歌手の働き方の種類
専業で働く歌手
現在、プロ歌手として生計を立てている人の多くは、音楽事務所やレーベル会社と契約を結び、歌手活動を行っています。
歌手活動に専念しているプロの場合、新曲のプロモーションから取材、楽曲の制作からライブの出演までさまざまな仕事を行い、売り上げに応じて収入を得ることができます。
また、歌手をしながらテレビドラマや映画などに出演したり声優として声の仕事をしたりすると、そのぶんの報酬が収入に反映されます。
私たちがテレビで見かける人気歌手のほとんどが、プロとして専業で働いています。
20代で正社員への就職・転職
兼業で働く歌手
その一方で、歌手として活動している人のなかには、専業の歌手とは違うスタイルで働いている人もいるのです。
この世界では、デビューをせずに個人的に歌手活動を行っていたり、他の仕事と兼業で活動をしていたり、歌唱力を生かせるアルバイトをしながら経験を積んでいたりするケースも少なくありません。
ひと昔前までは、「上京してオーディションやスカウトを受け、大手のレーベルや音楽事務所と契約をし、CDをリリースしたりテレビに出演したりして、人気を集めながらプロになる」というのが、歌手を目指す人にとっての当たり前のルートでした。
しかし、最近ではインターネットの動画チャンネルで自作の歌を公開したり生演奏をライブ配信をしたりする歌手も増えており、学生生活を送ったり社会人として働いたりしながら歌手の活動をすることも珍しくなくなっています。
プロでもアマでもない、いわゆる「セミプロ」といわれるような存在の人たちです。
こうした人たちは兼業で歌手活動をしているので、収入が安定していたり規則的な生活を送っていたりするのが特徴です。
あくまでも学生や社会人としての生活がメインであり、合間を縫って歌手の仕事をするというスタイルをとっています。
インターネットのおかげで誰もが簡単に情報発信ができる時代になったため、時代の流れとともに、このような兼業の歌手は増えていくと考えられています。
アルバイトで働く歌手
レストランやバーで歌う
歌手のなかにはアルバイトとして働いている人もいます。
「歌手のアルバイト」というとあまり馴染みがないかもしれませんが、たとえばレストランやバーなどでお店の雰囲気を盛り上げるためにジャズやポップス系の歌を歌ったり、結婚式や披露宴の場で聖歌隊として参加したりしている歌手は、実はアルバイトも多いのです。
もちろん、これらの場で歌うすべての人がアルバイトというわけではなく、イベント会社や店舗に就職し、社員として働いている人もいます。
ただし、歌手は何よりセンスや実力が問われる仕事であるだけに、こういった場でのアルバイト活動をきっかけに世間の注目を集め、次第に売れていく可能性もゼロではありません。
経験を積みながらチャンスを待つという目的でアルバイトをしている人も多いのです。
ボーカル講師のアルバイト
このほかに、歌唱力を強みにしたアルバイトがしたいのであれば、ボーカルスクールや音楽学校のボーカル科などで、ボーカル講師として働く道もあります。
修業を積んでいる歌手の卵たちは一般的に、あまりたくさんのお金を稼ぐことができません。
そのため、自らの音楽活動をしながら、空いた時間に講師のアルバイトをして生活をやりくりしていることも多いようです。
ボーカル講師の場合、一般的には「1レッスン当たり○○円」という形で契約して仕事を行うため、自分のスケジュールに応じて仕事量を調整しやすいことが特徴です。
教え方がとても上手であったり、生徒さんからの信頼や評判も高まっていくと、そのまま社員として雇ってもらえることもあるようです。