気象予報士試験の難易度・合格率|独学でも合格できる?
過去には小学生の合格者もいますが、平均合格率は5%台であり、決して簡単な内容ではありません。
この記事では、気象予報士試験の難易度や合格率、そして独学で合格を目指せるのかについても解説しています。
気象予報士試験とは
まずは、気象予報士試験とはどのようなものなのか、試験の内容を紹介します。
実施時期は例年8月と1月の年2回
気象予報士は国家資格であり、資格を取得するためには国家試験に合格することが必要です。
気象予報士資格試験は「気象業務法」という法律に基づき、気象業務支援センターが実施しています。
この試験は法律で年1回以上実施することが決まっており、毎年8月と1月に2回行われるのが通例です。
国家試験に合格し、さらに気象庁長官から登録を受けることによって、初めて「気象予報士」と名乗って働けるようになります。
合否はどうやって決まる?
気象予報士試験は、選択式問題の「学科試験」と記述式問題の「実技試験」で構成されており、学科試験で合格点を獲得した場合のみ、実技試験の採点が行われます。
試験合格の可否は、学科試験・実技試験の両方の点数の合計が基準となります。
学科試験は一般知識・専門知識ともに15問中11以上正解、実地試験は満点の70%以上で合格とみなされます。
なお、例年、受験者数は8月の試験のほうが若干多い傾向にありますが、気象予報士資格試験は相対評価でなく、あくまでも個々の点数で合否を決める絶対評価です。
受験者数が多いからといって合格率が下がることはほとんどないため、その点は心配する必要はないでしょう。
年齢・性別・学歴問わず誰でも受験可能
気象予報士試験に受験資格はなく、年齢・性別・学歴問わず、誰でも受験することが可能です。
また、学科試験において合格した科目は1年間有効となるため、1年以内に再度試験を受ければ、前回合格した科目の受験を免除することができます。
20代で正社員への就職・転職
気象予報士資格試験の難易度・勉強時間
気象予報士試験がどのくらい難しいのかを、さらに詳しく説明します。
あわせて、試験合格までに必要な勉強時間の目安についても紹介します。
合格率は5%程度と低め
気象予報士の資格試験は、さまざまな国家試験のなかでも「難関」といえる部類に入るでしょう。
毎年、合格率は毎回5%前後となっており、不合格者の割合が非常に大きいです。
とくに実技試験の難易度が高いといわれており、実技では実際に天気図を自分で作成するといった、応用的な知識が求められます。
いわゆる「一夜漬け」に近い形や、付け焼刃的な勉強では合格はとても難しいといえます。
参考書や過去問などの活用、または民間スクールの講座や通信講座などを利用し、計画的に学習を進めていくことが大事です。
勉強時間の目安は約1,000時間といわれますが、独学であれば1500時間は必要と考えたほうがよいでしょう。
小学生や芸能人の合格者もいる
気象予報士試験は難易度が高いとはいえ、実際には10代のうちに合格を果たしている人も複数います。
たとえば、2017年には11歳の女の子が最年少で合格したことで話題となりました。
小学4年生から勉強を始め、2年間勉強し4回目の受験で合格したそうです。
また近年では、お笑い芸人の矢部太郎やジャニーズグループSnow Manの阿部亮平、元AKB48の武藤十夢など、芸能人が気象予報士資格を取得するケースも増えています。
仕事と両立しながらでもさまざまな工夫をすれば、合格を目指せるといえるでしょう。
気象予報士試験の受験者数・合格率
以下では、気象予報士試験の過去の受験者数・合格率のデータを紹介します。
気象予報士試験の受験者数
気象予報士試験の受験者数は3,000人前後で推移しています。2024年1月に行われた61回試験の受験者数は3,928人となりました。
気象予報士試験の合格率
気象予報士試験の合格率は、4%~5%台を推移しており難易度が高い試験といえます。第61回試験の合格率は6.2%となりました。
20代で正社員への就職・転職
気象予報士は独学で合格できる?独学時のポイントと注意点
気象予報士試験は難しいですが、独学で合格を目指すことも不可能ではありません。
ここでは、独学をする際のポイント・注意点を解説します。
独学での合格も目指せる
気象予報士の資格試験は難しいことで知られており、合格率は平均5%ほどと決して高くありません。
しかし、気象予報士試験に出題される問題の範囲や形式はほとんど決まっています。
また、書籍やインターネットなどから過去問を入手することもできるため、対策をしっかりすれば独学で目指すことも可能です。
実際、通信教育や資格の予備校、スクールなども数多くありますが、それらを利用せず、独学で勉強して気象予報士の資格を取得した人もいます。
独学は大幅な学費の節約になりますし、自分の知識量や生活のペースに合わせて計画を立てることができるのがメリットです。
また、気象予報士試験の内容は、高校や大学で学ぶ地学や物理の延長上なので、理系分野が得意な人であれば、すでに持っている知識をベースに効率的な学習ができるでしょう。
独学の学習スタイル
独学の場合の勉強量は、個人の学力や知識量によって大きく異なりますが、通信教育や予備校の標準学習期間が8~10か月であることを踏まえると、最低でもこれくらいの期間は考えておいたほうがよいでしょう。
実際、一度の受験で合格する人は少なく、トータルで2年から3年ほどかかる人が多いです。
「高校で化学や物理をまったく勉強していない」「数学の微分積分がわからない」など、気象に関するベースの知識がない人は、長期戦になることを覚悟したほうがよいでしょう。
学習の方法としては、テキストの熟読に加え、とにかく過去問をたくさん解くことが大事です。
とくに難しいとされる実技対策としては、とにかく数をこなし、いくつものパターンを体に叩き込むことがポイントとなります。
令和6年度 気象予報士試験の概要
試験日 | 年2回、8月と1月に実施。 第62回:令和6年8月25日(日) 第63回:令和7年1月26日(日) |
---|---|
試験地 | 北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県 |
受験資格 | 受験資格の制限はありません。 |
試験内容 |
試験内容・試験は学科試験と実技試験があります。 試験の一部免除について・学科一般・専門のいずれか,または両方に合格された方については,申請により合格発表日から一年以内に行われる当該学科試験が免除されます。 |
試験科目 |
学科試験の科目1.予報業務に関する一般知識 実技試験の科目1.気象概況及びその変動の把握 |
合格率 | 6.2%(第61回) |
合格発表 | 第62回:令和6年10月11日(金) 第63回:令和7年3月14日(金) |
受験料 | 11,400円 |
詳細情報 | 財団法人 気象業務支援センター |
気象予報士試験の難易度・合格率
気象予報士試験は年に2回実施されており、毎回の合格率は5%前後で、決して高くありません。
とはいえ、独学で合格を果たしている人もいますし、過去には小学生の合格者も出ています。
効率的に合格を目指すのであれば、市販のテキストや過去問題集などを活用し、きちんとポイントを押さえて勉強をすることが重要です。
独学に不安があれば、スクールや通信講座を活用するのもよいでしょう。