歯科衛生士の働き方の種類・雇用形態



歯科衛生士の雇用形態

歯科衛生士はさまざまな雇用形態で働くことができます。

それぞれの理想の働き方ができる点にメリットを感じて歯科衛生士を志す人も多いです。

正社員もしくはアルバイト・パートでの募集が多いですが、なかには紹介予定派遣やフリーランスとして働く人もいます。

正社員の歯科衛生士は、基本的には一般企業の会社員と同じように1日8時間程度の勤務となり、診療時間が長い職場では早番・遅番などに分けてシフトが組まれます。

パートやアルバイトの場合は、勤務日や時間を柔軟に選べるため、家庭や子育てと両立したい人でも働きやすくなりますが、給与・待遇は正社員に劣ります。

ある程度の実務経験がある歯科衛生士であれば、フリーランスとして複数の歯科医院を掛け持つなどより柔軟な働き方が可能となります。

それぞれの雇用形態について詳しく解説します。

正社員の歯科衛生士

正社員の歯科衛生士の仕事内容

正社員の歯科衛生士の仕事内容は勤務先によって異なりますが、基本的にはそれぞれの勤務先において歯科衛生士が求められる業務全般を任されます。

たとえば一般歯科の場合、基本的な3つの業務(診療補助、保健指導、予防処置)を全般的に担うことになります。

さらに、矯正歯科や審美歯科などの専門領域に特化した医院では、それぞれの専門知識やスキルを身につける必要があります。

仕事内容としてはアルバイトやパートの歯科衛生士とそれほど変わりませんが、ほかのスタッフを指導する立場にもなるため、勤務先の業務は一通りこなせる人が多いです。

正社員の歯科衛生士のメリット・デメリット

正社員の歯科衛生士は業務全般を担うため、ほかの雇用形態のスタッフよりも覚えることが多く、診療が長引いたら真っ先に残業を任されるといったデメリットがあります。

一方で、給与や待遇はアルバイト・パートの歯科衛生士よりも良いのが一般的で、女性にとって関心の高い産休や育休などが取りやすい職場も多いです。

歯科衛生士は資格職なので、出産などで退職をしても復職できる可能性がほかの職業より高いのが特徴です。

ただし、ブランクが生まれると新卒の応募者がライバルとなるため、誰でも簡単に再就職できるわけではありません。

正社員であれば籍を置いたまま育児に専念できるので、出産・育児と両立しながら働きたい人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

派遣の歯科衛生士

派遣の歯科衛生士の働き方

歯科衛生士の雇用形態として「派遣」を選んだ場合、どういった働き方になるのでしょうか。

厳密にいうと、歯科衛生士の派遣は派遣法で禁止されています。

これは歯科衛生士に限らず、医師歯科医師薬剤師看護師なども同じで、医療従事者は原則禁止となっています。

しかし、歯科衛生士が派遣として働けないのかというと、そうではありません。

紹介予定派遣という働き方や、常勤の歯科衛生士が産休・育休を取得している間だけの「代替要員」としてであれば、派遣社員や派遣アルバイトといった形態で働くことが認められています。

「紹介予定派遣」とは、登録した派遣会社から医院などへ派遣され、一定期間働いたのち、双方が合意すれば派遣先と直接雇用契約を結ぶといったスタイルです。

紹介予定派遣のメリットは、派遣会社が医療機関と派遣の歯科衛生士とのマッチングをしてくれるので、求人を自分で探す必要がない点にあります。

また、勤務条件(勤務時間、時給)などの待遇については書類上で提示されていますが、具体的に交渉をすすめるのは派遣会社なので、希望条件の相談も可能です。

派遣の歯科衛生士の時給・待遇

紹介予定派遣や代替要員として働く歯科衛生士の時給は、アルバイトの時給と大差ありません。

しかし、派遣会社のシステムによってはアルバイトよりも高めに求人が出されている場合があります。

なぜなら、派遣の場合は事務的なコストがかからないからです。

歯科医院に限らず、企業が正社員やアルバイトを直接雇うとなると、シフト調整や給与計算、社会保険、雇用保険、有給休暇の調整などが必要となり、多くのコストがかかるうえ、これらの事務処理を社内でおこなわなければなりません。

保険料の負担や有給休暇は給与として手にできるお金ではありませんが、雇用先の会社が負担する福利厚生です。

直接雇用では福利厚生が充実する反面、時給は低くなってしまいます。

一方、派遣の場合は「時間×時給」の計算だけをおこない派遣会社に支払うといった簡易な処理となるため、採用コストや事務的なコストがかからず、働いた分が直接時給に反映されやすいのです。

派遣の歯科衛生士の仕事内容

紹介予定派遣の歯科衛生士の仕事内容は、正社員の歯科衛生士の仕事内容とほとんど変わりません。

しかし、派遣期間中の歯科衛生士は、勤務先に直接雇用されている正社員の歯科衛生士に任されている仕事であっても、派遣は業務外であるとして区別され、担当できない場合があります。

派遣の歯科衛生士のメリット

紹介予定派遣の歯科衛生士のメリットは、

・勤務条件に合致したものを選べる
・勤務条件などの伝えにくい交渉は派遣会社が間に入ってくれる
・契約期間が決まっているためあっさりとした人間関係で働ける

などです。

歯科医院に勤務した場合、人間関係に悩む歯科衛生士も多いです。

そういった場合には、歯科医院で実際に働いてみてから雇用契約を結べる「紹介予定派遣」という働き方もあるので、求人を探す場合に覚えておくとよいでしょう。

アルバイト・パートの歯科衛生士

アルバイト・パートの歯科衛生士の仕事内容

歯科衛生士は、正社員以外にもアルバイト(パート)という働き方ができます。

アルバイトと正社員の歯科衛生士の仕事内容に差はほとんどありません。

いずれも歯科衛生士という国家資格を保有しているので、歯科に関する一定の知識、レベルは保証されていると受け取られます。

もし、経験年数が浅い、ブランクがあるなどの場合は、実地で勉強する謙虚な姿勢で現場に臨むようにしましょう。

また、歯科医院でアルバイトを雇用する場合、正社員と同じ時間帯ではなく、正社員でカバーしきれない時間帯にシフトが組まれるケースが多いです。

正社員の歯科衛生士と一緒に働かない場合は、たとえアルバイトでも責任感が不可欠です。

引き継ぎ事項などをはじめ、報告、連絡、相談など社会人として基本的な事柄を伝えられるようにしましょう。

アルバイトの歯科衛生士の待遇

アルバイトの歯科衛生士の待遇は、正社員の歯科衛生士とほとんど変わりません。

賞与などはやはり寸志程度になりますが、残業もほとんどなく、看護師のように夜勤もありません。

アルバイトであっても歯科衛生士という国家資格があるので、診療のサポートや歯科に関する知識全般に関しては、ほかのスタッフよりも歯科医師からの大きな信頼を得ることができ、やりがいを感じられるでしょう。

アルバイトの歯科衛生士の時給

アルバイトの歯科衛生士の時給は、地方によって差があります。

首都圏では時給1,500円〜2,000円、地方では時給1,000円〜1,200円程度が相場となっています。

ただし、実務経験の年数や年齢によって上下するため、実際は面接時や採用後に人柄を見て決定されることが多いです。

賞与の有無や程度、昇給の有無、認定資格保有者への手当の有無なども、歯科医院によってさまざまです。

時給だけで決めてしまわずに、福利厚生など待遇面も尋ねることが大切です。

フリーランスの歯科衛生士

実務経験を積んだ歯科衛生士のなかには、フリーランスに転身する人もいます。

欧米ではフリーランスの歯科衛生士の存在はあまり珍しくなく、日本でも少しずつ増えています。

主な働き方としては、個人事業主として医院・病院と契約を結び、決められた条件のもと勤務するスタイルが一般的です。

たとえば、A医院では日給15,000円で週に2回、Bクリニックでは日給18,000円で週に1回といったように、複数の医院を掛け持ちすることも可能です。

仕事内容はほかの雇用形態と変わらないため、経験を積んだ歯科衛生士であればハードルもそれほど高くありません。

働く日数や時間、場所を柔軟に決められるので、自由に働きたいと考える歯科衛生士にとっては魅力的な働き方だといえます。

ただし、安定して仕事があるとは限らない点はフリーランスに共通のデメリットです。