学校
スポーツインストラクターになるためには、スポーツ・健康系の専門学校で学ぶことが一般的です。
スポーツ系の専門学校には、「スポーツインスラクター科」をもつところもあります。
スポーツインストラクター科では、座学で専門知識を学ぶ一方、
- 各種トレーニング
- エアロビクス
- ヒップホップ
- ジャズ
- ピラティス
などのスタジオプログラム、水泳やヨガなどの実技も一通り勉強します。
実際に経験してみることで、自分に合う種目があれば、その段階で専門分野を絞ることもできます。
学校によっては、コミュニケーション能力や指導対象者への対応力を養うための勉強も用意されています。
また、現役のスポーツインストラクターやスポーツトレーナーの話を聞いたり、現場でのインターンシップを経験したりすることもできます。
在学中のメリット
在学中にフィットネスクラブで実際に働いてみて、その職業が本当に自分に向いているかどうか、就職する前に考えられます。
また、アルバイトとしての働きが認められ、卒業後に社員に採用されることも珍しくありません。
専門分野や得意分野を生かして
専門学校によっては、スポーツインストラクター科ではなく、
- スポーツトレーナー科
- アスレチックトレーナー科
- パーソナルトレーナー科
- チャイルドスポーツ科
などの学科をもつところもありますが、どの学科を選んでも、スポーツインスラクターに必要な専門知識が学べます。
専門学校のカリキュラムは、各種のインスラクター資格を取りやすいように組まれているため、興味のある資格を選び取得することも可能です。
スポーツトレーナー科を選んだ人には、将来はスポーツトレーナーを目指しながら、いったんフィットネスクラブやスポーツクラブに就職し、指導経験を積む人もいます。
20代で正社員への就職・転職
スポーツインストラクターに高卒からなるには?
専門学校や大学を卒業しなくても、スポーツインストラクターになれます。
実際、高校や大学でスポーツを経験した人がスポーツインストラクターになったり、ダンス・エアロビクス・ヨガなどの経験者が経験を積み指導する側に転身したりすることもあります。
フィットネスクラブやスポーツジムの採用では、学歴よりスポーツ経験や人柄、経験の方が重視される傾向があります。
学校で専門知識を勉強していなくても、独学や日本体育協会や日本フィットネス協会などでインストラクターとしての資格を取得すれば、十分に働けます。
スポーツインストラクターの採用試験はオーディション?
スポーツインストラクターがフリーランスとして契約する場合などは、オーディションと呼ばれる就職試験が行われることもあります。
ダンスやエアロビクス、ヨガなどの採用試験では実技試験があり、オーディションと呼ばれます。
たとえば、ヨガインストラクターであれば、面接の際に実際にポージングをしたり、面接官の前で模擬レッスンを行ったりして合否を決定します。
オーディションが課される採用試験の場合には、他の先生のレッスンに参加したり、自分の模擬レッスンを録画したりするなど、通常の筆記試験や面接に加えて対策が必要です。
スポーツインストラクターになるためにあると有利な資格
スポーツインストラクターとして働く際に、持っておくと仕事に活かせて就職にも役立つ資格があります。
スポーツインストラクターの資格の中でも、代表的なのは以下4つです。
資格名 | 資格で認められる能力 | 取得方法 |
---|---|---|
スポーツ指導者の指導員 | ジムなどで指導にあたる知識 | 通信講座を35時間、体育協会などの講座を40時間以上受講して基準を満たす |
日本体育協会の指導員 | 科学的根拠に基づいた運動プログラム作成 | 72時間ある講習会を受講して試験に合格 |
NSCA認定パーソナルトレーナー | 幅広い利用者のニーズに合わせた指導 | 講習会を受講して修了証を取得し試験に合格 |
健康運動指導士 | 生活習慣病予防の運動プログラム作成と指導 | 4年生体育系大学の卒業生もしくは卒業見込み者が養成講習会を受講、試験に合格 |
健康運動指導士は、スポーツジムのような運動施設だけでなく、病院や介護施設、保健所などで働くことも可能です。
上記の資格は、大学や専門学校に通いながら取得を目指したり、スポーツジムなどでアルバイトをしながら取得したりする人も多いです。
また、上記の資格の他にも、
- グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)
- 公認水泳教師
- ヨガインストラクター
のような専門分野ごとの資格があります。
上記の例以外にもさまざまな民間資格が存在しています。
専門のスポーツ分野に関する資格を取得しておけば、指導者として生徒に接する知識をえることができるでしょう。
スポーツインストラクターの働き方の種類とその特徴
スポーツインストラクターは、大学などで専門知識を身に着けてから就職、もしくは契約社員やアルバイトを経てから正社員になる人も多いです。
スポーツインストラクターとして現場で働けるのは、30代までと言われています。
平均収入は200万円~300万円と低く、一般企業のように昇給もほぼないので、一生続ける仕事としては難しいのが現状です。
独立してフリーとして働いたり、スポーツ選手のトレーナー(スポーツトレーナー)に転身したりすれば、収入が伸びやすくなります。
スポーツインストラクターの雇用形態
- 正社員
- 契約社員
- アルバイト・パート
- フリーランス
スポーツインストラクターには、正社員・契約社員・アルバイトなどさまざまな働き方があります。
近年は契約社員やアルバイトなどが中心となり、正社員への採用は狭き門といわれています。
なかにはフリーランスとしていくつものフィットネスクラブやスポーツジムを掛け持ちしている人もいます。
正社員のスポーツインストラクター
正社員のスポーツインストラクターの場合、フィットネスクラブやスポーツジムの社員として働きます。
スポーツインストラクターとして人気がでたり、専門的な資格を取得したりすると、次第に昇給していきます。
一般的なサラリーマンと比べると高給が見込めるという職業ではありませんが、スポーツが好きという理由で働く人が大勢います。
ただし年齢を重ねてスポーツインストラクターとして現場で働き続けるのは難しいため、なかには、スポーツトレーナーに転身したり、事務職や管理職など別な部署に異動したりして会社に残ったりする人もいます。
契約社員のスポーツインストラクター
契約社員は、1年や半年など期間を限定して雇用関係を結びます。
仕事内容は契約先のクラブによって違い、利用者への指導に限られるところもあれば、社員と同等の仕事を任されるところもあります。
契約社員の場合、年収は社員より低くなり、また社会的な手当やボーナスもないことが多いです。
さらに1年や半年ごとの契約となるため、人気が出なかったり仕事ぶりが認められなければ契約も更新されないというシビアな雇用形態です。
アルバイト・パートのスポーツインストラクター
アルバイトは、たいてい仕事内容は利用者への指導に限られ、報酬は時給で支払われます。
時給は経験や人気、あるいは勤務日や時間帯などによって800円から2000円程度です。
近年は経費削減のため、フィットネスクラブやスポーツジムでは契約社員やアルバイトの雇用が増えています。
ただし、契約社員やアルバイトから、社員に採用されることも少なくありません。
フリーランスのスポーツインストラクター
先にも挙げたとおり、フィットネスクラブやスポーツジムでスポーツインストラクターとして働けるのは、だいたい20代から30代までです。
それ以降も続けるには、よほど人気が出るか、フリーとして独立するかのどちらかになります。
きちんとした収入を得るためには、他のインストラクターにはない指導方法や楽しい指導方法などを考え、人気を集めていくことが大切です。
フリーのインストラクターが生活をするには、いくつものフィットネスクラブやスポーツジムを掛け持ちしないと難しいため、生き残っていくには都市部でなければ難しいのが現状です。
集客力がそのまま収入に響き、お客さんが集まらなければ時給も下がる厳しい世界ですが、自分のペースに合わせて働け、他の仕事とかけ持ちをしたり、家事や育児と両立したりしながら働くことも可能です。
副業でスポーツインストラクターになることは可能?
副業をする人が増えている中で、スポーツインストラクターを副業として検討している人もいるのではないでしょうか。
スポーツインストラクターは決まった資格が必要ないので、誰でも副業としてはじめることが可能です。
教える種目の専門知識は必要ですが、指導者として人に教える能力や、生徒を惹きつけるコミュニケーション能力など、本業でも活かせる能力を身につけられます。
本業の会社の規定で禁じられていないのであれば、スポーツインストラクターは副業として魅力のある選択肢の一つと言えそうです。
スポーツインストラクターに向いている人は? 適性を知る
スポーツインストラクターを目指すのであれば、どのような人に適性があるのか知っておいた方がよいでしょう。
スポーツインストラクターになるには、以下の特徴をもつ人が望ましいです。
- スポーツが好きで運動神経は水準以上
- 面倒見がよくコミュニケーション能力がある
- 自己管理がしっかりできる
スポーツが好き
スポーツと毎日関わり、人に教える立場なので、自分自身も体を動かしてスポーツをするのが好きな人が向いています。
とくに、指導を担当する種目については深い知識と経験が必要でもあるので、好きでなければ続けられないと言えます。
生徒がスポーツを楽しみ、親しめる雰囲気を作れるスポーツインストラクターになるには、自身がスポーツを好きである必要があります。
面倒見がよい
上達速度が異なる生徒を、一人ひとり気にかけられるのはスポーツインストラクターとして大切です。
運動神経には個人差があるので、どんな生徒もスポーツを楽しめる気配りは欠かせません。
自己管理がしっかりできる
スポーツジムなどの会員は、生活習慣病の予防やダイエットを目的としている人も多いです。
自己管理ができていないと、このような人に対して指導しても説得力がありません。
スポーツインストラクターには、栄養管理と適度な運動も仕事の一部として自己管理ができることも必要です。
スポーツインストラクターになるには? のまとめ
スポーツインストラクターになるには、必須の資格や学歴はありません。
しかし就職に有利になったり、専門知識を十分に身に着けたりする点で役立つことから、現代ではスポーツ・健康系の大学や専門学校で学び、スポーツインストラクターになるのが一般的なルートになっています。
スポーツインストラクターになるには、大学や専門学校で知識を身に着けつつ、資格を取ってスポーツジムなどに就職するのが一般的です。