サッカーのユースチームと部活の違い

サッカー選手の育成2大ルート

ヨーロッパのサッカー強国では、プロサッカー選手は幼い頃からプロクラブの下部組織で育成されるのが一般的です。

日本の場合、学校の部活という特有のスポーツ文化があるため、サッカー選手の育成ルートも学校の部活とプロクラブの下部組織が2大ルートとなっています。

1993年にJリーグが発足した当初はほとんどの選手が高校のサッカー部出身者でしたが、Jリーグが歴史を重ねるなかで少しずつ下部組織からトップチームへ昇格する選手の割合が増えています。

2018年のワールドカップ・ロシア大会の日本代表選手を見ると、23選手中12名が高校のサッカー部出身で11名がJリーグクラブのユース出身とほぼ半々です。

学校の部活動もJリーグクラブの下部組織も、育成環境としてそれぞれによさがあります。

Jリーグクラブの下部組織の特徴

Jリーグクラブ下部組織における最大のメリットは、小学生の頃から一貫した指導体制の下に育成されることです。

各クラブがそれぞれの育成プランを掲げて取り組んでいるため、トップチームに昇格できればスムーズにチームに溶け込めます。

一般的に、基礎技術力は下Jリーグクラブの下部組織出身者のほうが、平均してレベルが高いといわれています。

トップチームと同じ環境で練習を行うこともあるため、プロ選手の試合や練習、生活に身近に触れられるのもメリットです。

Jリーグクラブのユースチームに所属する選手は、ほぼ全員が高校にも入学します。

なお、京都サンガのユース選手の場合は、ほぼ全員が立命館宇治高校へ入学します。

このように、クラブによっては高校や大学と提携して学校生活を支援しているところもあります。

学校の部活動の特徴

Jリーグが発足する以前、日本のサッカー少年の目標は高校サッカー選手権に出場することでした。

Jリーグの誕生によって高校サッカーの先にも多くの目標が広がる時代となりましたが、いまも高校サッカー選手権への出場を目指して高校のサッカー部を選択する選手も少なくありません。

Jリーグクラブの下部組織と比べると、学校の部活は教育の一環であるため、サッカー技術以外の面でもたくましくなる環境があります。

一般的にはJリーグクラブの下部組織で育った選手のほうが平均して技術面は優位といわれる一方で、学校のサッカー部で育った選手は精神的に鍛えられている傾向があります。

下部組織と部活の両方を経験する選手も多い

Jリーグクラブの下部組織では、年代が上がるごとに人数が絞られるのが通例です。

中学生のときにJリーグクラブのジュニアユースに所属していても、ユースへの昇格は認められないことがあります。

また、ジュニアユースからユースへ昇格できなかった選手が、高校のサッカー部へ進むケースも多く見られます。

ユースへの昇格が可能かどうかの判定は、通常、サッカーの強豪高校でセレクションが行われる夏前に行われます。

ユースへの昇格が認められなかったジュニアユースの選手たちは、強豪高校への進学を考えなくてはなりません。

日本代表として活躍した本田圭佑選手はガンバ大阪のジュニアユースに所属していましたが、ユースへの昇格が認められませんでした。

そのため本田選手は石川県の星稜高校へ進学し、そこでのプレーが認められて高校卒業時に名古屋グランスパスとプロ契約を結びました。

ユースからトップチームに上がれずに大学サッカーを経由してプロへと進む選手も多いです。

Jリーグクラブの下部組織と学校の部活の両方を経験した選手が大成する例も数多くあります。