航空管制官に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
航空管制官に向いている性格・適性
人の命を預かる使命感と責任感がある人
私たちが見上げる空の上にはたくさんの航空機が行き交っており、万が一、航空機が事故に遭ってしまったら大勢の人が犠牲になってしまいます。
そのような事態を未然に防ぐために、航空管制官は日々力を尽くします。
実際に航空機を操縦するのはパイロットですが、そのパイロットをつねにサポートし、離着陸の際やフライト中に的確な指示を出していくのは航空管制官の役割です。
定刻通りのフライトができ、お客さまが安心・安全に空の旅を楽しめるかどうかは、まさに航空管制官の腕にかかっているといえます。
そのため、まずは何よりも「大勢の人の命を預かっている」という強い使命感や責任感を持てる人が、この仕事には向いています。
「縁の下の力持ち」になれる人
空港で働く仕事や航空機に関わる仕事はたくさんありますが、航空管制官という職業は、パイロットや客室乗務員(CA)に比べると、あまりなじみのない存在かもしれません。
実際、一般の多くの人は空港に足を踏み入れたことはあっても、航空管制官の人と会ったことはほとんどないはずです。
しかし、航空管制官は航空業界にはなくてはならない重要な役割を担っており、まさに「縁の下の力持ち」的な存在だといえます。
あまり目立つポジションではなくても、「裏で支えることにやりがいを見い出せるか?」ということも、この仕事を続けていくには大切な要素です。
チームワークを大事にできる人
専門性の高い航空管制官の仕事では、一人ひとりのスキルや責任感がひじょうに大切です。
しかしながら、自分一人だけですべての航空機を管制するわけではありません。
何かトラブルがあった際には、他の管制官と一致団結して解決しなければならないこともありますし、普段から積極的に声かけをすることはトラブルを防ぐことにもつながります。
したがって、チームワークを大切に行動できる人も、この仕事に向いているといえます。
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航空管制官に必要なスキル・能力
英語力
航空管制官がパイロットと通信をする際には、英語を使うことが世界的なルールとなっています。
一部の業務では日本語も使われていますが、英語を使用する機会は圧倒的に多く、航空管制官になってからも英語力アップに努めなくてはなりません。
航空管制官の採用試験でも英語の試験が実施されます。
将来、航空管制官を目指すのであれば、少しでも早い段階から英語力アップのための勉強をしておいて無駄はありません。
空間認識力・記憶力
航空管制官は、レーダーを見て空を飛ぶ航空機の位置関係を正確に把握し、パイロットに的確な指示を出さなければなりません。
そのため、平面画面だけではなく、立体空間をスムーズにイメージできる能力が求められます。
また、一人の航空管制官が担当する飛行機は一機だけではありません。
ときには十機以上もの飛行機を同時にコントロールすることもあるため、ある程度の記憶力も要求されることになるでしょう。
これらの能力は訓練を重ねるうちに身に付いていくものですが、航空管制官採用試験の適性検査では、その素質があるかチェックされます。
冷静な思考と判断力
航空管制官は、自分の判断によってパイロットに適切な指示を出さなくてはならない場面に多く直面します。
もちろん、慣れないうちは先輩からアドバイスや指導を受けながら業務を進めることができますが、何かイレギュラーな事態があったときにも冷静さを保って、正しい判断ができることが重要になってきます。
業務上必要な知識や技術は、航空管制官になってから覚えることができます。
そのうえで、自分でしっかりと考え、判断していく力が求められるのがこの仕事の特徴です。
航空管制官に向いていないのはどんな人?
国家公務員である航空管制官には異動があります。
早ければ2~3年ごとに勤務地が変わり、まったく異なる環境で生活しなくてはならない可能性が高い仕事です。
また、勤務する空港が変われば、その場所に合わせた資格を新たに取得しなくてはならず、訓練や勉強の日々が続きます。
責任も重く、決して楽な仕事ではないため、「自分が航空管制官としてどうありたいのか」をしっかりと考え、モチベーションを保ち続けられるかどうかが、この仕事を長く続けるには重要なポイントだといえるでしょう。
何となくの憧れや理想のイメージだけで航空管制官になると、実際に働き始めてからつらい思いをしてしまうかもしれません。