芸者と芸妓の違い
活動地域の違い
「芸者」と「芸妓」は、呼び名は違いますが、業務内容の違いはありません。
異なるのは活動する地域です。
一般的には、京都で活動しているのが「芸妓」、それ以外の地域で活動しているのが「芸者」とよばれています。
また、「芸妓」には「げいぎ」と「げいこ」、二通りの読み方があります。
「芸子」と表記されることもあり、一般的な呼称は「げいこ」です。
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芸者と舞妓の違い
芸者の見習いは「舞妓」または「半玉(はんぎょく)」と呼ばれ、舞妓同様、芸事の鍛練に勤しむことを本分としています。
これも地域によって呼び方が違い、一般的には以下のようになっています。
呼び方の違い
<関東地方>
- 半玉:芸者の見習い
- 芸者:一人前と認められた人
<京都>
- 舞妓:関東でいう「半玉」で、「芸妓」の見習い
- 芸妓:関東でいう「芸者」で、一人前と認められた人
関東地方で活躍する芸者
戦前、東京には21を超える花街があったといわれていますが、現在では6つの花街しか残っていません。
芳町・新橋・赤坂・神楽坂・浅草・向島は六花街と呼ばれ、現在も多くの料亭で芸者が活躍しています。
芸者は、大きくは踊り手である「立方(たちかた)」と弾き手、歌い手である「地方(じかた)」に分かれ、最低でも各1名ずつが呼ばれます。
芸者は舞妓同様に気軽に呼べるものではなく、また利用する層も限られているため、需要が減少しつつあります。
ただし、こうした花街以外に全国各地で活躍する芸者もおり、東京や京都以外に全く活躍の場がないわけではありません。
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半玉・芸者の減少
近年、不況などの理由により料亭の減少は著しく、芸者の活躍の場であるお座敷の機会も少なくなってきているのが現状です。
これに伴い芸者の数自体も減ってしまっており、半玉として後継者を確保できるかどうかが深刻な問題となっています。
これは芸妓も無関係ではありませんが、京都という土地の特性上、芸者に比べれば需要は高いといえます。
これを打破すべく、活躍の場をお座敷以外に広げるために各種講演やイベントへの参加を積極的に行っています。
募集をWebで呼びかける置屋もあり、伝統的な格式は保たれつつも門戸が広がり、敷居をまたぎやすい状況になってきているといえるでしょう。
「芸妓」は敬称?
一説によると「芸妓」は技芸と教養を併せ持つ洗練された女性に対する敬称であるともいわれています。
現在でも京都では店によって「芸妓」と「芸子」が使い分けられており、伝統を重んじる土地柄を感じさせます。
見習いである舞妓が目指すのがこの芸妓であり、京の街を彩る要として日々稽古を積み、その技術を向上させています。
年齢制限もないため、ベテランの芸妓は「お姐さん」と敬われ、後継の育成にも尽力しています。
海外でも通じる「ゲイシャ」
海外においても「ゲイシャ」という単語は浸透しています。
それほどまでに、芸者は日本を象徴する文化的な職業の一つとして知られているのです。