アナウンサーの需要・現状と将来性
アナウンサーの現状
アナウンサーは昔から高い人気を誇る職業として知られています。
特にキー局と呼ばれる放送局の就職試験は非常に倍率が高く、難関試験を突破した数人程度しか採用されないという厳しい現状があります。
NHKの場合は数十人を採用することもありますが、それでも決して多いとはいえない数字です。
このように正規雇用のアナウンサーの採用が狭き門であることから、非正規雇用の契約キャスターやリポーターなどに応募する人も多いようです。
また、フリーランスのアナウンサーも活躍していますが、まずは放送局で経験を積んだり人脈を広げたりしてキャリアを積み重ねたあとに独立するのが一般的です。
最初からフリーランスで活動して成功を収めるのはとても難しいといわれています。
20代で正社員への就職・転職
アナウンサーの需要
テレビやラジオといった報道メディアは、私たちの生活に欠かせないものです。
そしてそのメディアを通して情報をわかりやすく正確に把握するためには、情報をきちんと伝えてくれるアナウンサーの存在が必要になります。
アナウンサーは、時代が移り変わっても常に一定の需要がある仕事です。
そのため、ほぼ毎年、新卒と中途を含める定期的な採用活動も実施されています。
とはいえ、テレビ局やラジオ局の数、またそこに所属するアナウンサーの人数が大幅に増えることは今後も考えにくく、アナウンサーの就職活動はこの先も高倍率になることが避けられないと考えられます。
特に女性の場合は就職試験を突破して内定を掴み取ることができるのはごく一握りの人間といえるでしょう。
アナウンサーの将来性
多様な働き方にシフト
ひと昔前までは、テレビやラジオを制作する放送局といえば安定した経営を誇ることで知られており、放送局の社員は高収入で待遇がよいというのが当たり前のことでした。
しかし、時代の移り変わりとともにインターネットが登場して娯楽が多様化したことで、視聴者が減少し、各放送局の経営が厳しくなりつつあります。
こうしたなか、今までは局員のアナウンサーが担当していたニュースや中継、司会などの仕事を、外部のプロダクション所属の人材に任せるケースが珍しくなくなっています。
「フリーランスで働くほうが仕事の幅が広がる」「フリーランスは効率的に稼ぐことができる」と考える人も増えてきているので、今後はアナウンサーの働き方も様変わりしていく可能性が高いでしょう。
ライバルはAIアナウンサー?
近年、各放送局で、人工知能(AI)を活用して音声を読み上げることができるAIアナウンサーがぞくぞくと誕生しています。
たとえば、NHKが開発した「ニュースのヨミ子」はNHKの夜のニュース番組に登場し、話題のニュースなどを人工音声で読み上げています。
そう遠くはない未来に、全てのニュース原稿を人間のアナウンサーが読み上げなくてもよい時代が訪れるのかもしれません。
しかし、AIアナウンサーが人間のアナウンサーの仕事を全て奪うのかというと決してそんなことはないのです。
AIアナウンサーはミスなく原稿を読み上げることはできたとしても、リポーターとして取材実感を交えながらプレゼンをしたり、キャスターとしてゲストと議論を繰り広げたりすることはできません。
また、情感を込めながら番組のナレーションをすることもできないでしょう。
アナウンサーがこれからの時代にAIアナウンサーに対抗するためには、このような「人間にしかない表現の技術」をもっと磨いていくことが求められると考えられます。
20代で正社員への就職・転職
アナウンサーの今後の活躍の場
イベントやバラエティ番組にも出演
女性のアナウンサーたちを「女子アナ」と呼ぶことがすっかり定着しましたが、その仕事内容として従来のようにニュース原稿を読んだり司会を務めたりする以外に、まるでタレントやアイドルのようなスタイルで視聴者の前に現れることも珍しくなくなってきました。
アナウンサーが、イベントに出たりバラエティー番組でクイズに答えたりといったことも頻繁に見られるようになり、昔よりもその仕事の幅は広がっていると考えられます。
今後もアナウンサーの仕事内容は多様化してくると思われますが、あくまでも「実力主義」の厳しい世界であることは間違いありません。
インターネット放送局や動画サイトの可能性
近年はテレビやラジオに限らず、インターネットのテレビ局や動画チャンネルなどが人気を集めており、視聴者がさまざまなコンテンツを楽しめる場がどんどん広がっています。
フリーのアナウンサーのなかには、キー局やNHKのような歴史ある放送局ではなく、新しいコンテンツを作り出す放送局で積極的に仕事を見つけている人もいます。
特にyoutubeのような動画チャンネルの場合、個人のセンスや技術次第でいくらでも面白い動画を作ることができますし、特殊な機材や放送免許を持っていなくても世界中に配信することが可能です。
アナウンサーを目指す人にとって、インターネットを活用した放送には無限のチャンスが広がっています。