運転手(バス・タクシー・トラック)の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
運転手の平均年収・給料の統計データ
バス運転手の年収は430万円前後といわれ、経験を積むと基本給が上がっていきます。
官民格差が大きいといわれ、民間よりも公営のバス会社のほうが給料は良いようです。
タクシー運転手の場合は300万円程度が平均で、歩合制のためお客さまをたくさん乗せるほど給料は上がり、中には800万円程度を稼ぐ人もいます。
また大型トラック運転手の場合は400万円前後が相場で、経験を積んで特別な免許を取得しトレーラーなどを運転できるようになるとその分給料も上がります。
専属運転手の場合は、雇用形態や依頼主によって大きく異なります。
運転手の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、運転士の平均年収は下記のようになっています。
タクシー運転者
・平均年齢:59.7歳
・勤続年数:10.5年
・労働時間:172時間/月
・超過労働:21時間/月
・月額給与:281,700円
・年間賞与:195,400円
・平均年収:3,575,800円
営業用バス運転者
・平均年齢:50.7歳
・勤続年数:11.6年
・労働時間:162時間/月
・超過労働:41時間/月
・月額給与:331,700円
・年間賞与:682,800円
・平均年収:4,663,200円
営業用大型貨物自動車運転者
・平均年齢:48.5歳
・勤続年数:11.2年
・労働時間:177時間/月
・超過労働:38時間/月
・月額給与:352,600円
・年間賞与:329,900円
・平均年収:4,561,100円
営業用普通・小型貨物自動車運転者
・平均年齢:46.4歳
・勤続年数:10.5年
・労働時間:172時間/月
・超過労働:36時間/月
・月額給与:315,800円
・年間賞与:404,800円
・平均年収:4,194,400円
出所:厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
タクシー運転手 (転職ステーション) |
476万円 | |
大型ドライバー (Indeed) |
429万円 | 時給 1,398円 |
日給 1.4万円 | ||
月給 31.2万円 | ||
バス運転手 (転職ステーション) |
412万円 | |
トラック運転手 (転職ステーション) |
395万円 | |
トラック運転手 (給料バンク) |
406万円~533万円 | 20代の給料:29万円 |
30代の給料:34万円 | ||
40代の給料:36万円 | ||
初任給:28万円 | ||
バス運転手 (給料バンク) |
394万円~517万円 | 20代の給料:23万円 |
30代の給料:27万円 | ||
40代の給料:34万円 | ||
初任給:15万円 | ||
タクシードライバー【運転手】 (給料バンク) |
322万円~421万円 | 20代の給料:19万円 |
30代の給料:22万円 | ||
40代の給料:28万円 | ||
初任給:20万円 |
各社のデータより、運転手の年収は250〜550万円の間となる実態が見えてきます。
運転手の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
各社の統計データをもとに算出すると、運転手の平均年収は400万円前後となると思われます。
厚生労働省の統計調査より、ボーナスの支払額には大きく差があることがわかりますが、年収400万円でボーナスが1ヶ月分とした場合、月額総支給額は30万円、ボーナスは年間30万円ほど支給されていると考えられます。
東京都で勤務する運転手で、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は24〜25万円ほどになると見込まれます。
現在、日本人全体の平均年収が約420万円と言われていることから考えると、一般的な職業と同程度といえるでしょう。
運転手の初任給はどれくらい?
タクシー運転手の場合、第一交通グループで関東で働く際は、月収25~35万円以上可能(基本給+業績歩合給+諸手当)とされています。
バス運転手の場合、はとバスでは観光バス運転職が月額固定給185,500円~242,650円(契約基本給145,000円+手当固定分)、通勤バス運転職が月額固定給185,000円(嘱託基本給161,500円+通勤バス運転手当23,500円)とされています。
郵便局の輸送を担う日本郵便輸送のドライバー(正社員)の場合は、地域により月給 22万円~26万円とされています。
令和元年 運転士の年収(規模別 ※男性のみ)
タクシー運転者
営業用バス運転者
営業用大型貨物自動車運転者
営業用普通・小型貨物自動車運転者
令和元年 運転士の年収(年齢別 ※男性のみ)
タクシー運転者
営業用バス運転者
営業用大型貨物自動車運転者
営業用普通・小型貨物自動車運転者
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
運転手の福利厚生の特徴は?
各種社会保険、有給休暇、各種休職・休暇制度などがあります。
万一事故等に巻き込まれた際を考え、労災や休職などに対する補償が手厚いところが多いようで、契約社員でもこれらの制度は利用できる場合がほとんどです。
近年では、女性が働きやすい制度を整えることが重視される傾向があります。
20代で正社員への就職・転職
運転手の給料・年収の特徴
バス運転手の給料・年収
バス運転手の年収は、430万円前後が相場となっています。
毎月、決まった額の給料が会社から支払われるのが一般的です。
この仕事は待遇面の「官民格差」が大きく、全体として民間のバス会社よりも、公営のバス会社のほうが給料は良い傾向にあると言われています。
経験を積むと基本給が上がっていきますが、配属先の営業所や担当路線によっても、その額は異なります。
タクシー運転手の給料・年収
タクシー運転手の給料は、基本的に「基本給+歩合制」となっています。
つまり、お客さまを乗せれば乗せるだけ、長い距離を走れば走るだけ、給料も増えるという仕組みです。
平均年収は300万円程度とあまり高いとは言えませんが、一部のカリスマ運転手になると、年収800万円程度を稼ぐ人もいるようです。
運転手の中でも、がんばればがんばるだけ収入がアップしやすい仕事と言えるでしょう。
トラック運転手の給料・年収
大型トラック運転手の年収は、400万円前後が相場となっています。
働く会社や仕事内容によって給料は異なりますが、地方よりも都心部の会社で働くほうが、給料は高い傾向にあるようです。
また、月給ではなく日給として支払っている会社もあります。
長距離を走る仕事なだけに、どれだけ安全に運行できるかが重要です。
無事故を続けた場合、特別手当を支給している会社もある一方で、事故を起こしてトラックを傷つけてしまえば、その修理費用を給料から天引きされることもあります。
経験を積んで特別な免許を取得し、トレーラーなどを運転できるようになると、その分給料も上がっていきます。
専属運転手の給料・年収
専属運転手の平均年収は、雇用主や雇用形態により一概には言えませんが、一般的なタクシー運転手と同程度が多いようです。
運転手の中には秘書やマネージャー業務を兼務している人もおり、その場合は正社員として会社規定の給料が支払われます。
運転手が収入を上げるためには?
運転手が収入を上げるためには、大きくわけて「キャリアアップ」と「転職」の2通りの方法があります。
キャリアアップは、勤務経験を積むことで、タクシー運転手からバス運転手へ、小型トラック運転手大型トラック運転手など運転する車種を変えていきます。
またタクシーやバスでは主任運転手やチーフ運転手といったキャリアを経て、管理職を目指す道も考えられます。
役職に就けば役職手当がつき着実に年収アップにつながるといえます。
転職による収入アップとして、勤務先と比べてさらに待遇の良い運送会社へ変わるという方法が考えられます。
近年、運転手は人手不足の傾向があり、新卒採用だけでなく中途採用も積極的に行うところが増えているため、経験者にとってはチャンスといえるでしょう。