ヨガインストラクターになるには
ただし、ヨガに対する確かな知識や、わかりやすい指導などが求められます。
そのために、民間団体が認定する資格や養成スクールに通う人も少なくありません。
この記事では、ヨガインストラクターになるために必要なことを解説します。
ヨガインストラクターになるには
ヨガインストラクターという職業では、なるために必要な資格や、進学・卒業しなくてはならない学校がありません。
したがって、誰でも何歳でも、ヨガインストラクターを目指すことが可能です。
学歴もほぼ問われないと考えておいてよいでしょう。
しかし、もちろんヨガインストラクターとして身につけておくべき知識や技術は存在します。
それを持っていなければ、どこのヨガスクールもヨガスタジオも、ヨガインストラクターとして雇ってはくれないでしょう。
たとえ自分でヨガスクールを開業したとしても、確かな知識や、わかりやすい指導ができなければ生徒は集まりません。
ヨガインストラクターは「先生」と呼ばれる種類の仕事の一種です。
ヨガを生徒に正しく教えるには、まず、しっかりとしたヨガの知識や技術、そして十分な経験を積んでいく必要があるといえます。
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ヨガインストラクターになるために勉強すること
身体の動きについて
ヨガインストラクターになるためにまず勉強することのひとつが、ヨガをするための独特のポーズや呼吸法についてです。
ヨガのポーズの種類は8万以上にものぼるといわれており、それら一つひとつを少しずつ覚えていき、その意味まで理解するにはかなりの時間がかかります。
また、人間の身体に直接かかわる職業だからこそ、解剖学など、身体の構造や機能についても知ることが欠かせません。
生徒さんをケガさせないように、正しい筋肉の使い方をしっかりと理解しておく必要があります。
ヨガの基礎的な知識や技術を身につけたら、それをレッスンでどうプログラムしていくかといったことも勉強します。
生徒さんへの声のかけ方、「アジャストメント」といわれるサポートの仕方も必ず学びます。
精神的なものの勉強も必要
ヨガは「精神」や「スピリチュアル」といったものに深くつながっており、そうした方面の学びを深めていくことも大事な勉強です。
瞑想や哲学についての勉強をすることもありますし、ときに自然科学や物理学・宇宙の神秘といった方面の内容に触れることも、ヨガを本質から理解していくためには重要になってきます。
ヨガは非常に奥深く、一生かけて追求している人も大勢います。
ヨガインストラクターの資格・難易度
ヨガインストラクターには国家資格がありませんが、民間団体が認定する資格が複数存在しています。
最低でも、どれか一つの資格を取得しておくと、就職・転職時などにヨガインストラクターとしての知識や技術を証明しやすくなるでしょう。
とくに有名なのは、海外でも通用する「全米ヨガアライアンス」という資格です。
この資格を取得すると、日本国内はもちろん、世界70ヵ国以外でヨガインストラクターとして働く道も開けます。
全米ヨガアライアンスを含め、各種ヨガインストラクターの資格の大半は、ヨガインストラクターの養成スクールや養成講座のカリキュラムを修了することで取得可能です。
海外のおもなヨガインストラクターの資格
全米ヨガアライアンス
ヨガインストラクターの資格のうち、最も有名なのは「全米ヨガアライアンス」と呼ばれる資格です。
日本で働くヨガインストラクターのほとんどは、この「全米ヨガアライアンス」の資格をもつといわれています。
「全米ヨガアライアンス」は、アメリカのヨガ協会が認定するヨガインストラクターの資格です。
取得するには、同協会で認定されたヨガスクールや指導者から200時間、または500時間のコースを受講する必要があります。
受講後、申請すれば認定書が発行されます。
日本にも認定スクールは存在します。
それらのスクールに通えば資格を取ることが可能です。
取得費用は?
全米ヨガアライアンスの講座は、15万円~50万円程度が相場となっているようです。
なかには、ニューヨークなどの海外に短期留学して学べる講座もあります。
こうしたプログラムに参加すると、さらに高額な費用がかかってくるでしょう。
取得費用は他の資格と比べて高めですが、認知度が高く、この資格があれば日本も含めた世界50ヵ国以上でヨガインストラクターとして指導できるため、仕事に生かしていくことが十分に可能だといえます。
インド中央政府公認のヨガインストラクター資格
日本ではインドのヴィヴェーカナンダヨーガ研究財団と日本のヨーガ・ニケタンが共同でヨーガ教師養成講座を開催しています。
この養成講座は約1年(月1回・全10回)のコースで、授業はインド・カルナタカ州バンガロール市に本部があるスワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究所/ヨーガ大学院大学(sVYASA)のヨーガ教師養成講座のカリキュラムに準じて行われます。
修了すると、sVYASAが発行するヨーガ教師養成講座修了証(ディプロマ)が授与されます。
受講費は、約10万円となっています。
国内のおもなヨガインストラクターの資格
「全米ヨガアライアンス」以外の国内の資格には、以下のようなものがあります。
- 一般社団法人 全日本ヨガ協会(AJAY)のヨガインストラクター資格
- 社団法人 日本ヨガインストラクター協会(JYIE)のヨガインストラクター資格
- 国際ボディメンテナンス協会(IBMA)のヨガインストラクター資格
一般社団法人 全日本ヨガ協会(AJAY)のヨガインストラクター資格
AJAYの認定校で各コースを修了すると、受験資格が取得できます。
その後、試験に合格すると公認インストラクターとして認定されます。
資格は「3級」「2級」「1級」があり、2級以上でAJYA認定の教室を開設できます。
養成講座の受講料は10万円~40万円程度が相場となっています。
社団法人 日本ヨガインストラクター協会(JYIE)
JYIEの認定校でスクールレッスンの各プログラムを修了すると、認定試験の受験資格を得られます。
コースと受講料はぞれぞれ、
- マスター(3級):75,000円
- アドバンス(2級):198,000円
- シニア(1級):395,000円
となっています(今後変更となる可能性があります)。
認定試験に合格すれば、JYIEのヨガインストラクターとして公認されます。
JYIEが承認・指導する教室の主宰者になることもできます。
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)のヨガインストラクター資格
同協会が認定する資格取得コースを受講し、認定試験に合格することで取得が可能です。
コースと受講料はそれぞれ、
- ヨガ3級Basic:189,000円
- ヨガ2級Advance:216,000円
- ヨガ1級Master:120,000円
となっています(今後変更となる可能性があります)。
国際ボディメンテナンス協会(IBMA) ヨガインストラクター資格取得コース
資格の選び方のポイントは?
このように、ヨガインストラクターに関連する民間資格はいくつもあるため、どの資格取得を目指せばいいのか迷ってしまう人もいるかもしれません。
ヨガインストラクターの資格を取るには、スクールや養成講座で学ぶ必要があるため、そこで身につく知識や技術、カリキュラムなどを中心に比較してみるとよいでしょう。
たとえば、
- 自分が好きな流派、種類のヨガか?
- インストラクターの育成経験が豊富か?
- 少人数で学べる環境があるかどうか
- ヨガの指導方法を詳しく教えてくれるか
などのポイントを注意してみるとよいかもしれません。
また、そのヨガが「人気がある流派かどうか」も気にしてみるとよいでしょう。
ヨガインストラクターとして長く仕事をしていくうえでは、多くの生徒を集めるためにも、人気のある流派の方が有利となると考えられるからです。
費用をおさえてヨガインストラクターを目指す方法も
通信講座を利用する
ヨガインストラクターの勉強にいきなり何十万円も出すのは難しいという場合、通信講座を利用する方法も挙げられます。
通信講座のほとんどは、学校に通う場合よりもだいぶ費用が安くなっており、10万円以下で学べるものも見られます。
ただし、通学制の講座よりもカリキュラムが薄かったり、資格取得が難しかったりするものもあるため注意が必要です。
弟子入りして学ぶことも可能
もし身近にヨガインストラクターとして活躍している人がいて、その人のアシスタントといった形で仕事をスタートできれば、学校に通うほどのお金をかける必要はなくなるでしょう。
ヨガインストラクターになるための道は一つではありません。
ほぼ未経験の状態から働ける職場を見つけて、現場で少しずつスキルを磨いていく方法も考えられます。
また、働きはじめてからスキルアップのために、お金を払って単発の講座を受ける人もいます。
ヨガインストラクターの有名な資格取得を目指すとなるとまとまったお金が必要になりますが、それにこだわらないのであれば、あまり費用をかけずに目指していくことも不可能ではありません。
20代で正社員への就職・転職
ヨガインストラクターになるためにはどんな学校に行けばいい?(スクール、養成講座)
ヨガインストラクターになるための学校の種類
ヨガインストラクターになるために、必ず通わなくてはならない学校やスクールはありません。
特別な資格がなくてもこの職業に就くことは可能ですが、ヨガは身体に負荷をかけたり、呼吸や意識体系にまで働きかけていく運動メソットです。
インストラクターが正しい知識を持って、生徒に対して適切に伝えられなければ、生徒が身体を痛めたり、体調を崩したりすることがあります。
もしヨガインストラクターとして多くの生徒と接し、ヨガの魅力を広く世の中に伝えていきたいと考えているのであれば、一度はヨガインストラクターの養成スクールや講座で、きちんとしたトレーニングや訓練を受けておいたほうがよいでしょう。
現在、ヨガインストラクターの養成スクールや講座は、大都市を中心に数多く存在します。
プログラムによって学べる内容は多少異なり、カリキュラム修了後に取得できるヨガインストラクターの民間資格にも違いがあります。
ヨガインストラクターになるためのスクール・養成講座
スクールや養成講座で学ぶことは?
ヨガインストラクターのスクールや養成講座で学ぶ内容は、以下のようなものとなります。
- 「ヨガとは何か」「ヨガの意味」といったヨガ哲学
- ヨガの歴史
- ヨガの種類や流派に関する知識
- 正確なポーズの取り方
- ヨガのポーズの指導方法
- 正しい呼吸法
- 呼吸法を教えるときの注意点
- 解剖学など人体についての基礎知識
- 指導メニューの作り方
ヨガインストラクターになるためのスクールや養成講座と、フィットネスクラブなどで開催しているヨガレッスンの最大の違いは、スクールや講座では「ヨガの楽しみ方を教える」というよりも「ヨガの指導方法を教える」ことに重点を置いている点です。
ヨガインストラクターのスクールや養成講座で学べば、ヨガに関する知識を深めると同時に、ポーズや呼吸法など、正確で豊かな技術を身につけられます。
最も有益なのは、生徒に教える際の注意点やコツを、実際にポーズを取りながら講師から具体的に指導してもらえることです。
本で読んだだけではなかなか伝わりにくいことでも、実体験しながら覚えていけるでしょう。
短期集中や合宿で行われるプログラムも
ヨガインストラクターのスクールや養成講座によっては、短期集中で所定のカリキュラムを修了して資格取得を目指すことが可能です。
また、短期集中プログラムでは、合宿のスタイルで開催されるものもあります。
こうした短期のプログラムはたいてい2週間~3週間程度で、沖縄で行われる場合が多く、ヨガと深く向き合いながらヨガインストラクターに必要な知識・技術を一気に習得します。
合宿によって、世界70ヵ国以上で通用する「全米ヨガアライアンス」の資格取得が目指せる養成講座もあるため、少しでも早く資格をとりたい場合には、ぜひ詳しく調べてみてください。
ヨガインストラクターになるための通信講座
通信講座でもヨガインストラクターの勉強ができる
ヨガインストラクターの養成講座は、学校やスクールに通って学ぶもののほか、通信講座もあります。
通信講座ではテキストやDVD教材などを使って、自分で勉強を進めていくことになります。
学ぶ内容は、
- ヨガの基礎知識や歴史・哲学
- ヨガのポーズや指導法
- 人体の構造
- ヨガインストラクターの仕事のはじめ方
といったものが中心です。
ポーズ写真を撮影して送ると、講師が改善点やトレーニング方法をアドバイスしてくれたり、相談や質問があればメールで対応してくれる講座もあるようです。
あらかじめ決められた日時に教室に通わずとも勉強ができるため、通信講座を利用してヨガインストラクターを目指す人も多いようです。
通信講座のメリット・デメリット
通信講座を利用するメリットは、自分の空き時間に、どこでも、いつでも勉強できることです。
大学などの学校に通ったり、仕事をしながらヨガインストラクターを目指そうとする場合、トータルで50時間、あるいはそれ以上の受講が必要なスクールでの受講は難しい場合もあるでしょう。
そんな人には、自宅で自由な時間に学習できる通信講座が便利です。
また、通信講座は4万円~10万円程度のものも多く、スクールに通ってインストラクター養成講座を受講するのに比べると安価に講義が受けられます。
費用面でも安い通信講座であれば、勉強を続けやすく、ヨガ教室でヨガレッスンを受けながら通信講座でヨガインストラクターの勉強をする人もいます。
一方、デメリットとしては、自主的に勉強をしなくてはならないため、人によっては怠けて勉強が進まないという点でしょう。
他の生徒との交流も、通学制の学校・スクールに比べるとしづらいといえます。
独学でヨガインストラクターになれる?
独学で市販されている書籍やテキストを読んだり、DVDや動画などの映像で正しいポーズの指導方法を学ぶことも可能です。
しかし、それだけではヨガ指導の現場を体験することはできません。
そこで、独学でヨガを学ぶのに加えて、どのように指導しているかを研究するために、ヨガスクールを利用するとよいでしょう。
講師が生徒に指導するときのコミュニケーションの方法など、「自分が教えるとしたら」といった視点を持ちながらレッスンを受けると、参考になることがたくさんあるはずです。
実際、ヨガインストラクターを目指す人のほとんどが、一度はヨガスクールでレッスンを受けた経験を持っているそうです。
ヨガインストラクターの学校選びのポイントは?
ヨガインストラクターの学校は、スクールや講座の種類によって学ぶ内容が異なってきます。
ひとくちに「ヨガ」といっても、「パワー・ヨガ」や「ホット・ヨガ」「アヌサラ・ヨガ」といった種類や流派がたくさんあります。
したがって、まずは自分がどのようなヨガを教えたいかを具体的に決めてから、学校や講座を選ぶとよいでしょう。
また、取得したい資格がある場合には、その資格が確実に取得できるのかどうかをよく確認して学校選びをする必要があります。
学校によっては、
- 資格取得後の独立
- 開業サポート
なども充実していますので、そのようなポイントも注目してみてください。
もし自分の通うヨガスクールやヨガスタジオで、ヨガインストラタクー養成講座も設けていれば、慣れ親しんでいる安心感からそこを選ぶのもいいでしょうし、ヨガの先生に相談してみるのもよいでしょう。
ヨガインストラクターに向いている人
- 自分自身がヨガを好きなこと
- 継続的にスキルを磨ける人
- 普段から美容や健康に対する意識が高い人
- 体力づくりに前向きに取り組める人
- コミュニケーション能力がある人
ヨガインストラクターを目指すのであれば、まず自分自身がヨガを好きなことが大前提といえるでしょう。
「好きこそ物の上手なれ」ということわざもありますが、指導する立場として、継続的にヨガのスキルを向上させていく姿勢は大切です。
ヨガが好きな人は、普段から美容や健康に対する意識が高いという傾向があります。
そんな生徒さんにヨガを教えるのですから、自分自身も日常的に美容や食事内容・健康に気をつけて、健やかな生活を送れる人が、ヨガインストラクターに向いています。
「先生のようになりたい」と生徒が思ってくれる、そんな美しいスタイルや姿勢を維持するように心がけたいものです。
そのほか、インストラクターは1日に何時間もヨガの指導を行うため、柔軟性だけでなく、持久力や筋力なども求められます。
身体を動かすことが好きで、体力づくりに前向きに取り組める人のほうが適しているといえます。
また、この仕事では生徒さんとのコミュニケーションも大事になってくるため、「ヨガの魅力や楽しさを伝えたい」という熱意がある人が望ましいです。
ヨガインストラクターのキャリアプラン・キャリアパス
就職先・活躍の場は?
ヨガインストラクターの大半は、
- ヨガ専門のスタジオ
- スポーツクラブ
- 地域のカルチャースクール
などで仕事をしています。
こうした場所におけるヨガインストラクター募集の求人を見つけて応募することで、インストラクターとして働く道が開けます。
なお、ヨガインストラクターは、この仕事を専業とする人のほか、他の職業と兼業している人もいます。
たとえばセラピストやダンサーなど、身体に関わる他の職業と、ヨガインストラクターの2つの顔を持っている人も珍しくありません。
独立・開業を目指していく人も
ヨガインストラクターは、正社員としてヨガスクールなどに勤務する人だけでなく、独立してフリーランスとして活動していく人も少なくありません。
たとえスクールでレッスンをしているインストラクターであっても、契約の形は業務委託で働くフリーランスということもよくあります。
このほか、生徒さんの家で出張レッスンをしたり、開業して自宅でヨガ教室を開き、自ら生徒を集めて指導にあたるような人もいます。
特定の企業などに所属するだけでなく、さまざまな働き方ができるのがヨガインストラクターの特徴です。
「教えること」を突き詰めていく
ヨガインストラクターになってからも、よりよい指導ができることを目指して勉強を続けなくてはなりません。
たとえば、インストラクター自らがヨガ教室に通うこともありますし、ティーチングに特化した講座を受けて、レベルアップに励むこともあります。
他のインストラクターの指導を受けてみると、「ここはもう少しこうしたほうがわかりやすいな」など、普段教えているだけでは気付かなかったことにも気づけるようになるものです。
ヨガインストラクターにゴールはありません。
高い向上心を持って、より多くの生徒に信頼されるインストラクターを目指していく努力が大切です。
ヨガインストラクターを目指せる年齢は?
何歳でもヨガインストラクターになれる
ヨガインストラクターはさほど年齢を問われない職業であるといえるでしょう。
身体を動かす以上、健康的であることは重要ですが、若くなければできない仕事というわけではありません。
実際、40代以上の現役インストラクターもたくさんいますし、元気でしっかりと身体を動かせさえすれば、50代以上になっても第一線で活躍することは不可能でありません。
最近では「シニアヨガ」と呼ばれるような高齢者を対象とするヨガも普及しており、ヨガは若い人だけが楽しむものではなくなっています。
また、この仕事では正社員以外に、パートタイムやフリーランスで働くこともできるため、キャリアを積んでいくなかで柔軟に働き方を変えていくようなことも可能です。
働きながらヨガインストラクターを目指す人も
まったく違う職業に就いている人が、ヨガインストラクターへの転身を目指して働きながらヨガの勉強をするケースもあります。
ヨガインストラクターの養成スクールや養成講座はたくさんの種類があり、平日の夜間や週末を使って、あるいは通信講座の形で自宅で好きな時間に学べるようなものもあります。
仕事を続けながらでも、ヨガインストラクターの勉強をすることは十分に可能です。
ただし、多くの人がまずはヨガスタジオや教室に通ってヨガの基礎的な知識やスキルを身につけ、その後、ヨガインストラクターの養成コースを受講しています。
自分に合うヨガの種類や、理想のヨガインストラクターの姿をイメージするためにも、ヨガインストラクターの勉強を専門的にはじめる前に、一度は生徒としてヨガのレッスンを受けておいたほうがよいでしょう。
ヨガインストラクターは高卒から目指せる?
ヨガインストラクターは、もともと学歴が問われる職業ではありません。
どれだけヨガに興味を持ち、ヨガの知識や技術を磨いていけるかが、ヨガインストラクターとして活躍する第一歩といえます。
またヨガの魅力を人々に伝えたい気持ちや、ヨガを通して多くの人を元気にしたいといった気持ちがあれば、中卒であろうと高卒であろうと、ヨガインストラクターを目指すことが可能です。
あとはヨガインストラクターになってからも日々の経験からさまざまなことを学び、自主的にヨガの勉強や練習を続けて、人間性を深めていく努力ができれば問題ないでしょう。
ヨガインストラクターの資格取得を目指すにあたっては「20歳以上」などの条件が掲げられるものもありますが、学歴の制限は普通ありません。
ヨガインストラクターの雇用形態
- 正社員
- 派遣
- アルバイト・パート
- フリーランス・業務委託
ヨガインストラクターは、ヨガスタジオ・ヨガスクール・フィットネスクラブなどさまざまな場所で活躍しています。
また、就職して正社員として働く人のほか、
- アルバイト・パートとして短時間だけ勤務する人
- 出張レッスンを中心とした派遣のスタイルで働く人
などもいます。
さらに、この仕事の特徴として、独立してフリーランスとなり、業務委託のインストラクターとして活躍する人が多いことが挙げられます。
フルタイムでの会社勤めをするだけでなく、多様な働き方ができるのがヨガインストラクターの働き方の特徴といえます。
それぞれの働き方で仕事内容にどのような違いが出てくるのか、メリット・デメリットなどと合わせて紹介します。
正社員のヨガインストラクター
正社員の仕事内容は?
「正社員」のヨガインストラクターは、ヨガの先生という役割を担うものの、あくまでも就職先の会社のいち社員として働きます。
ヨガのレッスンをすることが中心的な業務となりますが、それ以外にも、
- 部下の教育やマネジメント
- 教室の運営に関わる業務
などにも広く携わり、キャリアアップするなかで経営面に関わっていくこともあります。
正社員は給与や待遇が恵まれている場合が多く、人気のある雇用形態ですが、ヨガインストラクターの場合、正社員の求人数はさほど多くないといえるでしょう。
求人が出るときは、ヨガインストラクターとしての経験者を対象とするものがほとんどです。
しかし、一部のヨガスタジオでは、ヨガ初心者でインストラクター経験がほぼない人でも応募できるところがあるようです。
その場合、入社後に社内研修を受けて、インストラクターとしてデビューできるしくみが整っています。
正社員で働くメリット・デメリット
正社員というと「安定」といういい面ばかりが目立ちがちですが、デメリットといえる部分もいくつか考えられます。
たとえば、複数のスタジオを運営している会社の場合、会社の都合で異動を命じられる可能性があります。
また、フリーランスで働く人のように、自分で案件(担当するレッスン・講座など)を選ぶことは難しく、上司や会社から指示された通りに動かなくてはならないことが多くなるでしょう。
指導スタイルも、会社の方針に沿っていくことが一般的であり、「自分ではこうしたい」という考えが通用しないこともあるかもしれません。
しかし、給与面や待遇面でいえば、正社員が最も条件のよいケースがほとんどで、月給20万円~30万円程度は固定でもらえている人が多いようです。
勤務先によっては、経験やレベルに応じて会社のステップアップ研修を受けられるなど、成長を支援してくれる制度が数多く設けられていることもあります。
腰を据えて長く同じ環境で働きたいという人にとっては、正社員は向いているといえるのではないでしょうか。
派遣のヨガインストラクター
派遣の仕事内容は?
ヨガインストラクターは、「派遣」の形で仕事をすることも可能です。
派遣のヨガインストラクターは、「出張レッスン」の講師として活動が中心となるでしょう。
出張レッスンの目的は
- 企業における従業員のストレスケア
- 目安福祉施設における高齢者の健康増進
- 学校で学生のためのヘルスケア
- 地域センターで産後のお母さんの心身のケア
など多岐にわたる場所へ出向いて幅広い年代や立場の人にヨガを指導することです。
イベント開催時の出張など、単発での仕事も多数あるようです。
派遣のヨガインストラクターとして働きたい場合は、ヨガのインストラクター派遣サービスを手掛ける会社に登録するとよいでしょう。
ヨガの人気はいまだに高く、派遣として働けるインストラクターの需要も安定しています。
派遣であれば、自身の取得資格や指導経験、得意なヨガの種類などを事前に伝えておき、それに見合った仕事を紹介してもらえます。
派遣で働くメリット・デメリット
派遣で働くメリットは、
- 時間の融通がききやすいこと
- ある程度自分で仕事内容を選べること
だといえるでしょう。
たとえば、他の仕事をしていたり、個人でもレッスンを提供していたり、家庭の事情でフルタイムでの勤務が難しいといった人でも、無理なく自分のペースで仕事ができます。
また、さまざまな種類の仕事に挑戦して、スキルアップを目指すことも可能です。
経験と実力を積み上げていけば、派遣でも高い給料をもらえるでしょう。
しかし、一般的に派遣は正社員よりも給与相場は低めとなり、安定性という面には欠けるといえます。
また、派遣のインストラクターを募集する会社によっては、派遣登録時に「登録料」などとして費用を求められることがあるため、よく確認しておいたほうがよいでしょう。
アルバイト・パートのヨガインストラクター
アルバイト・パートの仕事内容は?
ヨガインストラクターとしては、あまり一般的な働き方ではないようですが、「アルバイト・パート」としてこの仕事をすることも可能です。
アルバイト・パートのヨガインストラクターの仕事内容は、勤務先となるヨガスタジオやヨガ教室によって異なります。
アルバイト・パートでも、正社員のインストラクターと同じようにレッスンを担当し、一人で責任もって指導にあたる場合もあれば、あくまでも社員のアシスタント的な業務だけを任されることもあります。
このような点は、自分の経験・スキルなどによっても変わる可能性があるため、応募の際にしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。
アルバイト・パートで働くメリット・デメリット
アルバイト・パートの働き方は正社員に比べて安定性には欠けますが、「週に2、3日程度だけ、空いた時間に働きたい」といった人でも仕事をができます。
何か他にも仕事をしている人や、家庭や育児の都合などで長時間勤務は難しいといった人には、メリットの大きな働き方といえるでしょう。
アルバイト・パートのヨガインストラクターでも、職場によってはヨガインストラクターとしてレッスンを受け持ち、ステップアップを目指すことが可能です。
給料は時給制となり、時給1,000円~1,500円程度が相場のようですが、昇給制度を設けている職場であれば、人気インストラクターになることで時給2,000円以上を得ることもできるでしょう。
ただし正社員のようにボーナスの支給はなく、休暇制度など福利厚生の適用もされないことが多いです。
なお、ヨガインストラクターの場合、アルバイト・パートの求人数はさほど多くないため、チャンスを逃さないようにこまめに情報を追ったほうがよいかもしれません。
フリーランス・業務委託のヨガインストラクター
フリーランス・業務委託の仕事内容は?
ヨガインストラクターは、「業務委託」という形で仕事をしている人がたくさんいます。
このスタイルでは、特定の会社やヨガスタジオに社員として雇われているわけではなく、フリーランスとして独立した形で活動をし、さまざまなヨガスタジオと「業務委託契約」を結び、レッスンの仕事を請け負うのが一般的です。
業務委託のヨガインストラクターは、「1レッスンあたり〇〇円」として報酬を得ます。
報酬の額は、レッスン1本あたり1,500円~5,000円が相場のようですが、経験や技術に応じて決定されることが多く、実力がある人は10,000円以上の高額な報酬を得られるケースもあります。
多くの生徒さんからの信頼を集めて人気インストラクターになれば、その分、レッスンをたくさん受け持てるようになり、収入を大幅にアップさせられる可能性があります。
フリーランスの場合、業務委託としてスクールやスタジオでレッスンをすること以外に、
- 自分で生徒さんを集めて自宅で個人レッスンを行う
- 企業から依頼を受けてヨガ関連のイベントでデモンストレーションや講演活動を行う
など、さまざまな仕事に挑戦する人もいます。
フリーランス・業務委託で働くメリット・デメリット
フリーランスや業務委託のヨガインストラクターは、社員のように会社に勤務時間などが決められているわけではないため、レッスンをする日時や休日を自分で決めやすいことが特徴です。
また、複数の案件を掛け持ちすることもでき、
- 自分で新しい仕事にどんどん挑戦したい人
- ひとつの職場にとらわれない働き方がしたい人
などにもメリットが大きいといえます。
ただし、誰でもすぐにこのスタイルで順調に働けるとは限りません。
スクールやスタジオによっては、応募資格として
- 〇年以上の指導経験者
- ヨガインストラクターの有資格者
を対象とすることもあります。
しかし、なかにはヨガの基礎的な知識や技術さえ身につけていれば、レッスン未経験者でも採用しているところもあります。
さらに、スキルアップのための研修制度を利用できる会社もあるため、個人のヨガインストラクターとして成長したい気持ちが強い人は、そうした制度を設けているところで知識・技術を磨きながら活動の幅を広げていくのもよいでしょう。
ただし、正社員とは異なり、毎月決まったお金が会社から支払われるわけではありません。
仕事量によって収入が大きく変動することがあるため、その点は頭に置いておく必要があります。
副業・在宅のヨガインストラクター
副業・在宅の仕事内容は?
ヨガインストラクターは、何か他の仕事を本業としながら、副業として働くことも可能です。
ただし副業のヨガインストラクターになると、働き方はある程度限定されてくるといえるでしょう。
ヨガインストラクターが副業で働く場合、正社員としてヨガスタジオなどに就職するのではなく、フリーランスの形で、ヨガスタジオと業務委託契約を結んでレッスンを行うのが一般的です。
給料は、報酬として「1レッスンあたり」で金額を決定し、どれくらいのレッスン数を受けもつかは、ヨガスタジオと相談のうえ自分で決められます。
このほか、自宅での個人レッスンや、生徒さんの家などでの派遣レッスンをする人もいます。
副業・在宅で働くメリット・デメリット
副業の形を選ぶ場合、平日は会社員として本業の仕事に専念し、夜間や週末を使って無理なくヨガインストラクターのレッスンを受けもつといったことが可能です。
自宅にスペースがあれば、家にいながらにして生徒さんを集め、レッスンをすることもできます。
実力と経験をつけていけば、生徒さんからの信用も集まり、高いレッスン料をもらえるようになって副業でもよい収入が得られるでしょう。
ただし、「副業」といっても、仕事としてする以上は本業と同じように強い責任感をもって業務に臨まなくてはなりません。
とくに、ヨガインストラクターは生徒さんの身体や健康にもかかわっていく仕事ですから、正しい知識やスキルを備えて、より注意深く仕事をする必要があります。
レッスン計画を考えたり、生徒さんとコミュニケーションをとったりなど、レッスンそのものの時間以外にもやることは出てきます。
本業に支障がないように慎重に仕事を進めたほうがよいでしょう。
ヨガインストラクターになるにはのまとめ
ヨガインストラクターは、なるために必要な資格や、進学・卒業しなくてはならない学校はありませんが、まずはしっかりとしたヨガの知識や技術そして十分な経験を積んでいく必要があるといえます。
国家資格はありませんが、民間団体が認定する資格が複数存在しており、とくに有名なのは海外でも通用する「全米ヨガアライアンス」という資格です。
ヨガインストラクター養成スクールや講座は、さまざまな会社や認定団体が開講しているため、自分がどのようなヨガを教えたいかを具体的に決めて、慎重に選ぶようにしましょう。