航空管制官の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

航空管制官の仕事とは

航空管制官は、国土交通省に所属する国家公務員として、航空機が安全に離着陸し、他の飛行機にぶつからずに空を飛べるように指示や情報をパイロットに伝える仕事です。
上空にはたくさんの航空機が同じ時間に飛んでいるため、万が一ぶつかるようなことがあったら大変な事故につながってしまいます。

そのような事態を防ぐため、航空管制官は各航空機のパイロットに進路や高度をはじめとするさまざまな指示や許可を出し、安全にフライトができるように空の交通整理を行います。

何か突発的なトラブルが発生したときにも、航空管制官はすぐに状況を把握したうえで、パイロットに的確な指示を出します。

航空機を実際に操縦するのはパイロットですが、航空管制官はその心臓部分であり、大勢の乗客やスタッフの命を預かるという重大な役目を担っています。

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航空管制官の業務の内容

管制塔での管制業務

全国各地の空港にある管制塔では、おもに離陸・着陸の許可や、地上走行の経路などをパイロットに指示します。

具体的な管制塔の業務は、大きく以下の4種類に分けられます。

・滑走路を使う順番を決めて離陸や着陸の許可を出す
・誘導路の進み方を指示する
・飛行コースや高度を出発前に承認する
・レーダー管制室や航空交通管制部にいる管制官などとの連絡や調整をする

それぞれの業務を、別の航空管制官が担当することが多いとされています。

レーダーを使った管制業務

目では見えない空の上を飛んでいるフライト中の航空機は、レーダー室と呼ばれる部屋でレーダーを使用することによって位置をとらえることが可能です。

航空管制官はレーダーや無線を用いて刻々と変わる状況を把握し、航空機の飛行状況を確認しながら、パイロットに高度・スピード・進路の指示を出します。

また、滑走路近くの空域が航空機で混雑していた場合、どの順番で着陸させるかを判断し、離着陸の際の誘導や進入角度の指示なども行います。

航空管制官の役割

自由自在に空を飛んでいるように見える航空機ですが、じつは航空管制官の指示無しには離陸も着陸もできません。

空港の滑走路では次々と航空機が離着陸をするため、きちんとその順番を決めないと滑走路が大混雑してしまうだけでなく、衝突など事故の原因につながりかねません。

そのため、航空管制官がレーダーで各航空機の位置を確認し、パイロットに指示を出しながら交通整理をしていきます。

航空管制官は、フライト中に突発的なトラブルが発生したときにもすぐに状況を把握し、パイロットに的確な指示を出します。

実際に操縦するのはパイロットですが、航空管制官はその心臓部分として、大勢の乗客やスタッフの命を預かるという重大な役目を担います。

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航空管制官の勤務先の種類

国家公務員として働く航空管制官の職場は、札幌・東京・福岡・那覇の4カ所にある「航空交通管制部」と、全国各地の「空港」になります。

航空交通管制部と空港の航空管制官は、普段から連携をとりながら業務にあたっています。

他の国家公務員と同様、日本各地に転勤があることが特徴です。

航空交通管制部での仕事

航空交通管制部では、おもに日本の空域に出入りする航空機の管制を行います。

地域により、航空管制官一人当たり3つ~8つのセクターを担当し、セクターごとにパイロットに指示を出す「レーダー対空席」と、空港にいる管制官などとの連絡や調整をする「レーダー調整席」の2つの仕事に携わります。

空港の監視レーダーがとらえられる範囲を超えた航空機は、航空交通管制部で衛星通信によって位置がわかるようになっており、空域に応じて各航空交通管制部が管制業務を行います。

空港での仕事

各地の空港では、それぞれが管轄する空域内にいる航空機の管制をします。

空港での管制業務は大きく分けて2つの業務があります。

ひとつは「ターミナル・レーダー管制業務」、もうひとつは「飛行場管制業務」です。

ターミナル・レーダー管制業務

「レーダールーム」と呼ばれる部屋でレーダー画面を見ながら、航空機の飛行状況を確認したり、パイロットに高度やスピードの指示を出す仕事です。

航空管制官はレーダーや無線を用いて刻々と変わる状況を把握し、事故が起こらないように細心の注意を払って指示を与えなければいけません。

また、滑走路近くの空域が航空機で混雑していた場合、どの順番で着陸させるかを判断し、離着陸の際の誘導や進入角度の指示なども行います。

飛行場管制業務

管制塔の上部にある「タワー」と呼ばれる部屋で、空港周辺の管制を行う仕事です。

タワーは360度ぐるりと見渡せるようになっており、空域内にいる航空機を自分の目で見て確認します。

ここにもレーダーがあり、航空機に離着陸の許可を出したり、空港内の地上走行の指示を出したりと、役割を分担して業務にあたっています。

航空管制官の仕事の流れ

航空管制官は、持っている資格によって、携わることができる航空管制業務が異なります。

また、どの業務も高い集中力が求められるものであるため、業務の種類ごとに複数の航空管制官たちが仕事を分担して進めていくことが特徴です。

離着陸の管制を行う場合には、それぞれの航空機の位置をよく考えて、できるだけ待たされる航空機が出ないように離陸や着陸の順番を考え、パイロットに無線を使って指示を出します。

レーダーを使ってフライトの管制を行う場合には、航空機が安全に飛べるよう高度やスピードなどをつねに確認します。

航空機は事前に作られた「フライトプラン」に基づいて飛行をします。

行き交う飛行機の高度差や間隔は決められておりますが、状況に応じて高度調整をしなければならないこともあります。

また、天候が悪い日などは、上手く雷雲を避けて飛ばなければならないこともあります。

そこで、航空管制官は空の状態を確かめながらレーダーで航空機の飛行状況を見て、パイロットに高度や進路などに関する具体的な指示や許可を与えていきます。

航空管制官と関連した職業

航空管制官とディスパッチャーの違い

空港や航空機に関わり、航空管制官と似た職業に「ディスパッチャー」があります。

ディスパッチャーは、天候などの情報を基にした飛行計画「フライトプラン」を作成する仕事で「運航管理者」とも呼ばれます。

フライト前には、必ず機長とディスパッチャーがミーティングを行い、安全に飛ぶための計画を立てていきます。

また、搭乗するお客様さまの人数や貨物の数から航空機の総重量を計算し、目的地まで運航するために必要となる燃料の量やその他運航に必要となるデータを機長に提示します。

運航管理者がフライトプランにサインをすることで、航空機はフライトを行うことができます。

航空管制官が国家公務員であるのに対し、ディスパッチャーは航空会社や運航管理を専門に行う会社の社員として働きます。

就職後は2年間の現場経験を積み、国家資格である「運航管理者」と「航空無線通信士」の資格を取る必要があります。

航空管制官がおもに滑走路やフライト中の航空機の交通整理をする仕事であるのに対し、ディスパッチャーはフライト前に、安全なフライトをするための綿密な計画を立てる仕事であることが、両者の大きな違いといえます。

ディスパッチャーの仕事