救急救命士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
救急救命士に向いている性格・適性
「人を助けること」への強い使命感がある
救急救命士の仕事は、医療に関わる仕事の中でも大きな責任を負う仕事です。
傷病者の中には一刻を争う患者もいて、病院に着くまでの救急救命士の処置が生死を分ける場合もあるからです。
そういった精神的重圧のうえ、24時間勤務という肉体的なきつさも加わるので、離職してしまう人も多くいます。
ハードな割にお給料は特別高いわけではないので、「医療業界でお金をたくさん稼ぎたい」と思っている人にはあまり向いていないかもしれません。
しかし、すぐに処置が必要な傷病者のもとへ一番に駆けつけ、救いの手を差し伸べることができるのは救急救命士です。
純粋に「人を助けることのできるやりがいのある仕事がしたい」という強い意志のある人にこそ向いている仕事といえるでしょう。
また、「医師や看護師ではなく救急救命士として人命を助けたい」という使命感が大切です。
体力に自信がある
救急救命士の仕事は勤務体制も特殊です。
基本的に24時間の長時間勤務となっていて、途中で仮眠や休憩の時間が設けられているとはいえ、通報の際にはすぐに出勤する必要があります。
十分な睡眠がとれなくても冷静な判断が必要になる場面は多く、たとえ非番や休みが多いとしても体力的に過酷な仕事です。
不規則な生活のなか、すぐに体調を崩してしまうことのないような強さが求められます。
体力に自信のある人でないと務まらない仕事といえるでしょう。
日頃から体力維持のためのトレーニングを積んでおく、食事など栄養面にも気をつけるなどの努力が必要です。
ものごとを冷静に判断する精神力がある
同時に、救急救命士にとって何よりも大切なのは、どんな傷病者を前にしても、常に冷静沈着で適切な判断を下す精神力があることです。
救急救命士の仕事では、時には大きな事故などの現場で目を覆いたくなるような悲惨な状態を目にすることもあります。
重篤化する傷病者の家族が泣き叫ぶような場面もあるでしょう。
そのような場合でもパニックに陥ることなく、救急救命士として最善の処置を素早く冷静におこなう必要があります。
経験の浅い時期には難しいことかもしれませんが、少しずつ精神力を強める努力を怠らない人が向いているといえるでしょう。
救急救命士に必要なスキル・能力
強い責任感
救急救命士は、医師の指示を仰ぎながら緊急時の医療処置を行える仕事です。
自分の処置によって人の命を助けることができる反面、少しの判断ミスによっては取り返しのつかないことにもなってしまいます。
とてもやりがいのある仕事ではありますが、同時に強い責任感が求められます。
人の命を預かる仕事であることをよく理解し、どんな時でも自分の判断・処置に責任を持った行動のできる人が必要とされています。
また、責任をまっとうするためには冷静な判断力、体力維持や最新医療に関する知識の習得なども不可欠なので、常に努力する姿勢も大切です。
勤勉さ・誠実さ
救急救命士国家試験に合格するには知識や技能が必要ですが、それさえ知っていれば後は経験を積むだけというわけではありません。
医療技術や機器は常に発展し続けていることから、さまざまな医療機器を使いこなせるように、日々医療に関する知識の習得に積極的であることが必要です。
また、勤務のなかで経験を積み、その経験を糧に勉強を重ねる勤勉さも大切です。
そして、人の命に関わる責任重大な仕事であるからこそ、真面目で誠実な人こそ向いている仕事だといえます。
コミュニケーション能力
また、救急救命士の仕事は、指示を出す医師や他の隊員、傷病者を受け入れる医療機関の従事者とスムーズに協力することも非常に大切です。
特に、傷病者の状態や経緯などを、その場にいない医師に的確に伝えるコミュニケーション能力は必要不可欠です。
それによって医師の指示、傷病者への処置、そして生死をも左右してしまう可能性もあるからです。
医療機関への引き継ぎの際にも適切な報告は欠かせません。
また、傷病者やその家族に対しての説明だけでなく、元気づけたり勇気づけたりといった思いやりのあるコミュニケーションも求められています。
救急救命士に向いていないのはどんな人?
気持ちの切り替えが苦手な人
救急救命士は重篤な患者に対応することが多い仕事です。
どんなに手を尽くしても助けることができない場合もゼロではありません。
そんな時には自分の処置が正しかったかどうか自信がなくなったり、責任を感じて落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、救急処置が必要な傷病者は他にもおり、次の判断に支障が出ないよう、いつまでも気持ちを引きずっているのは望ましくはありません。
そういった状況でも反省はしつつ、気持ちを切り替えることが必要となるでしょう。
また、自分で気持ちを切り替える方法を見つけ出すことも重要となります。
土日にしっかり休みたい人
救急救命士の仕事は24時間勤務のシフト制です。
月に数回は連休となることもありますが、基本的に勤務日と非番の繰り返しです。
緊急救命が必要な傷病者はいつ現れるかわからず、必ず誰かが勤務していなくてはいけないのですから、カレンダー通りの休みが取れるわけではありません。
ゴールデンウィークもありません。
そのため、家族が休みになる土日や祝日に合わせてゆっくり休みたいという人は、救急救命士には向いていないといえるでしょう。