アプリケーションエンジニアの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「アプリケーションエンジニア」とは
「Webアプリ」や「スマホアプリ」など、アプリケーションの設計や開発に携わる技術者。
アプリケーションエンジニアは、ITエンジニアのなかでも、Web上で利用できる「Webアプリ」、スマートフォンにインストールして使う「スマホアプリ」、企業が使う業務システムなどの「業務系アプリ」といった、さまざまなアプリケーションの設計や開発に携わる技術者のことをいいます。
システム開発の上流工程から下流工程の一連の流れに携わっており、クライアントから依頼を受けて開発業務に携わるケースもあれば、自社で企画したサービスの開発に携わるケースもあります。
なるために絶対に必要な資格はありませんが、システム開発プロジェクトの責任者を務めることも多く、たいていの人はITやWeb系の企業でプログラマーとして開発経験を積み、そこからステップアップしていきます。
平均的な年収は500万円前後と推定され、プログラマーよりも高水準であるといわれますが、個々の経験や実績、能力によってだいぶ差が出てくるでしょう。
IT技術の進歩とともに新しいアプリのニーズも続々と出てくるため、今後もアプリケーションエンジニアの仕事量が大きく減ることは考えにくいといえます。
ただし、スキルの高い人のところに難易度の高い仕事は集まってくるため、最前線で活躍し続けたいのであれば、たゆまぬ努力が必要不可欠といえるでしょう。
「アプリケーションエンジニア」の仕事紹介
アプリケーションエンジニアの仕事内容
スマホアプリや業務系アプリの設計・開発
アプリケーションエンジニアは、システムエンジニアの中でも、私たちがスマートフォンで日常的に利用する「スマホアプリ」をはじめとしたアプリケーションの設計や開発を担当しています。
他にもWeb上で利用する「Webアプリ」や、企業が特定の業務で使う「業務系アプリ」の設計・開発を行います。
案件は、クライアントから発注を受けるものと、自社で企画するものがあります。
また、システム設計からプログラム開発、動作テスト、運用・保守まで、上流工程から下流工程の一連の流れに携わることになります。
アプリケーションエンジニアは、今やあらゆるものがITにつながりつつある私たちの生活を支えるという重要な役割を担っているのです。
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アプリケーションエンジニアになるには
幅広いITの専門知識が必要
アプリケーションエンジニアになるために、絶対に必要な資格や学歴はありません。
ですが、アプリケーションエンジニアにはプログラミングスキルはもちろん、ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワークといった幅広いITの専門知識が必要とされます。
一人前になるためには、まずITやWeb系の企業でプログラマーとして開発経験を積みましょう。
そこからステップアップすると、システム開発プロジェクトの責任者を任せられるようになります。
アプリケーションエンジニアの学校・学費
ITの専門学校や大学の情報系学部へ進学
もし早いうちから将来アプリケーションエンジニアになりたいと決めているのであれば、IT系の専門学校や四年制大学の情報系の学部への進学がおすすめです。
専門学校では、プログラミング技術を中心に学び、就職を見据えた実践力を高めることができます。
一方で、大学では学問として情報学を学び、一般教養も身に付けられます。
企業によっては大卒以上が応募資格となっていることもあるので、時間やお金に余裕があれば、大学に進学した方が就職先の選択肢が広がるでしょう。
アプリケーションエンジニアの資格・試験の難易度
主流はシステムアーキテクトとプロジェクトマネージャー
アプリケーションエンジニアが目指す資格には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するシステムアーキテクトやプロジェクトマネージャーという国家試験があります。
システムアーキテクト試験は、アプリケーションエンジニアとしての基本的な知識をはじめ、要件定義、設計についての知識や技術、マネジメントに関する幅広い知識が問われます。
プロジェクトマネージャー試験は、品質やコスト、納期に責任を持ってプロジェクトを円滑に進める能力が問われ、チームマネジメントも担うアプリケーションエンジニアにとっては重要な資格です。
アプリケーションエンジニアの給料・年収
高水準でスキルアップすれば昇給も可能
アプリケーションエンジニアの平均的な年収は500万円前後といわれており、一般的なプログラマーよりも高水準です。
中でもFAE(フィールドアプリケーションエンジニア)と呼ばれる半導体業界に特化した技術営業職は、とても市場価値が高いといわれています。
スキルが給料に反映されやすい職業のため、自らの腕を磨けば昇給が可能です。
またプロジェクトマネジメントにも関わると、年収が100万円近く上がることもあるようです。
資格の取得も評価され、基本給とは別で1つの資格あたり1万円~2万円程度の手当が付く企業もあります。
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アプリケーションエンジニアの現状と将来性・今後の見通し
需要は今後も高まる傾向
現在アプリケーションエンジニアは活躍の場が多岐にわたっており、需要の高い職業です。
また、同じITエンジニアの中でもインフラ系のエンジニアに比べると、より大きな市場で活躍できるでしょう。
中には人手不足に陥っている企業も多く、たくさんの人に門戸が開かれている状況といえます。
IT技術の進歩とともに新しいアプリのニーズも続々と出てくるため、今後、アプリケーションエンジニアは更に必要とされていくでしょう。
アプリケーションエンジニアの就職先・活躍の場
IT企業での勤務がメイン
アプリケーションエンジニアの代表的な勤務先は、Webシステム・アプリ開発、その他のソフトウェア開発を手がけるIT、Web系の企業です。
企業によって業務内容は大きく異なり、機械、自動車業界といった業界特化のアプリ開発を行う企業もあれば、食品のECサイトを運営する企業もあります。
また、案件によって使用するプログラミング言語もさまざまです。
一方でフリーランスとして働く人も存在し、高度なスキルや専門性があれば正社員以上に稼ぐことも可能です。
アプリケーションエンジニアの1日
チームマネジメントを担当することも
アプリケーションエンジニアは上流工程まで幅広い知識を持っている人が多いので、チームメンバーの管理や調整、クライアントへの提案や交渉といった業務も担当することが多いようです。
8:30 出社
9:00 ミーティングでチーム全体の状況を共有
10:00 クライアント先でニーズのヒアリング
12:00 休憩
13:00 設計
14:00 マネージャー会議で各チームの状況を共有
15:30 現場でチームメンバーの作業を確認
17:00 提案書の作成
19:00 退社
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アプリケーションエンジニアのやりがい、楽しさ
人々に喜ばれるものづくりができる
アプリケーションエンジニアの最大のやりがいは、IT技術を駆使して人々に必要とされるものづくりができることです。
チームのマネジメント役を任されることも多く、責任が重い分、達成時にはやりがいを感じられるでしょう。
またプログラマーとして多様な開発経験を積んでいる人が多いため、待遇面は一般的なプログラマーよりも良いといわれています。
アプリケーションエンジニアの多様な知識やスキルは、他のIT系の職種に応用できるということも魅力的です。
アプリケーションエンジニアのつらいこと、大変なこと
激務と継続的な勉強の両立
アプリケーションエンジニアはチームマネジメントを担うことも多く、やりがいのある反面、苦労を感じる場面もあるでしょう。
また、さまざまな規模のプロジェクトで立て込んだり、緊急対応が発生することもあるので、激務になることが多いといわれます。
そしてIT技術は日々進歩しているので、エンジニアとして生き残るには継続的な勉強が不可欠です。
激務の合間に自主的に勉強しなければならないので、大変さを感じるかもしれません。
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アプリケーションエンジニアに向いている人・適性
リーダーシップのとれる人は適性あり
アプリケーションエンジニアは世の中のトレンドや顧客・ユーザーのニーズを捉えたアプリケーションを手がけるので、自分の作るものが社会の役に立つことに喜びを感じる人が向いているでしょう。
また開発工程の全体を理解し、全体を見渡す力も必要とされるので、スキルアップのために努力ができる人も向いています。
更にアプリケーションエンジニアはチームのマネジメント力も求められるので、まとめ役ができる人は適性があるといえます。
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アプリケーションエンジニア志望動機・目指すきっかけ
学生時代のアプリ制作がきっかけになった人も
アプリケーションエンジニアの志望動機の例には、世の中で注目されるアプリケーションを作ってみたいというものがあります。
中には、学生時代にゲームアプリなどを作った経験から、ものづくりの面白さや人に喜んでもらえる嬉しさを感じ、仕事にしてみたいと思うようになった人もいるようです。
最近では子供向けのプログラミング教室もあるので、幼いころからアプリケーションエンジニアを目指す人も増えていくかもしれません。
アプリケーションエンジニアの雇用形態・働き方
派遣社員やフリーランスを選ぶ人も
アプリケーションエンジニアの働き方はさまざまです。
どの業界でも一般的には正社員が最も安定した働き方ができるといわれ、アプリケーションエンジニアも正社員の求人がたくさん出ています。
しかし応募の際に、応募者が正社員か契約社員を自由に選べるようにしている会社も多いようです。
また、あえて自由に動きやすい派遣社員やフリーランスになり、短期間でさまざまなプロジェクトに携わりながらスキルアップを目指す人もいます。
アプリケーションエンジニアの勤務時間・休日・生活
以前より働きやすくなっている傾向
アプリケーションエンジニアの勤務時間は働き方により異なりますが、IT企業で正社員として働く場合たいていは日勤で、9:00~18:00くらいが勤務時間となっていることが多いです。
中にはフレックス制度を取り入れている企業もあります。
休日は完全週休2日制、祝日も休みとなり、さらに夏季休暇、年末年始休暇、慶弔休暇といった休暇制度があるのが一般的です。
また激務としても知られますが、最近ではエンジニアの健康管理に留意する企業も多く、労働環境は改善されつつあるようです。
アプリケーションエンジニアの求人・就職状況・需要
需要は高いが新卒では難しい
現在世の中にはたくさんのITサービスがあふれ、アプリケーションエンジニアのニーズは高まる一方です。
しかし誰でもアプリケーションエンジニアになれるわけではなく、一般的にはプログラマーやシステムエンジニアとして経験を積んだ人がアプリケーションエンジニアの道に進むことができます。
よって、新卒でいきなりアプリケーションエンジニアとして採用されることはほとんどないでしょう。
まずはプログラマーとして開発業務を経験し、スキルを身に付けましょう。
アプリケーションエンジニアの転職状況・未経験採用
IT業界は資格がアピール材料に
アプリケーションエンジニアの採用では、基本的にある程度の開発経験が必要とされています。
ですが、中には育てる前提で未経験者を採用する企業もあり、先輩の下で仕事を覚えながら一人前のアプリケーションエンジニアを目指すこともできます。
また資格はアピール材料になるので、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験をはじめ、システムアーキテクト試験などの国家資格を持っていると評価されやすいでしょう。