通訳への転職・未経験採用はある?
通訳への転職状況は?
異業種から通訳へ転職したいと考える人もいるでしょうが、結論からいうと、通訳への転職を実現させるのは、そう簡単なものではないようです。
そもそも、通訳はそこまで求人が多い職業ではなく、とくに企業などで正社員として働ける求人はごくわずかです。
早くから将来の目標を「通訳になること」と定め、大学などで語学を専門に学び、通訳養成のためのスクールに通ってきた人でも、正社員としての就職が難しい場合もあります。
たいていの人は通訳エージェントや派遣会社に登録し、条件に合う案件を斡旋してもらえる日を待つことになります。
必須である語学力に加え、ITや金融など、いずれかの業界について精通しており、業界用語や専門用語まで理解できる人であれば、仕事も紹介してもらいやすく、転職がだいぶ有利になるかもしれません。
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通訳への転職の志望動機で多いものは?
通訳の志望動機として特に多く聞かれるものは、「人と関わる仕事をしたい」あるいは「語学力を生かした仕事をしたい」という理由です。
通訳の仕事は、異なる言語を使う人と人が、円滑にコミュニケーションをとるためのサポートをすることです。
そのため、人とコミュニケーションをとることが好きな人が多いように感じます。
また、国際的なビジネスに関わりたいという思いから通訳を志す人も多いようです。
特に、現代社会はグローバル化も進み、世界的なビジネス展開をしている企業が多くあります。
通訳として経験を積めば、そのようなボーダレスで最先端のビジネスに関わる機会もあるでしょう。
そういった魅力も、通訳の志望動機となりうるものです。
未経験・社会人から通訳になるには
先に挙げたような理由もあり、未経験の状態からすぐにプロの通訳として働くというのはなかなか難しいといえます。
通訳の求人を見ても、まったくの未経験は不可となっていたり、実務経験が求められたりする場合が多いようです。
未経験から通訳を目指す場合、まずは通訳養成スクールなどに通い、スキルを身につけることをおすすめします。
ほとんどのスクールでは、卒業後同系列や関連の通訳派遣会社へ登録し、仕事の紹介を受けることができます。
そのような案件を通して実績を積み、ある程度経験した後で本当に希望する働き方にチャレンジするという流れが最も近道といえるでしょう。
なお、英語や中国語などは高い能力を持つ人がたくさんいて競争が厳しくなっていますが、ロシア語、ベトナム語、タイ語、ラオス語といったようなマイナーといわれる言語ができると、実務経験が浅くても優遇されるケースもあるようです。
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通訳への転職に必要な資格・有利な資格
通訳になるためには、特別な資格は必要ありません。
自分自身の語学力と通訳のスキルさえあれば、通訳になることはできます。
ただし、実際に仕事をもらうためには、その語学力やスキルをクライアントにアピールして自分を選んでもらう必要があります。
そのため、これらの目に見えない実力を客観的に証明する材料として、資格を取ったり、試験を受けたりする人は多くいます。
例えば、全国通訳案内士は言語系唯一の国家資格として、通訳に人気の資格です。
特に観光系に特化した資格ですから、インバウンド業界などで活躍したい人にはおすすめです。
ビジネス通訳を目指す人には、ビジネス通訳検定TOBISという資格もあります。
こちらはビジネスの場での通訳に必要となる語彙やビジネス知識を証明する資格です。
通訳への転職に役立つ職務経験は?
通訳に転職する際、それまでの職務経験はとても重要です。
なぜかというと、通訳をするためには、その場で話されているトピックについて理解することが大変重要だからです。
そして、トピックについて理解するためには、ベースとなる知識や経験が必要です。
つまり、通訳になる前に就いていた職業においての経験や知識が、そのまま通訳になった後の武器になる可能性があるのです。
とくに、医療系やIT系、知的財産系など、通訳のニーズが高い業界での勤務経験は強い武器になりますし、そのまま自分の得意分野・専門分野とすることができます。
そうでなくても、グローバル化社会と言われる現代において、通訳のニーズが全くない業種というのはなかなかありません。
今、自分がどんな職業についているとしても、そこで得た知識・経験を、通訳になった後にも十分に発揮できるよう、しっかりと経験しておくことが大切です。
通訳への転職面接で気をつけるべきことは?
通訳としての就職面接や通訳派遣会社への登録面接の際に、特に重要視されるポイントは以下の2点です。
・語学力、スキル
・ビジネスマナーや一般常識
語学力やスキルについては、通訳として仕事をするに当たって不可欠な能力をきちんと有しているかを見られることになります。
通訳派遣会社の中には、面接に合わせて、筆記試験や口述試験を行っている会社もあります。
通訳は、商談や会議といったビジネスにおいてとても重要な場に同行して仕事をします。
そのため、ただ語学が堪能なだけでなく、仕事先に失礼のない立ち振る舞いをする必要があります。
面接の場では、そういったビジネスの場面で働く場合に適切に振舞うことができるかを見られている場面であると言えます。
通訳に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
通訳になるには年齢制限はありません。
自分の気持ちさえあれば、定年退職後にセカンドキャリアとして目指すことだって可能です。
ですが、前述した通り、通訳として独り立ちするまでには、スクールに通ったり、基礎的なスキルを磨くという準備期間が必要になります。
通訳としてデビューした後も、安定して仕事を得られるようになるまではどれくらいの期間が必要になるかわかりません。
そのため、未経験から通訳に転職しようと思うと、時間的にも経済的にも負担に耐えられるよう、しっかりと準備してからチャレンジする必要があります。
未経験から通訳の転職での志望動機
通訳の求人はの多くは、ある程度以上の経験が必須とされています。
それは、確かなスキルを持って即戦力として働くことができる人材を求めているからです。
未経験からの転職の場合、通訳としての経験はありませんが、その分、他の業界での社会人経験や専門知識があります。
別の職種からの転職の場合、通訳になりたいと思った志望動機をしっかりと伝えることだけでは不十分です。
自分のこれまでの経歴と絡め、このキャリアを積んだ上でなぜ通訳なのか、ということが伝わるような志望動機となるように意識して組み立てましょう。
特に、自分の専門分野と得意なこと、誇れる知識やスキルをはっきりと言葉にして、それらをどのように通訳業務に生かすことができるのか、具体的にアピールすることが大切です。