臨床検査技師の就職先、活躍の場

臨床検査技師の就職先の種類

臨床検査技師の勤務先は、おもに病院、検査センター(外注検査の請負い機関)、健診センター、保健所などですが、その他にもさまざまな就職先があります。

勤務先の違いにより、臨床検査技師としての仕事内容や生活スタイルにも違いが出てきます。

ここでは、さまざまな勤務先と、そこで勤務する臨床検査技師の勤務内容について紹介します。

病院で働く臨床検査技師

臨床検査技師となった人の多くは、検査部門を持っている大きめの病院病院の検査部で働くことになります。

病院では外来患者さんや病棟患者さんと接する機会も多く、ある程度のコミュニケーションスキルも必要です。

また、時代が進むにつれて医療機器も進歩し続けており、最近は人の手を介さずとも検査が可能になっている一面があります。

こうした事実は、臨床検査技師にとっては厳しいものだといわざるを得ず、3年契約、5年契約の臨時職員しか採用しない病院もあります。

そのため病院正職員を希望する多くの臨床検査技師は、自分の勤めている検査部に関連する認定資格を目指します。

日本臨床衛生検査技師会の認定する資格には、「超音波検査士」「細胞検査士」のほか、「認定血液検査技師」や「認定臨床微生物検査技師」などがあります。

それぞれ関連する検査の実務経験が必要であったり、所定の講習会を修了する必要がありますが、その分野で一定の実力があることを証明でき、就職の際、有利に働くこともあります。

また、検査部のある病院には入院施設や救急救命部がある場合が多いため、夜中に緊急検査ができるよう、夜勤当直がある場合も多いです。

検査センターで働く臨床検査技師

臨床検査技師のおもな就職先として、検査センターもあげられます。

検査センターでは、検査室のない小さな病院の検査や、あまり頻繁に行わない特殊な検査などを受注し、検査結果を発注元の病院に送付します。

おもにアレルギー検査や、自己免疫疾患の特異的マーカー、腫瘍マーカーのなど、特殊な抗体の有無を検査することが多くあります。

このような特殊な抗体の検査は、ある特定の腫瘍や難治疾患が疑われるときにのみ有効な検査であり、これらを外注で済ませることで、病院の設備費用や人件費の節減になります。

検査センターへの検査の発注は昨今ではコンピューターで行えますが、比較的大きな病院では、外注機関の病院担当者が常駐していることもあります。

もっとも有名な検査センターのひとつとして「SRL」があり、臨床検査受注のほか、検査用試薬の開発販売や治験支援も行っています。

健診センターで働く臨床検査技師

健診センターは、検査に特化した施設で、企業の定期健診などを専門に行います。

このような場所でも臨床検査技師が活躍しています。

病院の検査部、検査センターなどでは検査値が異常値を示す人が多いですが、健診センターの場合は働き盛りの若い人も多く、健康な人と接する機会が比較的多いのが特徴です。

健康診断で検査データに異常が見られた際は、程度によっては病院の精密検査を促すことも健診センターで勤務する人の仕事です。

生活改善によって健康な状態を維持できそうな人には、管理栄養士や保健師、医師が生活に関するアドバイスなどを行います。

健診センターは、就職健診ラッシュの4月・9月などは非常に多忙であり、残業もほぼ毎日のようにありますが、繁忙期がはっきりしているため、予定の立てやすい職場ではあります。

保健所、自治体の健診センターなどで働く臨床検査技師

公務員として、自治体の保健センターや保健所に勤務する臨床検査技師もいます。

公務員として働くには、保健所などでの試験や面接以外に、公務員試験にも合格しなければなりません。

公務員となった場合は保健センターや保健所の開館時間≒勤務時間であるため、比較的残業は少なく、夜勤当直もありません。

保健センターでの業務は、市民の皆さんの定期健診などの際に検体を集めて検査したり、身長・体重・腹囲の測定や、採血をしたり、心電図を撮ったりします。

病院よりも健康な方の相手をすることが多いですが、油断せず、注意深く検査を行い、異常があった際は文書などで本人に通達します。

自治体によって違いがありますが、公務員として事務処理をしたり、センターの管理をすることもあります。

健康維持・促進のための啓発運動などを行うこともあります。

治験コーディネーターとして働く臨床検査技師

治験コーディネーターとして活躍する臨床検査技師も、最近は比較的多く見られます。

治験コーディネーターは、被検者のかたと治験を行う医療機関との調整役として、被検者と共に動き、治験が仕様書に沿って正しくおこなわれているかをチェックします。

治験は日本全国さまざまな地域でおこなうため、1つの仕事が終わり、事務所で報告書を作成・提出したあと、帰宅する間もなく次の勤務地へ向かうこともあります。

移動が多い仕事ですが、あちこちを飛び回って働きたい人には向いている職種ともいえます。

また、治験内容によって健康な人が被検者のこともあれば、病気の人が被検者になることもあるので、治験中も、常に被検者の体調などに気を遣う必要があります。

研究所・製薬会社・医療機器メーカーなどの研究員として働く臨床検査技師

臨床検査技師の免許取得後、大学院で博士後期課程を修了し、研究所や製薬会社、医療機器メーカーなどで研究開発に携わる人もいます。

研究開発に携わる場合は、持っている免許の種類より学歴を重視されるため、理系分野の博士号を持っていることが応募資格としてあげられることがよくあります。

将来的に研究に携わりたい人は、大学院に進むことも考えて大学を選ぶとよいでしょう。

臨床検査技師の免許をいかし、更なる資格を得て働く臨床検査技師

以上のように、臨床検査技師は医療系資格取得者のなかでは幅広い領域で働くことができる職業ですが、やはり専門性の高い仕事でもあり、就職先はある程度限定されてきます。

そこで、「臨床検査技師免許を取得していること」が受験資格となる、別の資格を取得して、その後の仕事にいかす人もいます。

治験コーディネーター(CRC)もそのひとつですが、その他に

・心臓リハビリテーション指導士
・日本糖尿病療養指導士

なども、医師・看護師・臨床検査技師などの免許が必要となる資格です。

その他、不妊治療に携わって実務経験を積んだのち、認定臨床エンブリオロジストや体外受精コーディネーターになる人もいます。

病院で臨床検査技師として働くかたわら、診療情報管理士としても働く人もいます。

今後、更なる機械化やAIによる診断システムなどが確立されると、臨床検査技師だけでなく、医療従事者の多くが淘汰される可能性はいなめません。

また、幅広く活躍するためにも、ゆくゆくは臨床検査技師と併せて、こういった医療系の資格にトライすることも考えたほうがよいかもしれません。

どのような人と関わり、どのような仕事をしたいのかを熟慮し、それに必要な資格をプラスしていくことで差別化をはかるとよいでしょう。