アクチュアリーの年収・給料
アクチュアリーの平均年収・給料の統計データ
アクチュアリーの平均年収・月収・ボーナス
アクチュアリーの平均年収は、ほかの職業と比較した場合、高水準であるといえるでしょう。
アクチュアリーには専門資格がありますが、一人前のアクチュアリーになるために勉強中の人でも年収700万円程度、そして経験を積み、試験にもすべて合格すると年収1000万円~1200万円を超える人が多いといわれています。
また、より成果主義の要素が強い外資系企業に勤務して高い評価を得た場合には、年収2000万円を超える人も出てきます。
このように、高給料が見込める職業ではありますが、金融の高度な専門知識やビジネス全般のスキルが求められ、かつ抱えるプレッシャーも大きなものとなるため、継続的な勉強や激務にも耐えうる精神力が不可欠です。
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、アクチュアリーの平均年収は、40.7歳で948万円ほどとなっています。
・平均年齢:40.7歳
・勤続年数:9.3年
・労働時間/月:168時間/月
・超過労働:11時間/月
・月額給与:618,000円
・年間賞与:2,060,000円
・平均年収:9,476,000円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
アクチュアリー (Indeed) |
8,414,188円 | 月給 595,738円 |
アクチュアリー (転職ステーション) |
920万円 | - |
金融商品開発・クオンツ・アクチュアリー (転職会議) |
694万円 | 20代前半:346万円 |
20代後半:562万円 | ||
30代:859万円 | ||
40代以上:1033万円 | ||
最高:1300万円 | ||
最低:195万円 |
各社のデータから、アクチュアリーの平均年収は700万円~1300万円程度がボリュームゾーンと考えられます。
20代のうちからやや高めの収入が見込め、さらに年齢を重ねるごとの昇給幅が大きいことが見てとれます。
実務経験を積むなかで、より高度な金融知識をもつプロフェッショナルとして高く評価されている人が多いのかもしれません。
アクチュアリーの手取りの平均月収・年収・ボーナスは
アクチュアリーの年収は総じて高めですが、日本では、給与が増えると所得税が増える「累進課税制度」となっているため、年収が上がるとその分、負担する税金の割合も大きくなります。
一般的には、年収1000万円程度だと手取り年収は700万円~800万円ほどになると考えられ、年収1200万円になると、手取り年収は860万円前後となるでしょう。
年収1200万円でそのうちボーナスが120万円とした場合、月収はボーナス分を差し引いて約60万円ほどとなるでしょう。
アクチュアリーの初任給はどれくらい?
アクチュアリー資格試験は非常に難易度が高いため、専門的な勉強をせずに合格するのはまず難しいといえます。
そのため、まずは保険会社などへ入社して、アクチュアリー候補として実務経験を積みながら勉強を継続し、資格試験への合格を目指すのが一般的です。
つまり、名実ともに一人前のアクチュアリーとなるには、ある程度の期間がかかり、大学や大学院を出たばかりの新卒の時点で、いきなりアクチュアリーとして第一線で活躍するのは難しいのが現実です。
新卒採用で「アクチュアリー候補」の枠を設けている企業の場合、その枠で入社した人は、一般の総合職の社員とは別の役割を担います。
将来のアクチュアリーになるために金融専門知識を習得する必要がありますが、初任給は月給23万円~25万円程度が相場です。
最初は飛びぬけて高い収入が得られないことがありますが、試験に合格し、経験を積むごとにハイペースで昇給するケースが多いです。
アクチュアリーの勤務先の規模別の年収(令和5年度)
アクチュアリーの年収は、勤務先の企業規模とあまり相関がないようです。
10人〜99人規模の事業所に勤めるアクチュアリーの年収は723万円、100〜999人規模は1,254万円、1,000人以上規模は895万円、10人以上規模平均は948万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」で社会保険労務士、証券アナリスト、経営コンサルタントなど他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
アクチュアリーの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
アクチュアリーの年収を年齢別に見ると、かなりばらつきがありますが、総じて年収は高めです。最も年収が高い世代は、45~49歳の1,580万円です。
全年代の平均年収は948万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」で社会保険労務士、証券アナリスト、経営コンサルタントなど他職業を含むデータです。
アクチュアリーの福利厚生の特徴は?
アクチュアリーが勤務する企業は、比較的規模が大きく安定した企業が多いため、福利厚生は充実している傾向です。
一般的な福利厚生としては、各種社会保険完備、交通費支給、社宅制度、退職金制度、財形貯蓄制度などがあり、育児休業・介護休業など、さまざまなライフイベントに遭遇しても仕事を続けられる制度を整えている企業多くあります。
またアクチュアリー資格を取得することで、資格手当がつく場合が多いです。
20代で正社員への就職・転職
アクチュアリーの給料・年収の特徴
金融専門職として、好条件で採用されることが多い
アクチュアリーという職業は、日本ではあまり聞きなれないかもしれませんが、米国など海外ではよく知られている職業の一つです。
米国の仕事情報サイト「careercast」が行った2010年の職業ランキング調査(The 10 Best Jobs of 2010)において、1位にアクチュアリーがランクインしています。
この調査結果は、身体的負担や精神的ストレスのほか、労働環境や収入などの面を総合的に評価して出されたものであり、アクチュアリーという職業の社会的地位の高さや人気ぶりがうかがえます。
日本においても、アクチュアリーの需要が少しずつ高まっていますが、有資格者(日本アクチュアリー会の正会員数)は2023年2月28日現在で2,056人であり、弁護士や会計士など他の専門職と比べてもまだまだ少ない状態です。
そのため、給料や待遇面で優遇されやすく、国内企業勤務の場合の年収は1000万円を超える人もいますし、外資系企業の場合は2000万円〜3000万円以上になることも少なくないようです。
アクチュアリー試験に合格すると給料が上がる
アクチュアリーとして働くには、日本アクチュアリー会が認定する「アクチュアリー資格試験」に合格する必要があります。
アクチュアリー資格試験に合格した人は、同会の会員として登録できますが、会員ランクはいくつかに分かれています。
・正会員:すべての試験に合格している人
・準会員:一次試験である基礎科目のみ合格している人
・研究員:基礎科目に1科目以上合格している人
当然ながらすべての試験に合格することが最も難しいですから、下から上にいくにしたがって基本給が上がったり、資格手当が別途支給されたりして、給料もアップすることが多いです。
アクチュアリーが収入を上げるためには?
ここまで紹介してきた通り、アクチュアリーは給料・待遇面で恵まれているといえますが、金融専門職なだけに、個人の能力が試される仕事であることも確かです。
まずは「正会員」になることが、一人前のアクチュアリーとしてある程度の高い評価を得るための優先事項だといえるでしょう。
必死で勉強してアクチュアリー資格試験に合格したとしても、身につけた知識をビジネスの場で生かせなくては意味がありません。
そのためには、ビジネスパーソンとしての一般的なスキル、他のスタッフと上手にコミュニケーションをとるためのスキル、また職場によっては英語力も重要な要素となります。
このようなスキルをどんどん伸ばしていくことによって、一流のアクチュアリーとして活躍できるでしょう。
実績と実力を備えた人は他社からヘッドハンティングされることもあり、転職をきっかけにさらに収入を伸ばしていくケースが見られます。
とくに競争の厳しい外資系企業で高い評価を得れば、年収2000万円以上を得るのも不可能ではないでしょう。