DTPオペレーターの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
DTPオペレーターの仕事とは
DTP(Desk Top Publishing)とは、パソコンを使い、デザインから印刷用の入稿データの制作までを行うことです。
雑誌や広告、セールスプロモーションツールなどの印刷物を制作する際、おおまかなデザインはグラフィックデザイナーが作成します。
DTPオペレーターは、グラフィックデザイナーが作成したデザインを元に、デザイナーやクライアントの指示に従って作業を行うのが仕事です。
DTPオペレーターとして実績を積んだ後、デザイナーに転身する人もたくさんいます。
20代で正社員への就職・転職
DTPオペレーターの役割
DTPオペレーターは、デザイナーのように表現力を求められることはほとんどありません。
DTPには、データの調整やレイアウトなど独自のルールがあるため、それよりも、指示通り的確に仕上げる正確さやスピード感をもって仕事をすることが大切です。
デザインに関わる仕事としては主に裏方の役割となりますが、与えられたデザインやアイデアをより完璧に仕上げるという意味では、縁の下の力持ちともいえるでしょう。
DTPオペレーターの勤務先の種類
DTPオペレーターの勤務先は、広告代理店、出版社、印刷会社、デザイン事務所、編集プロダクションなどで、ベテランになるとフリーランスとして活躍する人もいます。
広告代理店をはじめとする制作サイドのDTPオペレーターは、デザインスキルを駆使してクリエイティブな仕事をすることが増えています。
一方、出版社や印刷会社では制作サイドから入稿された後のデータに修正を加えることが多く、オペレーション寄りの作業が中心になります。
20代で正社員への就職・転職
DTPオペレーターの仕事の流れ
クライアントから案件を受注すると、まずはプロデューサーやディレクター、プランナーなどが話し合って企画をたてます。
その企画を元に、グラフィックデザイナーとコピーライターが実際の紙面の文言やデザインを考え、その後DTPオペレーターにデザインが渡されます。
DTPオペレーターに支給されるデザイン案は、大雑把な手書きラフから、ある程度デザインが進められたレイアウトデータまでさまざまです。
グラフィックデザイナーの方針や案件の特性により、案件によっては写真をカメラマンに、イラストをイラストレーターにそれぞれ依頼することもあります。
DTPオペレーターは渡されたデザイン案に基づいて、DTPソフトやグラフィックソフトなどを用いて文字、写真、イラストなどそれぞれの素材をレイアウトしていきます。
そしてグラフィックデザイナーやコピーライター、クライアントなどのチェックを受けながら修正を繰り返し、印刷会社に入稿できるデータに仕上げます。
DTPオペレーターと関連した職業
DTPオペレーターと似た仕事に、DTPデザイナーがあります。
2つの職業の大きな違いは、実際にデザインを行うかどうかです。
DTPデザイナーは自分自身でデザインを行います。
一方、DTPオペレーターはデザイナーがデザインしたものをもとに作業するため、基本的に自らデザイン作業は行いません。
ただし、会社によってはグラフィックデザイナーのアシスタントを「DTPオペレーター」と呼ぶこともあり、明確な線引きはあいまいなのが実情です。
DTPオペレーターとDTPデザイナー・グラフィックデザイナーの違い
仕事内容の違い
DTPオペレーター
デザイナーが考えたデザインや指示に基づき、印刷物を作るためにパソコンで専用データをつくることがDTPオペレーターの役割です。
基本的にDTPオペレーターは自らデザインをするということはあまりありません。
DTPデザイナー
DTPとは、英語の「Desk Top Publishing」の略であり、もともとはパソコンによって出版物を制作するという意味合いがあります。
雑誌、書籍、広告、ポスターといった各種印刷物のデザイン・レイアウトをし、印刷するためのデータを作成します。
グラフィックデザイナー
グラフィックとは、情報の伝達を目的とした視覚表現のことを意味しており、平面でのデザインを行う仕事です。
グラフィックデザイナーの守備範囲は雑誌、書籍、広告、ポスター、パッケージなど多岐にわたり、それらのデザイン・レイアウトや編集を行って、印刷や出版の入稿ができる状態までのデータを制作します。
定義はあいまい
ひと昔前では、グラフィックデザイナーはイメージを手書きで起こし、それに基づいて、DTPオペレーターがパソコンを用いて印刷会社に入稿できるデータに仕上げるという流れでした。
しかし、パソコンが身近なツールになるにつれ、グラフィックデザイナーもパソコンでデザインイメージを起こすようになり、2つの職種の線引きはあいまいになっています。
また、インターネットの普及に伴い、Webデザイナーという新たな職種が誕生しました。
それをきっかけに、両者を区別するために、インターネット媒体のWebデザイナー、印刷媒体のDTPデザイナーと呼ぶようになりました。
よって現在では、パソコンを使用するか否かに関わらず、デザインを行うのがグラフィックデザイナー、パソコンを使ってデザインするのがDTPデザイナーであり、両者の違いがなくなってきているといえます。
印刷媒体以外でもさまざまな場で活躍できるグラフィックデザイナーの方が、活動範囲は広いといえるでしょう。
一方で、DTPデザイナーの経験を生かし、グラフィックデザイナーへスキルアップするという人も少なくありませんし、DTPオペレーターを設けていない会社では、DTPデザイナーがその職務を兼ねることも多いです。
一般的な制作の流れ
現在、一般的な印刷物の制作の流れは以下のようになっています。
1.紙面のイメージが伝わるくらいまでのラフデザインをグラフィックデザイナーまたはDTPデザイナーが起こしてクライアントに提案し、必要があれば修正を加えて、制作開始の了解を得ます。
↓
2.DTPオペレーターにバトンタッチし、コピーを流し込む、フォントを選ぶ、写真やイラストを配置するなどの作業を行います。
↓
3.デザイナーをはじめとする制作スタッフのチェックを受けて、DTPオペレーターが修正を繰り返した後、クライアントに提出します。
↓
4.クライアントからの指示を受けてさらにDTPオペレーターが修正を加え、最終的には印刷会社に入稿できるデータに仕上げます。