ソムリエの意味・由来

「ソムリエ」の言葉の意味は?

ソムリエという言葉のはじまり

ソムリエを目指したい場合には、まずソムリエという言葉にどのような意味があるのかを知っておくことも大切です。

今では「ワインの知識を持った専門職」として広く普及しているソムリエをいう言葉は、もともと「荷物を運ぶための動物を扱う人」を指して使われていました。

「荷役用の牛馬」を意味するラテン語である「sagmarius」「saumarius」という言葉として誕生したといわれています。

時代とともに言葉が変化していく

12世紀になると「sagmarius」「saumarius」というラテン語がフランス圏に入ります。

そしてフランス語の「sommier」という言葉に変化していきます。

sommierというフランス語は、現在では「マットレス」や「ベッド台」などと訳されることが多い単語です。

当時は、王様の食事の管理や毒味をおこなう食事係が使用していた「荷車」を指して使われていたといわれています。

ソムリエという言葉のさらなる変化

13世紀に入ると「sommier」という単語がさらに変化して、動物の使い手を意味する「sommelier」という言葉が生まれました。

sommelierは、王族の旅行などに同行して荷馬車などで荷物を運ぶ人を指して使われていた言葉ですが、これが徐々に変化していき、大革命時代のころには「宮廷の中で食事やぶどう酒の管理をする人」を指して使われるようになりました。

現在の意味に近い言葉の登場

18世紀になるとフランス革命が起こり、王制が崩壊したことによって宮廷で働いていたsommelierが街で働くようになりました。

各地のレストランやカフェにぶどう酒の管理係が登場するようになり、これが現在の「ソムリエ」という職業名の由来となっています。

今では格式高いホテルやレストランでワインをスマートにサーブする華やかな職業というイメージのあるソムリエですが、もとは「荷車」や「動物の使い手」という意味を持っていたというのは意外ではないでしょうか。

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ワイン以外の分野にも広がっていく

ソムリエというとワインの専門家という意味で使われることが多いですが、最近の日本では「◯◯ソムリエ」という表現である特定の分野に精通した専門家のことを「ソムリエ」という表現を使って呼ぶこともあります。

しかし、上述したソムリエの由来を知ると、ワイン以外の分野で「ソムリエ」が使われるのは正確な表現ではないことが分かります。

現在、どんな分野の専門家が「〇〇ソムリエ」と呼ばれているのか、いくつかご紹介します。

野菜ソムリエ

野菜ソムリエは、野菜や果物の知識を持ち、おいしく味わえるレシピや食べ方を人々に伝える野菜・果物のスペシャリストです。

日本野菜ソムリエ協会が認定する資格試験に合格すると、野菜ソムリエとして活躍することができます。

野菜ソムリエの仕事

日本酒ソムリエ

日本酒ソムリエは、ソムリエの日本酒版だといえます。

日本酒に関する専門知識を持ち、お客さまの好みや料理に合った日本酒を選んで提供するスペシャリストのことを指します。

「唎酒師(ききざけし)」とも呼ばれ、飲食店のほか、酒屋や商品開発の現場でも活躍しています。

紅茶ソムリエ

紅茶ソムリエは、紅茶に関する深い知識とおいしく淹れる技術を持った、紅茶のプロフェッショナルのことをいいます。

紅茶アドバイザーや紅茶コーディネーターなどの民間資格を持って活躍する人のことを「紅茶ソムリエ」と呼ぶのが一般的です。

ほかにも、「焼酎ソムリエ」や「茶ムリエ」「だしソムリエ」「温泉ソムリエ」など、さまざまな分野でいろんな「ソムリエ」が誕生しています。