芸者の仕事内容

芸者の仕事とは

客をもてなす仕事

舞踊や音曲、鳴物など各種芸能を余興で披露し、宴席に花を添え、客をもてなすのが芸者の仕事です。

地方によって「芸子」や「芸妓」などとも呼ばれますが、身分や仕事内容は同じです。

芸者は全員見習い期間として舞や楽器などの修業をしており、一人前として認められたプロフェッショナルしか芸者と名乗ることはできません。

江戸時代中期ごろから盛んになった歴史のある職業で、宴席では踊りを担当する立方(たちかた)と演奏を担当する地方(じかた)に分かれて芸能を披露します。

踊りにもさまざまな流派があるほか、演奏も三味線、唄、浄瑠璃を中心に笛や太鼓も習得し、演目に応じて使い分けています。

見習いの段階では満遍なく稽古に励み、一定のレベルを修得することを目指しますが、一人前として宴席に出るようになると、それぞれ得意とする分野を主に披露するのが一般的です。

芸者の歴史

芸者は江戸時代中期ごろから盛んになった職業で、原型は平安時代末期に興った歌舞を演じた舞女であると考えられています。

江戸時代に入ると、京都を中心に太鼓女郎(たいこじょろう)と呼ばれる女性が琴や三味線、胡弓を弾いたり、舞をしたりして宴席を盛り上げたことが、芸者のはじまりであるといわれています。

現在では女性の職業として知られていますが、江戸時代には「男芸者」も存在しており、宴席を盛り上げる立場として人気を集めていました。

時代の流れとともに

当時の芸者は、現代の芸者と大きな違いがあります。

芸事で宴席に彩りを添えるという役割は共通しているものの、貧しさから置屋に身売りをしてくるような者も多くいました。

また、かつて芸者は「旦那」と呼ばれる男性をパトロンに金銭的な支援を受けながら芸の道に身を置いているものでした。

旦那にとって、多額の負担を負いながらも「一人の芸者を育てた」という実績がステータスになる部分もありました。

現在ではこういった側面は全くない職業ですが、歴史をさかのぼると、女であることを武器にせざるをえなかった時代もあったことがわかります。

芸者の業務の内容

接客業としての業務

宴席では、余興を行っている以外の間はお酌をしながら客とコミュニケーションをとります。

さりげなく宴席を進行するのも芸者の大切な仕事です。

客層に応じて話題を選ぶ必要があるため、普段の生活から情報収集は怠りません。

最近では海外の客をもてなす機会も増えてきているため、語学力を磨くのも修行のうちになりつつあります。

芸事の練習も業務のうち

宴席に呼ばれて芸事を披露する芸者は、日々の稽古も欠かしません。

宴席は主に夜間がメインとなるため、日中は稽古に励んでいます。

芸能に携わる立場である芸者にとっては、稽古も大切な仕事のうちであるといえます。

活躍の場が広がっている

近年では、宴席での余興以外に、日本文化の継承者として各種イベントに講師として呼ばれる機会も増えてきています。

講義する内容は着付けや礼儀作法、芸事の基本などさまざまで、ときには海外出張することもあります。

観光大使として、日本や京都などの土地をPRし活躍する芸者も多いです。

また江戸時代から脈々と受け継がれる伝統芸能の担い手として、教育現場に呼ばれることも珍しくなく、活躍の場はさらに広がっているといえます。

芸者の勤務先の種類

芸者は皆、それぞれの置屋に所属しています。

置屋とは宴席に芸者を派遣する役割を担っており、衣食住の世話などもしてくれる場所のことで、まずは置屋に所属することが芸者への第一歩です。

かつては幼少期より仕込みとして置屋に出入りし、15歳で半玉、成人して芸者、結婚して退職というのが王道でした。

しかし、戦後、児童福祉法が制定されたことにより、若年のうちから育てることが難しくなり、また、娯楽が多様化したことから料亭自体が減少、花柳界も衰退しています。

芸者の数も減り続けており、後継者の確保が難しい置屋も少なくなく、現代の流れとミスマッチが少なからず生じているのが現実です。