スポーツインストラクターの需要・現状と将来性
そのため、どの地域でも一定の需要があるといえます。
ただし、スポーツインストラクターの雇用形態はアルバイトが多く、20代~30代の女性が多く活躍しています。年齢を重ねると結婚・出産などで仕事を続けること・キャリアアップしていくことが難しい場合もあり、離職する人も少なくありません。
またスポーツインストラクターの地位は高いとは言えず、需要の高まりとともに待遇の改善も期待されています。
この記事では、スポーツインストラクターの需要・現状と将来性について解説します。
スポーツインストラクターの現状
バブル経済期には、日本各地にたくさんのスポーツ施設が開業しました。
その後、バブル崩壊と同時に多くの企業がスポーツの分野から撤退し、スポーツインストラクターの給料は下がり、正社員雇用は減ってアルバイトとして働く人が増えました。
現在、スポーツインストラクターは他の職業に比べると収入があまり高くなく、体力の面から見ても長く続けられる職業とはなっていません。
実際、全国のフィットネスクラブやスポーツジムで働くスポーツインストラクターの7割が、20代から30代の女性といわれています。
年齢を重ねると仕事を続けることが難しいことや、キャリアアップしていくことが難しいことから、スポーツインストラクターを離職する人も少なくないのが実情です。
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スポーツインストラクターの需要
日本国内には、大都市はもちろん、地方の小さな都市までフィットネスクラブやスポーツジムが存在しています。
ダンス教室やヨガ教室などのレッスンスタジオも多く開かれ、スポーツインストラクターの需要も一定数あります。
しかし、アメリカやイギリス・ドイツ・フランスといった欧米の国々と比べれば、まだまだスポーツに親しむ国民の数は少なく、スポーツインストラクターの地位も高いとはいえません。
これは、日本に本当の意味でスポーツ文化が根付いていない証拠でもあり、スポーツインストラクターの需要の高まりとともに待遇の改善も期待されています。
スポーツインストラクターの将来性
ここまで紹介したような事情はあれど、日本でスポーツを愛する人、若いうちからスポーツに親しんでいる人も決して少なくはありません。
昨今では人々の健康志向が高まり、「日常生活に気軽にスポーツを取り入れよう」という考え方が広まってきています。
さらなる高齢化社会を迎えるなか、今後はシニア向けに適切なスポーツの指導ができる人材も、さらに求められていくものと考えられます。
また、2015年には文部科学省の外局として「スポーツ庁」が設立されるなど、国や地方公共団体がスポーツ振興に注力する傾向も強まっています。
こうした流れのなかで、サッカーや野球、陸上、テニス、水泳、ラグビーなど、さまざまなスポーツ団体が、スポーツ業界を盛り上げようと努力しています。
人々にとってスポーツがより身近なものになれば、スポーツインストラクターのニーズも増していくでしょう。
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スポーツインストラクターの今後の活躍の場
近年は、幼児の運動能力の低下が大きな問題になりつつあり、幼稚園や保育園でスポーツの時間をカリキュラムに加えるところが急増しています。
そのため、スポーツインストラクターが幼稚園や保育園で指導をする機会が増え、幼児向けのスポーツ教室が人気を集めたりと、幼児に適切な指導ができるスポーツインストラクターが求められています。
小さい頃からスポーツに親しんだ子どもたちが、体を動かすことに関心を寄せることで、スポーツが生活の一部となる日がくるかもしれません。
日本に本当の意味でスポーツ文化が根付けば、欧米各国のように、日本のスポーツインストラクターの地位や待遇も現在より格段にアップすると期待できます。
参考:フィットネスクラブのデータ
フィットネスクラブ売上高の推移
経済産業省の統計によると、フィットネスクラブの売上高は2013年から2018年にかけて増加傾向にありましたが、コロナをきっかけとして、2020年は大幅に減少しています。2021年の売上高は2450億3100万円となっています。
フィットネスクラブ会員数の推移
フィットネスクラブの会員数も2020年以降大幅に減少しています。2021年度の会員数は約258万人でした。
フィットネスクラブ従業者数の推移
フィットネスクラブの従業者数は、2012年度以降徐々に増加していましたが、2020年に大幅に減少しています。2021年度は40,737人となっています。
フィットネスクラブ従業員に占める正社員の割合
フィットネスクラブは正社員比率が低いという特徴があります。2021年度の正社員比率は21.0%となっています。
スポーツインストラクターの需要・現状と将来性のまとめ
現在、ダンス教室やヨガ教室などのレッスンスタジオも多く開かれ、スポーツインストラクターの需要も一定数あります。
しかし、現状、スポーツインストラクターは他の職業に比べると収入が少なく、体力の面から見ても長く続けられる職業とはなっていません。
今後、各地でスポーツに関するイベントが計画され、スポーツが話題の中心となれば、これまでに比べると国民がスポーツに親しむ機会が増えるでしょう。
また、これからは子ども向け、あるいは高齢者向けにスポーツを適切に指導できる人材がさらに求められていくと考えられます。