サッカーの用具係(ホペイロ)になるには? 仕事内容や年収も解説

プロサッカーチームでは、選手やコーチだけではなく、さまざまな裏方の職業の人が活躍しています。

今回ご紹介する「サッカーの用具係(ホペイロ)」もその一つです。

プロサッカーチームに所属する用具係は、選手が身に付けるものや用具などの管理、ケア、準備をする重要な役割を担います。

サッカーの用具係(ホペイロ)の仕事内容

選手が身に付けるものや用具の管理を担当する

「ホペイロ」とは、ポルトガル語で「用具係」を意味します。

サッカーにおけるホペイロは、その名のとおりにプロサッカーチームに所属する用具係で、選手のユニフォームやスパイク、ボールや練習で使用する用具などを全般的に管理するのが役割です。

具体的な仕事内容としては、練習や試合後のユニフォームの洗濯やスパイクの手入れ、用具の管理や練習時に使う道具の準備や後片付けなどがあります。

場合によっては破れた練習着を縫ってつくろうことや、スパイクの調整のためにソールの部分を削るなどの仕事も行います。

また、スパイクが傷んでしまった時には、その選手が契約しているメーカーに連絡を入れて、新しいスパイクを注文することもホペイロの仕事です。

試合の際には試合前のロッカールームの準備、試合後の片付けなども担当します。

試合前にはロッカールームにエネルギーを補給できる栄養ドリンクやゼリーなどを用意しておくなど、選手が最高の状態でプレーできるようにさまざまな準備を行います。

朝早くから夜遅くまでの業務になることも

ホペイロは、さまざまな用具の準備や管理を担当するため、毎日の仕事は、練習や試合の開始時間よりもずいぶん前から始まります。

たとえば練習が午前10時から始まる場合には、8時過ぎにはロッカーの整備にとりかかり、練習に使用する道具の準備などを行っていきます。

練習後には後片付けをし、午後にはスパイクの汚れを落として乾燥させたり、必要があればスパイクの調整や手入れなどを行ったりします。

その他にもユニフォームの洗濯や翌日の準備などの仕事があるため、すべての作業が終わるのは深夜になることも珍しくありません。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

サッカーの用具係(ホペイロ)になるには・必要な資格

ホペイロになるために必要な資格はとくにありません。

通わなければいけない学校もありませんが、スポーツ系の専門学校でホペイロの仕事につながる「エクイップメントスタッフ」の養成を行ってるところもあります。

ホペイロという職業は、日本においては1993年のJリーグ開幕以降に確立された比較的新しい仕事です。

歴史の浅い職業であるため、現状ではホペイロになるためのルートは人によってさまざまです。

たとえば日本初のホペイロと言われている松浦紀典氏は、スポーツチームを持つ大手企業に就職し、Jリーグが開幕するタイミングで読売クラブ(現在の東京ヴェルディ)にホペイロとして入団しました。

また、FC東京のホペイロを務めている山川幸則氏は、スペインでホペイロとしての修行を積んだ経験を生かしてJリーグでも活躍しています。

サッカーの用具係(ホペイロ)に向いている人・適性・必要なスキル

ホペイロは単なる用具係ではなく、さまざまな専門的知識が必要な職業です。

たとえば、スパイクの手入れや管理なども担当するため、スパイクに関しても熟知していなくてはいけません。

サッカーのスパイクは練習用と試合用で異なりますし、芝の種類や天候、ピッチコンディションなどによっても履き替えることがあります。

選手個々のプレースタイルを見極めてスパイクを改良することなどもあるため、道具に関しては選手以上に専門的な知識が必要です。

また、チームを陰で支える裏方スタッフですから、細かな部分にも気配りができることが重要です。

たとえばロッカールームの準備をする場合などでも、選手の好みや利き腕など、さまざまな要素を考慮して行っていきます。

ロッカールームでの選手の配置を決める役割を担うこともあり、その場合には通訳の必要な外国人選手の場所に配慮するなど、細かなところに気を使うことが求められます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

サッカーの用具係(ホペイロ)の求人状況

国内のプロサッカーチームで、ホペイロの公募が行われることはほとんどありません。

ホペイロのキャリアをスタートさせる方法としては、なんらかの形でJリーグのチームに「見習い」として雇ってもらうのが一つの道です。

ヨーロッパなど海外のプロチームで武者修行をし、実績と経験を積んでからJリーグで就職活動をするというのも現実的な方法といえます。

いずれにしても、最終的にはJリーグクラブと契約を結び、チーム専属のホペイロとして仕事をすることになります。

現状では日本のプロサッカーチームは多くても1~2名しかホペイロが所属しないため、狭き門です。

なお、コーチングスタッフらと同様に基本的には1年ごとに契約を更新します。

年収はJリーグのトップカテゴリーのチームであれば600万円~800万円程度といわれています。

サッカーの用具係(ホペイロ)の現状と将来性

ホペイロはヨーロッパや南米のサッカー強豪国では、チームの中で存在感のあるポジションとして確立されています。

スパイク担当、ボール担当、ユニフォーム担当と道具ごとにホペイロがおり、チームに3~4名が所属しているのが常識です。

しかし、日本においてはまだまだホペイロとして雇われているスタッフは少なく、すべてのプロチームにホペイロが所属しているわけではありません。

専属のホペイロがいないチームでは、マネージャーがホペイロに近い役割を行っているのが実情です。

以前は日本代表チームにも本職のホペイロはいませんでしたが、最近では日本代表専属のホペイロがいます。

今後はJリーグでもホペイロを雇うチームが徐々に増えていくでしょう。

プロチーム自体も年々増加しており、国内においても少しずつホペイロの需要が高まっていくことが予想されます。

「サッカーの用具係(ホペイロ)」のまとめ

ホペイロはプロサッカーチームにおいて用具全般を管理する用具係です。

チームを陰で支える裏方スタッフとして、細やかな気配りが求められる職業といえます。

日本ではまだ歴史の浅い仕事ですが、今後、活躍の場が増えていく可能性は十分にあります。