トラック運転手の年収・給料をくわしく解説! 年収1000万円は目指せる?
トラック運転手の平均年収・給料の統計データ
トラック運転手が正社員として働く場合、基本的に給料は月給制ですが、一部では日給として支払っている会社もあります。
給与体系は「固定給」が基本ですが、このほか「固定給+歩合」や「完全歩合制」をとっている会社もあります。
トラック運転手の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、トラック運転手の平均年収は下記のようになっています。
営業用大型貨物自動車運転者
・平均年齢: 50.6歳
・勤続年数: 13年
・労働時間/月: 177時間/月
・超過労働: 35時間/月
・月額給与: 371,200円
・年間賞与: 398,400円
・平均年収: 4,852,800円
営業用貨物自動車運転者
・平均年齢: 44.7歳
・勤続年数: 10年
・労働時間/月: 182時間
・超過労働: 27時間
・月額給与: 334,200円
・年間賞与: 367,900円
・平均年収: 4,378,300円
出所:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
配送ドライバー (Indeed) |
6,549,785円 | 時給2,264円 |
日給33,148 円 | ||
月給463,736円 | ||
セールスドライバー (Indeed) |
2,942,214円 | 時給1,337円 |
日給 16,694円 | ||
月給 208,314円 | ||
トラック運転手 (転職ステーション) |
395万円 | - |
各社のデータより、トラック運転手の年収は400〜550万円の間となる実態が見えてきます。
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トラック運転手・トラックドライバーの種類と平均年収の目安
トラックの種類の違い
大型トラック運転手
お客さまから依頼を受けた荷物を、荷揚げ場所から荷卸し場所まで配送するのが主な役割です。
おもに長距離運転が就寝でおおよそ10トン以上のトラックを運転するため負担も大きく、小型・中型に比べると給料が高めになります。
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、営業用大型貨物自動車運転者の平均年収は約485万円です。
中型・小型トラック運転手
大型トラックと同様、荷揚げ場所から荷卸し場所まで荷物を配送するのが主な役割ですが、中型の場合は4トン前後のトラックで、配送する距離は日帰りが出来る範囲が目安です。
小型の場合は、普通自動車免許で運転できる2トントラックが主流で、個人間の宅配業務や集配所間のルート配送など、多くのニーズがあります。
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、営業用貨物自動車運転者は平均年収438万円です。
トレーラー運転手
いわゆる「けん引貨物自動車」を運転する運転手で、大量の重い荷物を積んで、長距離を走るのが役割です。
大型トラック運転手の中でも花形といわれ、平均年収は500~600万がボリュームゾーンです。
「2022年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」によると、男性けん引運転者の1ヵ月平均賃金は特積で367,200円、一般で402,600円です。
職種別にみた場合、月額の給与が最も高いのはけん引、最も低いのは中型で、その差額は86,400 円となっています。
出典:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態
役割の違い
ルート配送
ルート配送とは、企業や業者から指定された商品を積み込み、配送先へ運ぶ仕事です。
配達先と配送商品は基本的に固定されているため、営業仕事はありませんが、その分速さや正確さが求められます。
ルート配送の平均年収は、350万円~400万円程度とされています。
セールスドライバー
セールスドライバー(ルート配送営業)は、ドライバーと営業の両方の仕事を担います。
企業から代金を受け取ったり、新しい配送方法を提案をしたりと、金銭を伴う決済や営業の仕事も行わなくてはなりません。
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、営業用貨物自動車運転者は平均年収438万円です。
長距離トラック運転手の年収はどれくらい?
長距離トラック運転手の年収は平均400~750万円ほどです。
トラック運転手の給料は運転する距離によって変わるため、長距離を走るとより給料は高くなります。
また、長距離トラックを運転するためには経験も必要であり、その分も給料に考慮されることが多くなっています。
さらに、長距離トラック運転手は運転時間が長く、休憩や睡眠時間も短くなりやすいため、ほかのトラック運転手よりも高めに設定されることが一般的です。
トラック運転手の初任給はどれくらい?
初任給に関しては、郵便局の輸送を担う日本郵便輸送のドライバー(正社員)の場合は、地域により月給 22万円~26万円とされています。
ヤマト運輸のセールスドライバー職の場合は、新卒の初任給は大卒で東京23区在住在勤の場合235,500円とされています。(2023年度実績)
佐川急便のセールスドライバー職の場合は、初任給は257,800円とされています。(2024年度実績)
営業用大型貨物自動車運転者の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
営業用大型貨物自動車運転者の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める営業用大型貨物自動車運転者の平均年収は466万円、100〜999人規模は516万円、1,000人以上の規模では530万円、10人以上規模の事業所平均は485万円となっています。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
営業用貨物自動車運転者の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
営業用貨物自動車運転者の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める営業用貨物自動車運転者の平均年収は396万円、100〜999人規模は418万円、1,000人以上の規模では479万円、10人以上規模の事業所平均は438万円となっています。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
営業用大型貨物自動車運転者の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
営業用大型貨物自動車運転者の年収は、年齢による上昇はあまりなく、おおむね400万円台を推移しています。
全年代の平均年収は485万円となっています。
営業用貨物自動車運転者の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
営業用貨物自動車運転者の年収は、年齢による上昇はあまりなく、おおむね350万円~500万円を推移しています。
全年代の平均年収は438万円となっています。
トラック運転手の福利厚生の特徴は?
各種社会保険、有給休暇、懐妊・育児休職制度、各種休職・休暇制度などがあります。
一般的には契約社員でもこれらの制度は利用できる場合がほとんどです。
そのほか、運転に必要な資格や免許取得のために補助金などの金銭的なサポートをしてくれるところも多くあります。
近年では、人材不足のため女性が働きやすい制度を整えているところも増えてきています。
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トラック運転手の給料・年収の特徴
基本給以外の手当でも差が出る
トラック運転手は、基本給以外に、どれだけ手当が出るかによっても収入にはだいぶ差が出てきます。
トレーラーなどを運転できるようになると「トレーラー手当」が、無事故を続ければ「無事故手当」が支給される会社も多くあります。
自己負担を強いられることも
大型トラックを運転するとなれば、高速道路を走ることが多くなります。
ほとんどの会社では高速代は会社負担となりますが、一部では自己負担を要求する会社も存在するようです。
こうした自己負担に関しては、あらかじめしっかりと確認しておくことが必要です。
万一のときの保障
トラック運転手は常に事故の可能性も頭に置いておかなくてはなりません。
もちろん、事故を起こさないように安全運転をすることが大前提ですが、もしトラックを傷つけてしまった際に、その修理費用を給料から天引きされることになれば収入は大きく減ってしまいます。
安心して仕事をするためにも、万が一のことがあった際に、会社がどれだけ補償してくれるかについてはしっかりと確認しておくことが大切です。
トラック運転手の代表的な企業の年収
ヤマトホールディングス(株)の平均年収は約500万円で、業界トップクラスの給与水準です。
本給はやや低めであるものの、その分歩合給(インセンティブ)が大きくなっており、 月の平均賃金は25~35万円超えも珍しくありません。
採用ホームページを見ても、東京都の場合は月収例440,000円とされており、福利厚生もしっかりしています。
SGホールディングス(株)の場合、平均年収は一般職では300~400万円、キャリアアップすると500~600万円ほどになるようです。
採用情報を見ると、東京営業所の場合は月給22万円~26万円ほどとなっています。
日本通運(株)の平均年収は、一般職では400~500万円ほどで、等級制度により年々給料がアップしていきます。
採用サイトを見ると、東京都内のエリアドライバー(中途採用)の場合、175,800円以上(月40時間分の固定残業手当あり)となっています。
参考サイト:転職会議
参考サイト:OpenWork
参考サイト:ライトハウス
トラック運転手が年収を上げるためには?
キャリアを積んでいく
トラック運転手が収入をアップさせるためには、経験を積みキャリアアップすることが近道です。
短距離から長距離、小型トラックから大型トラックになれば給料はぐんと上がります。
違う運送会社に転職する
年収をアップさせるために、違う運送会社に転職する方法もあります。
一般的に大型トラックや長距離運転ができれば年収はアップすることが多いため、こうした運送がメインの会社に転職すると、年収が上がる可能性があります。
近年はトラック運転手不足や劣悪な労働環境が社会問題化しており、福利厚生や給料を見直したり、就職後に新しい免許を取得できたりと、手厚いサポートをする企業が増えてきています。
ひとくちに運送会社といっても企業規模はさまざまで、営業エリアや配送するものも違います。
働き方や労働条件から、自分に合った企業を選ぶとより給料もアップしやすくなります。
歩合制で大きく稼ぐ
歩合制をとっている企業では、たくさんの荷物を積んで走れば走るだけ給料に跳ね返ってきます。
企業によっては、繁忙期には給料が何倍もアップさせられます。
ただし、荷物が少ない時期などはどうしても収入が下がりやすくなってしまうため、安定した収入が得られないリスクもあります。
トラック運転手は20代でも高収入を目指せる?
トラック運転手の年収は、運ぶ荷物の中身や量、運転する距離に左右されます。
新人のうちは難しいですが、仕事に慣れ、配送するのが難しい荷物や、長距離の運転をまかされるようになれば、高収入を目指すことができます。
さらに大型などの運転資格や、荷物の取り扱いに必要な免許や資格を取得すれば、より高収入を手に入れることも夢ではありません。
小型トラックで近距離を運転する場合、どうしても給料は抑えられがちですが、近年はインターネットショッピングの普及などにより個人宅への配送が急速に増えています。
一日に配送する荷物を増やしたり、効率的なルートで配送したりすることによって、高収入を目指すことができるでしょう。
トラック運転手は年収1000万円を目指せる?
昔のトラック運転手の年収は高かった?
バブル全盛期の80年代は、年収が800~1000万円を超えるトラックドライバーも少なくありませんでした。
しかし、1990年に新規参入要件の緩和、運賃の実質自由化などがあり、トラック運転手の給料は急速に下落しました。
現在では景気の悪化、燃料代の高騰、労働基準法による労働時間の制限なども影響し、年収1000万円を超えることはかなり難しいと言われています。
年収800万は夢ではない
一方で、大型免許があり、深夜勤務する長距離運転手や、資格や経験豊富でさまざまな荷物を運べるトライバーであれば、年収800万円を超えることもあります。
とくに年収が高いとされているのは、大手の宅配業者や引っ越し業者のドライバー、危険物や超大重量物など、特殊輸送を担うドライバーです。
トラック運転手とバス・タクシー運転手の年収はどっちが高い?
給料の違い
トラック運転手の年収は、400~500万円前後が相場とされています。
バス運転手の年収は、平均450万円程度といわれており、さほど違いはありません。
タクシー運転手の年収は、平均300~350万円程度で、トラック運転手やバス運転手に比べると低めとなっています。
それぞれの働き方のメリット
トラック運転手は、お客さまを乗せず一人で運転に集中できるため、他の運転仕事に比べると気が楽であるという人が多いです。
バス運転手は、決まったルートを決まった時間走るため、残業は比較的少なく、安定した働き方ができます。
タクシー運転手は自由な働き方がしやすく、多くが歩合制であるため、働けば働くほど給料がアップしやすくなります。
年収だけでなく、それぞれの働き方の特徴やメリットを考えたうえで、選択する事が大切です。