庭師の独立・開業

独立・開業のしやすい職種

2014年3月末現在における造園工事業の許可業者数は、27,133業者です。2006年には35,000を超えていた業者も以降減少傾向にあります。

企業規模別で見ると、資本金1,000万円以上5,000万円未満の事業者が半数を占めており、比較的規模の大きい業者が多いと考えられます。

しかし、そのような状況の中で、200万円未満の事業所数は微増傾向にあります。

造園工事業は、街路樹の剪定など、建設業の中では比較的規模の小さな工事が多いという特徴があるため、職人の独立開業など、小規模での開業もしやすい事業なのです。

特色ある営業は集客につながる

独立・開業の段階で自社の得意分野を明確にすることも重要です。

個人宅向けに庭の設計、庭木の剪定を中心に小規模に事業を行うのか、公園など公共事業を中心により大規模工事まで事業展開するのかなど、大まかな事業領域や事業規模を想定して計画を策定することで、その後の営業活動も円滑に行うことができます。

また、必要な道具類にかかる費用も算出しやすくなり、収支の見込みを立てやすくなるので、安定した経営を目指すためにも、営業方針は固めておきましょう。

道具を準備

道具は庭師の命です。道具が揃わなければ仕事を受注できません。独立・開業の際は必要な道具をまず揃える必要があります。

前述のとおり、営業方針を明確にすることで必要な道具は自ずと定まってくるはずです。

請け負う案件によっては大型の重機を購入する必要も出てくるため、開業資金の中でどのくらいを道具に充てることができるか、よく考えておきましょう。

道具等を保管できるスペースが必要

作業後に剪定枝などを収・引き取りしなければならないので、道具類や剪定屑などの回収物の保管場所を確保する必要があります。

自宅では難しいという場合には、レンタルコンテナなどを借りるのもよいでしょう。月額8,000円前後の費用で可能です。

待っているだけでは仕事は来ない

独立・開業を考えている人の最も大きな心配の種は安定した仕事の依頼がくるかどうかということでしょう。それまでに作った人脈等を使って仕事を請け負えるのが一番ですが、そう簡単にはいかないのが現状です。

独立した庭師のほとんどはチラシなどを作って自らポスティングしたり、HPを作成して自身の存在が多くの人の目に触れられるような環境を作るなどして奮闘しています。

このような営業活動を苦手とする庭師も多いようですが個人の庭師は価格やサービスが不透明で品質もわかりにくく、仕事を依頼したくても躊躇してしまう人も多いのが現状です。

そのため、職人の経歴や造園に関する知識などを掲載したわかりやすいチラシやHPを作成し、サービスの透明性や品質、スキルなどを広くアピールすることが重要なのです。

中にはブログが人気を博し、集客につながっている庭師もいます。

いずれの方法にしても請け負える地域、案件はしっかりと明記し、料金も明確に示しておくことが後々のトラブル回避につながります。

このような地道な営業活動を重ね、少しずつでも顧客を獲得していくことが個人の庭師としての成功への近道であると言えます。

実績を上げるには公共事業に参入を

都市緑化計画や環境問題への関心の高まりにより、公園や街路樹の整備に対する公共投資は今後も安定して行われると考えられます。

このため、公共事業を受注できる体制を整えることも重要です。

公共事業の業者選定は原則入札で行われます。入札に参加するためには、都道府県知事または建設大臣の建設業の許可を得ていることが前提となり、その上で審査を受け、入札参加資格を取得できます。

入札参加資格者には経営状態等を加味してランクが付与され、このランクに応じて参加できる案件の幅が変わるため、より高いランクを得ることができるように日ごろから営業努力をすべきです。

個人向けの案件を地道に請け負い、経営数値を上げ、実績を積むことで経営の質を向上させ、チャンスを掴むことができます。

庭師は向上心さえあれば、大きな可能性を得ることができる職業であるといえるでしょう。