シェフの勤務時間・休日
シェフの勤務体系
シェフの勤務体系は、勤務先の業態によっても異なりますが、おおまかに分けて「シフトを組んで交替で働く場合」と「毎日決まった時間に出勤する場合」があります。
シフト制の例を挙げると、店の営業時間が11時~23時だとすると、早番で9時~18時、遅番は12時~23時までといった2交代制の形がよく見られます。
ルームサービスや24時間営業を行っているホテルでは、深夜を含めた3交代制を行っているところもあります。
勤務先によってはディナー営業のみだったり、定休日が設定されたりしており、また別の勤務体系で働くケースもあります。
このようにシェフの勤務体系は、勤務先の営業時間によって大きく変わってきます。
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シェフの勤務時間
勤務時間は長め
料理人の勤務時間は、一般企業と比較すると長めの傾向です。
新人の下積み時代はとくに拘束時間が長いですが、下積みが終わり、店の顔となるシェフとなっても、平均して1日に12~14時間程度の勤務は一般的です。
レストランなど個人経営の場合は、オーナーシェフであっても市場での仕入れのために朝4時~5時から働きはじめ、深夜23時~24時ごろに閉店し、睡眠時間はほんの3~4時間という人もいます。
有名店であればあるほど、勤務時間が長くなる傾向にあるようです。
ホテルでは勤務時間がやや短めの場合も
料理人の人数が少ない店では、代わりの人員がいないため休みがとりづらく、とくに激務になりがちです。
一方で、ホテルチェーンで働く場合はシフト制が導入されている場合が多く、勤務時間が決まっており、休日もローテーションでとりやすいです。
一般のレストランでの勤務時間が14時間程度に対し、ホテルで働く場合は10~12時間と短い傾向にあります。
大手ホテルは社会保険や福利厚生も完備されていることが多いため、働きやすさを感じている料理人もいます。
ただしホテルには定休日がないことから、GWやお盆、正月であっても働かなければならないのは大変なところです。
シェフの休日
最近は、飲食業界でも「働き方改革」を意識し、休みをとりやすくする大手チェーンも出てきています。
週休2日制であることをウリにして求人を出す職場も見られます。
しかし、飲食業界における平均の年間休日は、レストランが80日程度、ホテルが90日程度と、一般企業より少ない傾向にあります。
また、ビジネス街にあるレストランを除き、土日や連休は稼ぎ時になるため、休みは平日になることが多いです。
ゴールデンウィークなどの長期休暇も関係なく出勤しなければならないため、連休を取りにくい仕事です。
土日が休みの家族や友人とは休みが合わないものの、平日はテーマパークや観光地も空いているため、「平日休みでよかった」と感じる人もいます。
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シェフの残業
料理人は、下積み時代は誰よりも早く出勤し、誰よりも遅く退勤する毎日になります。
「働く」というよりは「修業」させてもらう立場のため、残業としてカウントされることはなく、よほど待遇に力を入れている職場でない限り、残業代は出ないことが多いです。
他の業界ではすぐに「ブラック」とも言われてしまいそうですが、料理人の世界では、昔からこういった風潮があるのです。
シェフになった後は、閉店して1時間くらい残業して退勤するパターンが多いです。
勤務時間に終わらなかった事務作業であったり、経営陣やスタッフと新メニューについて打ち合わせをしたりします。
シェフは忙しい?激務?
シェフはハードワークで体力勝負の仕事です。
下積み時代はもちろんですが、ここまで説明してきた通り、シェフになってからも勤務時間は長く、休日も少なめです。
また、勤務中は熱気がただこめる厨房にほとんど立ちっぱなしで、重いフライパンを片手でふるうこともあります。
規定上は1時間ある休憩時間も、忙しい時は、ほとんどとれないことも珍しくありません。
体調を崩して退職する人もいるほどで、体力をつけることや、体調管理はシェフにとって最も大切といわれることさえあります。
シェフの給料は、その激務な仕事内容から見合っていないと評価されることも多く、不満を抱える人もいます。
そのため、給料や労働環境を職業選択の最優先基準にした場合、激務な毎日がつらくなってしまうでしょう。
料理が何よりも好きでとことん究めたい、美味しい料理をお客さまに届けて笑顔にさせたいという熱い思いで、激務を乗り切るシェフが多いです。
シェフの休日の過ごし方
シェフは体力勝負で激務な仕事のため、休日はたまった疲れをとろうと家でゆっくり休んだり、整体・マッサージで体調を整えたりという人も多いです。
街に出て、話題となっているレストランやカフェに行き、他店の味のレベルを知ることもあります。
あえて和食や中華のお店にいき、西洋料理にエッセンスを取り入れられないかと新メニュー開発に貪欲に取り組むシェフもいます。
ストレスや疲労を上手にケアしながら、技術向上、私生活の充実のバランスをとることが、長くシェフとして働く秘訣です。