歯科衛生士の求人募集の状況・就職先の選び方
歯科衛生士の就職先にはどんなところがある?
歯科衛生士のほとんどは歯科医院で働いています。
歯科医院やクリニックは全国に存在し、コンビニの数より多いとされています。
都心や田舎、住宅街を問わず、歯医者さんはどこにでもあるため、自宅に近い場所を選びやすく、家庭や子育てと両立したい女性もたくさん働いています。
一方、歯科医院以外を勤務先として選ぶ歯科衛生士もいます。
総合病院や介護施設、保健センター、歯科材料メーカーなどがその一例です。
同じ歯科衛生士でも勤務先によって仕事内容が大きく変わることがあります。
歯科医院で働く歯科衛生士
歯科衛生士は一般的に、歯科医師が治療する際の補助、歯垢や歯石の除去・フッ素の塗布といった予防処置、歯みがき指導などの保健指導の3つ業務を主としておこないます。
歯科医院では幅広い歯科疾患を扱うため、歯科衛生士として求められるこれらの業務全般を担うことになります。
大学病院・総合病院で働く歯科衛生士
複数の診療科をもつ大型病院では、歯科や口腔外科が主な勤務先となります。
歯科医院で働く歯科衛生士と同じく、治療補助や予防歯科、保健指導などの基本的な業務を担うほか、手術の補助や口腔ケアといった大型病院ならではの仕事もこなします。
一般病棟から集中治療室(ICU)までさまざまな患者さんを受け持つため、それぞれの疾患に応じた対応が求められます。
歯科だけでなく医科の知識も必要となるでしょう。
介護・福祉施設で働く歯科衛生士
高齢者の健康には「健全な食生活」が欠かせません。
歯科衛生士による高齢者の口腔ケアの需要はどんどん高まっており、介護施設や福祉施設で働く人も増えてきています。
主な業務内容は、咀しゃくや飲み込む力を強くする「摂食・嚥下指導」、食後に口内をきれいにするお手伝い、口まわりの筋肉を鍛える体操の指導などです。
歯科治療の補助にあたることはほとんどありませんが、高齢者や要介護者の健康をサポートするやりがいのある職場だといえます。
20代で正社員への就職・転職
歯科衛生士の求人の状況
人手不足に悩む現場は多い
美容や健康に気を遣う人が増えている現代では、歯への関心が高まるとともに、歯科衛生士の需要もどんどん大きくなっています。
しかし、歯科衛生士の数はまだ不足しており、常に求人をかけているような歯科医院も少なくありません。
現状として、歯科衛生士の資格を持っている人のうち、実際に歯科衛生士として職に就いているのは半数以下ともいわれています。
結婚や出産を機に辞めて復帰しない人や、コミュニケーションがうまくとれずに現場を離れてしまう人など、諸々の事情があるようですが、現場のニーズは高いだけに、これから歯科衛生士を目指す人にとってはチャンスといえるでしょう。
活躍の場はさまざま
歯科衛生士の国家資格を持っていれば、日本全国どこでも歯科衛生士として働くことができます。
資格は一生有効なので、一度辞めたとしても再び現場復帰できる可能性は充分ある仕事です。
歯科衛生士の活躍の場は歯科医院だけに留まらず、保健センターや老人保健施設、企業の診療所など数多くあります。
高齢化社会が進むなか、お年寄りの在宅治療の需要も高まっているなど、活躍のフィールドはどんどん広がっています。
求人数が圧倒的に多いのは個人開業の歯科医院です。
まずは数年間経験を積み、その後、歯科衛生士としてさらなるステップアップのために転職を目指す人も少なくありません。
常に患者さんへの思いやりを忘れず、確かな技術を身につけた優秀な歯科衛生士は、どんな現場でも活躍することができるでしょう。
歯科衛生士の就職先の選び方
将来のキャリアを考えて選ぶ
歯科衛生士はさまざまなキャリアパスが選択肢となる職業です。
実務経験を積み「衛生士長」としてほかの歯科衛生士をまとめる役職に就く、専門分野の認定資格を取ってスペシャリストとして活躍する、ケアマネージャーの資格を取って福祉の分野で働くなど、歯科衛生士のキャリアは幅広いのが特徴です。
勤務先によって仕事内容やできることが異なるので、自分がどんな歯科衛生士になりたいかを考えておくことが大切です。
キャリアアップを目指すなら幅広い知識が身につく一般歯科、認定資格を目指すなら特定分野(リハビリ、在宅療養、インプラントなど)を専門とする歯科医院、介護に関心があるなら福祉施設といったように、自分の将来像に合った職場を選ぶと、入社後のギャップを感じにくいでしょう。
自分に合った働き方から選ぶ
歯科衛生士は勤務先ごとに柔軟な働き方ができるので、どんな働き方をしたいかによっても適切な職場が異なります。
将来的に歯科衛生士としてキャリアアップをしたい人や、給与・待遇を重視する人は、正社員の募集がある歯科医院や病院へ勤務するとよいでしょう。
一方、家庭や私生活と両立させたい人は、アルバイト・パートを募集している歯科医院や、定時で退社しやすい保健センターなどに就職するのがおすすめです。
歯科衛生士として成長できる職場を選ぶ
歯科衛生士は国家資格を取得すれば就ける職業ですが、現場に出たあとも覚えることや勉強することがたくさんあります。
医療の現場は日々進歩しているので、治療や保健指導に関する知識やスキルもアップデートしていく必要があります。
研修カリキュラムが充実していたり、勉強会やセミナーへの参加を推奨したりと、学びの環境が整っている職場を選ぶと歯科衛生士として成長できます。
20代で正社員への就職・転職
歯科衛生士の志望動機・面接
歯科衛生士の志望動機
歯科衛生士を目指す人の志望動機として多いのは、「役に立つ資格を取りたい」「医療に関わる仕事がしたい」「手に職をつけたい」といったものです。
このように「医療系の職種は就職に困らない」といった動機を持つのも悪くはありませんが、歯科衛生士は自分本意な考えだけでは務まらない仕事でもあります。
患者さんがいてこそ成り立つ仕事なので、患者さんの健康を思う気持ちや、人の力になりたいという気持ちを持ち、アピールすることが大切です。
歯科衛生士の面接でよく聞かれること
歯科衛生士の面接で最もよく問われるのは、やはり志望動機です。
「歯科衛生士になりたいと思ったきっかけ」や「なぜこの歯科医院を志望するのか」ということは、きちんと答えられるようにしておきましょう。
転職活動の場合であれば、「なぜ前の職場を辞めたのか」ということもよく問われます。
たとえ労働条件や職場環境が合わずに辞めたとしても、愚痴や文句に聞こえるようなことを言うと「うちもすぐに辞めるのでは…」と思われてしまい、良い結果につながりません。
その医院でしかできないスキルアップを望んでいることを伝えるなど、志望先の歯科医院の特徴を押さえた上で、前向きな志望動機を述べることが大切です。
就職先はどのように探したらいい?
歯科衛生士の就職先を探すには、専門学校・大学から紹介を受けるほか、就職エージェントを利用する方法があります。
最近はインターネットの求人サイトで歯科衛生士の募集を実施している歯科医院・病院も多いです。
より自分の希望に合った就職先を見つけるには、求人サイトを利用して応募先を探しつつ、就職エージェントにも登録してサポートを受けるのがおすすめです。
エージェントではインターネットの求人サイトとは異なり、非公開の求人を教えてくれたり、担当者がついて履歴書や面接のアドバイスをしてくれたりします。
また、歯科医院が直接スタッフを募集しているケースもあります。
自宅近くの職場を探している場合は、歯科医院に直接問い合わせたりホームページを確認してみたりするとよいでしょう。